4話:I know…
昨晩、荒れ狂ったお母さんは夜中になって叫びながら家を出た。
多分、贔屓のホストさんのところにでも行ったんやと思う。
大きな音を立てた扉の開閉音に、私と尚は恐る恐る廊下に顔をのぞかせる。
静まり返った家に、私たちのため息が響いた。
ほんま、あれが母親とか……。
仕方がないから、二人でリビングダイニングを片付け眠りについた。
そうは言っても、私は明け方まで寝付くことなんてできなくて。うつらうつらしたときには朝日が昇っていた。
お母さんは今朝になっても帰ってきていない。
どこぞで酔い潰れているのか、はたまた――。
そんなことを考えて、頭が痛くなった。
しゃーないから、なんてことのない他国の曲を小声で口ずさんだ。
□ + ◇ + □
そして、放課後――。
私は謙也くんと白石くんに囲まれていた。
「昨日は見学やったけど、今日はマネ体験してみぃや!」
とは、謙也くんの声。
私の机に手をついて、半身を乗り出している。
……というか、昨日のほぼ体験やったやん、なんて口が裂けても言われへん雰囲気やねんけど。
「実際、やってみて無理や! ってなったら、それでええしな。昨日、うちの部の奴ら、みんな喜んどったんや」
白石くんがニコニコの笑顔で告げる。
なんというか、圧が強い。
いや、昨日のキャラの濃い人らと比べたらマシなんやろうけど。
それでも圧が強い。
というか、なんやろ。
絶対逃がさんみたいな気概を感じる。
なんでこんな必死? と思いつつ私は「き、昨日の今日で?」と、半身をうしろに引いた。
白石くん、昨日『男所帯やから無理強いはせん』って言うてたやん!!
言うてること変わっとるやんか。
そう必死に『嘘つき!』と、目で訴えるけれど、効果はいまひとつ。
謙也くんは……なんや分からんけど、うちが部活入ったら嬉しいみたいやから、訴えても無駄やしな。
二人の圧に押し負けそうになりつつも、私の脳は冷静でそんなことを考える。
もう半身をうしろに引けば、半身が近付いて――。
「……え、ええのん?」
なんや屈服してもた。
目の前で白石くんと謙也くんが「っしゃ!」とハイタッチを交わしとる。
「これで、小春とユウジのペア解消も免れたわ」
今、不穏な言葉が聞こえてきたけど。
気にしたら負けやろか?
私はなされるがまま、男子テニス部に連行された。
多分、贔屓のホストさんのところにでも行ったんやと思う。
大きな音を立てた扉の開閉音に、私と尚は恐る恐る廊下に顔をのぞかせる。
静まり返った家に、私たちのため息が響いた。
ほんま、あれが母親とか……。
仕方がないから、二人でリビングダイニングを片付け眠りについた。
そうは言っても、私は明け方まで寝付くことなんてできなくて。うつらうつらしたときには朝日が昇っていた。
お母さんは今朝になっても帰ってきていない。
どこぞで酔い潰れているのか、はたまた――。
そんなことを考えて、頭が痛くなった。
しゃーないから、なんてことのない他国の曲を小声で口ずさんだ。
□ + ◇ + □
そして、放課後――。
私は謙也くんと白石くんに囲まれていた。
「昨日は見学やったけど、今日はマネ体験してみぃや!」
とは、謙也くんの声。
私の机に手をついて、半身を乗り出している。
……というか、昨日のほぼ体験やったやん、なんて口が裂けても言われへん雰囲気やねんけど。
「実際、やってみて無理や! ってなったら、それでええしな。昨日、うちの部の奴ら、みんな喜んどったんや」
白石くんがニコニコの笑顔で告げる。
なんというか、圧が強い。
いや、昨日のキャラの濃い人らと比べたらマシなんやろうけど。
それでも圧が強い。
というか、なんやろ。
絶対逃がさんみたいな気概を感じる。
なんでこんな必死? と思いつつ私は「き、昨日の今日で?」と、半身をうしろに引いた。
白石くん、昨日『男所帯やから無理強いはせん』って言うてたやん!!
言うてること変わっとるやんか。
そう必死に『嘘つき!』と、目で訴えるけれど、効果はいまひとつ。
謙也くんは……なんや分からんけど、うちが部活入ったら嬉しいみたいやから、訴えても無駄やしな。
二人の圧に押し負けそうになりつつも、私の脳は冷静でそんなことを考える。
もう半身をうしろに引けば、半身が近付いて――。
「……え、ええのん?」
なんや屈服してもた。
目の前で白石くんと謙也くんが「っしゃ!」とハイタッチを交わしとる。
「これで、小春とユウジのペア解消も免れたわ」
今、不穏な言葉が聞こえてきたけど。
気にしたら負けやろか?
私はなされるがまま、男子テニス部に連行された。