【長】幼なじみは狐の子。
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ある日のこと。
恋と理央と明日香は、喋りながら昇降口から階段を上がってきて、いつもの通り教室の戸を開いた。
3人は最初近所に新しく出来たケーキショップの話をしていた。
そこからたまたま好きなお菓子の話になって、理央がねえ、一番好きなお菓子って何?と聞いた。
恋が口を開いてキャラメルを好きだというと、明日香がええっと驚いた声を出した。
「何で?。そんなに意外?」
恋は、きょとんとして聞いた。
「意外っていうか、キャラメルかあ。」
チョコレートを一番好きだという明日香は、ポテチを好きだという理央に、どう思う?と聞いた。
「キャラメルも良いよね。甘さたっぷりで、幸せな気分になる。時々食べるよ。」
「私も時々食べるけど、普通チョコレートだよ。キャラメルってなんかベタベタしたイメージない?」
明日香が続けた。
「っていうか少数派だよ。チョコ好きな人が一般的で多いもん。」
恋は、キャラメルの何が悪いんだ、と抗弁した。
恋は実はキャラメルが大大大好きだった。
あの色も、匂いも、食べた感じも、その名前すら、全部が好きだった。
ややムキになって言い返す恋に、明日香は微妙顔で続けた。
「だって、恋。キャラメルってなんか口の中にくっつく。なんかネバネバするよ。」
「ネバネバしないよ。」
恋は怒った顔で言い返した。
「いいやネバネバする。テレビのアンケートでも見たこと事ある。普通はみんなチョコが一番だよ。」
そんなことない、と繰り返した恋に、明日香は呆れ顔をした。
「分かるけどさ。確かにまあまあおいしいけどしつこい、甘さが。甘過ぎて。恋、さっきから、何怒ってんの?。」
恋が、悔し紛れに明日香なんかともう口聞かない、と捨て台詞を吐くと、明日香はとても驚いた顔をした。
「えええ、ねえ、恋、何をそんな怒ってんの?」
恋は、明日香を無視して、1人教室を出た。
────1────
「しょうがないだろ。人の好みなんだから。何を言ったって。」
宗介の家。
学校から帰って、恋が宗介に明日香の事を言うと、宗介は呆れ顔で言った。
「キャラメルが最高。甘いし栄養あるし、名前もかわいいし。」
「一般的にはお前の言う通り、美味しいお菓子っって言われてるよ。もうちょっと甘さが控えめだったら、僕も別に嫌いじゃない。確かにちょっと甘すぎて、普段は食べる気しないけど。っていうか味覚は人それぞれだから。」
「不思議。何でみんなキャラメルを一番好きじゃないんだろう。変。」
「一番じゃないだけだよ。チョコの方が確かに人気だ。使い道多いし。身近だし。それに沢山売ってるしね。確かに種類の多さからすると田山とか駒井の方がメジャーだよ。」
宗介はテーブルのお茶を取ると一口呑んだ。
「しょうがないだろ。田山はそういう好みなんだろうし。気にしたって無益だよ。」
「だからって……」
「別に言いたい訳じゃないけど、キャラメルって甘すぎて、嫌だっていう人も結構居るしね。諦めな。」
まだ不満げな恋に、宗介は話を変えた。
「そういや、ほんっと腹立つ。学校の壁新聞に、また僕達が勝手に使われてた。記事には僕と樋山の事が恋と絡んで沢山書かれてて、あることないことばっか。どうにかなんない?。新聞部。あの先輩達。」
「仮入部の時のやつ?」
「そう。袴を着た写真を載せたかったらしくて、バカでかく引き伸ばされた僕と樋山が映ってた。二人三脚で引っ張り過ぎなんだよ。どうかしてる。うんざりだ。自分達が何やってるか分からないのかな。くだらないことばっか書いて。」
「確かに。あの人達変わってるよね。」
「僕は肖像権を主張する。あんな安いゴシップのネタにされたくない。恋も、あんな記事に構うなよ。女子たちは喜んでるけど、男はみんな馬鹿だと思ってるからな。いい加減にして欲しい。何が甘酸っぱい1ページだ、ったく。あーアホくさ。」
宗介はコップのお茶を一口飲むと今度はこう切り出した。
「そうそう、今度、ショッピングモールを見に行くから、恋、ちゃんと準備しとけよ。」
「ショッピングモール?。何しに?。」
「デートに決まってるだろ。フルーツのアイスクリームフェアをやってるから、お前を連れて行く。今季節だし、名産のシャーベットを食べさせてあげるよ。楽しみにしてなね。」
「本当?」
恋は、気持ちを切り替えて、宗介とまた違う話を始めた。
────2────
翌朝、恋が学校に行くと、美風がもう教室に着いていて、自分の席で、頬杖をついて、机の上に小さなアルバムを広げていた。
「樋山くん」
声をかけると美風は顔を上げた。
「新田さん、今日早いね。どうしたの?」
「たまたま早く起きたから、そのまま登校したんだ。樋山くん、何見てるの?」
美風は広げていたアルバムを取ると、恋に渡した。
小さなアルバムの中には、空や緑の写真の他に、見るからに高級そうな室内が写っていた。
ピアノのあるソファの置いてある居心地の良さそうな部屋の写真を眺めながら、美風が言った。
「うち。今度建て替えするから、昔の部屋になるけど。建て増しするんだ。その前の記録の写真。適当に撮った奴だけど。」
「わあ。」
アルバムの最後のページには、恋と美風がブランコで手を繋いでいる写真が収まっていた。
「その写真家に30枚くらいあるよ。焼き増しした。気に入ったから。前にあげたやつ、なくしたらまたあげるよ。欲しかったら言って。持ってくるから。僕の部屋にも1枚ちゃんと飾ってあるんだ。」
美風が言った。
「新しい家にも招待するよ。今はないけど、ピアノ室を作る予定なんだ。お手伝いさんたちも片付けやすくなる新しい家を喜んでて、みんな心待ちにしてる。うちお手伝いさん沢山居るんだ。みんな喜んでるよ。」
それから言った。
「そういや、うちにも、動物セラピーっていって専門家に来て貰って犬が居るんだけど、新田さん犬好き?」
「嫌いじゃないよ。」
「ふーん。ねえ、思いついたんだけど、動物セラピー、狐でできないかな。」
「狐で?」
「狐ってふわふわだしきれいだし可愛いから、懐きさえしてくれればとっても癒されると思うんだよね。なんていったって新田さんだしさ。犬なんか触るより僕なら新田さんと遊びたい。」
美風が笑った。
「ねえ、新田さんが狐になったところ、抱いてもいいでしょう?。優しく撫でるから。」
「樋山」
と、美風の後ろから、今しがた荷物をロッカーに入れたばかりの宗介が現れた。
宗介はしかめっ面を恋に向けてから、美風を睨んだ。
「言っとくけどお前に恋は抱かせないから。それは彼氏の僕の権利だ。僕以外にその権利は渡さない。」
「出たよ。ああうざった。別にいいだろ、僕だってほぼ彼氏なんだし、少なくともお前と同程度の権利があるんだから、少しくらい抱いたって。」
「お前に権利なんかねーよ。ひとつもない。狐になってる時に撫でると懐くんだ。お前にそうやってさせる訳にはいかない。絶対断固拒否するね。」
「上野の言う事なんか聞いてたまるか。それなら新田さんに聞くよ。別に僕が撫でても嫌じゃないでしょう?。狐の時。」
宗介が言った。
「大体、お前は何なんだよ。振られた癖に。これ見よがしにアルバムなんか持ってきて。鬱陶しいったらない。」
「写真は僕の趣味だ、関係ないだろ。僕は何でも写真に残して見るんだ。お前じゃなくて新田さんと見るんだから、お前は引っ込んでろよ。」
「恋に余計な物見せんな。自分の家の写真なんか撮ってきて、何がしたいんだよ。悪影響。目障りだ。」
「うるさいな。僕の家が裕福なのを新田さんに見せるために決まってる。僕のアピールポイントだ。駄目とは言わせない。お前は黙ってろよ。」
恋は、困り顔でうーん、と唸った。
宗介と美風が言い争いをするのは、恋にとって悩みの種だった。
2人は寄ると触るといつも酷い言い合いをした。
それは両方恋に対する一途さからくるものだったが、恋の方はといえば、自分がこの2人のどちらをより好いているか全然さっぱり分からない始末だった。
「とにかく、恋。樋山とは話すな。教室で話しかけられても無視すること。良いね?。分かった?」
「そんな勝手が通用するか。上野に僕と新田さんの事は関係ない。告白したのだって僕の方が早かったんだ。新田さん。」
しかめっ面の宗介に、恋は小声で、はい、と仕方なく返事した。
────3────
宗介と行くことになったショッピングモールは隣町にあった。
宗介と恋は、駅まで2人で歩いていって、静かで閑散としたホームから電車に乗った。
出発前の電車に乗り込んで座席に恋を座らせた宗介は、恋の前に立って、頭上の手摺を取った。
電車の中で宗介は全然喋らなかったので、恋は宗介を下から見上げて観察していた。
宗介の黒髪は今日もさらさらで乱れがなく、長いまつ毛はまっすぐで、伏し目になると真っ黒だ。
窓の外の飛ぶ様に流れる景色を背に、目が合った宗介は無言でてのひらを乗せて恋の頭を撫でた。
ショッピングモールは、近代的な大きい建物で、入って行くとエアコンが効いていて涼しかった。
入口のロビーにはパラパラと人が居て、館内から外の景色を楽しんでいる様だった。
恋は、歩きながら、今日食べるアイスの事を考えていた。
家にもアイスは買ってあったが、今日のデートの事を考えて、恋は昨日から甘味を食べてこなかったのだ。
手を繋いだ2人は並んだ店の中の小さな雑貨屋に入った。
細々した小物が並ぶ店内には、鉢植えの小さい観葉植物や外国の街並みのポストカード、マグネットでくっつく星の飾りが飾られている。
「女の子って雑貨が好きだよね」
恋が言った。
「いつも可愛い小物を集めてる。集めた小物は大事に取っておいて、時々引き出しを開けて見るの。」
「僕には良くわからない、それ。」
宗介が言った。
「使いもしない物を見た目だけでとっておくなんて、どうかしてる。それって変な癖だと思う。おかしい。辞めた方が良いよ。」
「可愛いっていうだけで、パワーを貰えるんだよ。元気になる。」
「別にいいけど。買いすぎないようにしなね、恋。良いのは見た目だけ。華奢な小物はすぐ壊れるし、どうせ結局全部は使わないんだから。」
恋はハートのついたお洒落な小さい貯金箱を見つけて、手に取った。
貯金箱はブリキで出来ていて、おもちゃのクローバーが飾られていて、硬貨を入れるにはちょっと小さ過ぎる気がした。
貯金箱を棚に戻しながら恋が口を開いた。
「記憶に残そうとするんだけど。」
「は?」
宗介が腑に落ちない顔で聞き返した。
恋が言った。
「だから、宗介とのデートを。心にしまって、大事にするつもりで。」
「ああ」
「記憶ってさわれなくて、てのひらからこぼれ落ちちゃって、どうも掴めないんだよね。明日になってこの事を忘れちゃうのが、悔しいっていうか、嫌。忘れたくない。」
「……」
宗介は微かに首を傾げた。
恋の顔をまっすぐ見つめて、言葉を探している。
恋が言った。
「でね、それを忘れないように忘れないようにってすると、現実から浮いてる感じになって、ちょっと面白いんだ。その感覚の事宗介に話そうと思って。」
「……何それ。」
宗介は呆れ顔をした。
「アホくさ。オチが思ってたのと違う。そこが面白いで落ち着くあたりがお前だよな。珍しく精神的な話かと思ったら。」
「だって。」
「がっかり。しょうもな。いい話かと思ったのに。呑気、お前は。やっぱり馬鹿なんだから。」
宗介は恋の頭に軽く触れた。
「良いよ、大丈夫。」
宗介が笑った。
「忘れたくないって思ってくれるのが嬉しい。お前が忘れても、僕は絶対忘れない。何度でも思い出させてあげるよ。約束する。」
ふと見ると店員がやってきて、ハートの貯金箱を小さな棚に並べ直している。
────4────
人が多いのでエスカレーターでなく階段で行こう、と恋と宗介はショッピングモールの端にある広い階段に向かった。
階段を登りだした時、恋は、ふいに足首に痛みが走ったのに気づいた。
「あ」
宗介が恋の様子に気付いて目を留めた。
恋のサンダルの足には、擦れた様な小さな傷が出来ていた。
「こら。まーた怪我して。」
宗介は恋を踊り場のベンチに座らせた。
宗介は鞄からチャックのついた小さい袋を取り出すと、中を開けて、絆創膏を探した。
宗介は恋の足元にしゃがむと、恋の足に器用に絆創膏を貼った。
「これから先私達百回くらいデートするね。」
貼られたオレンジの絆創膏を足を伸ばして眺めながら恋が呟いた。
「何それ。どういう意味?。」
「2人はずっと一緒だね。楽しみだなって思って。」
宗介が言った。
「デートはもっとするよ。数え切れないくらい。期待してなよ。……痛い時は素直に言う。気遣われるのの何が嫌なのか分かんない。これからは。僕とお前の約束。分かった?」
踊り場からだと、ショッピングモールの喧騒は、ちょっと遠く感じられた。
恋はサンダルを履いたつま先で、しゃがんだ宗介の手をなんとなくほんの少しつついた。
────5────
並んだ大体の店の中を見回ってから、宗介と恋は2階のフードコートに入った。
フードコートのアイス屋では、フルーツシャーベットのフェアをやっていて、カウンターには可愛らしいフルーツの飾り付けがしてあった。
宗介と恋は、シャーベットを買ってから、ガラス張りの窓際に席を取った。
「お前が狐だっていうことで、引け目を感じてたら言ってやる。」
シャーベットをスプーンで大きく掬いながら宗介が言った。
「動物になれるのなんかお前くらいだ。僕はむしろ良いと思ってる。貴重だしね。お前の特別なところ。もっとも、秘密だから人には言えないけど。」
宗介は話を変えた。
「恋、この間学校で貰った資料に、部活動のパンフレットがあったけど、お前はもうどの部活にも入らなくて良いんだよな?。」
「うん。」
「部活は時間を使うだけ。お前はこれから家で勉強しなきゃならないんだから、余計な事考えない様にね。パンフレットもお愛想程度に見て、捨てた方が良いよ。茶道部やって分かっただろ。楽な部活なんてなかなかない。どうせ入らないんだし。」
「うん、分かってるよ」
宗介は窓から外の景色を見た。
2階のこのガラス窓からは電車の通っている駅と近くの静かな街並みが見える。
夕方になりかけた空は不思議な色合いをしていた。
「お前がこれからひとつも変わらなくても、僕はお前を好きで居てあげる」
空を眺めながら宗介が言った。
「お前がこれからどれだけ失敗しても、僕がそれを取り戻してあげるよ。」
宗介の決意は固かった。
宗介は、この狐の女の子の事を、一生守ってやろうと決めていた。
そのために大人になって、どんなことでもできる様になろうと密かに決心していた。
ガラス張りの壁一面に夕焼けが映って、2人はまるで雲の上に居るみたいだ。
宗介はシャーベットを置いた。
「宗介」
「恋、約束。これから先もお前を困らせるものがあったら、全部僕がなくしてやる。」
そう言ってから、宗介はセンチメンタルな気分に気づいた。
「その代わり。」
宗介が口を開いた。
「もしもお前が僕を捨てたら、お前の行く所全部にこいつは狐だってバラして、お前をお尋ねものにしてどこにも行く事ができなくして、その後お前の事は捕まえて絶対に狐汁にして食うから、後悔することになるよ。嫌がること全部して泣かすから。良い?」
ニコッと宗介が笑った。
底知れないどす黒い渦巻く愛情に、恋は気づかない。
「……」
「言っておくけど、僕誰にもお前のこと譲る気ないからな。そ・れ・と、それってどういう意味か分かる?。」
「うん、」
恋は困った顔で言った。
「お前が狐で良かった。秘密は弱みになるし。一緒に眠れるし、抱き上げるの楽だしね。」
宗介は、ふと恋の腕を取ると、テーブルの上で顔を寄せて触れるだけのキスをした。
「今日は楽しかったよ、恋。とっても。」
宗介が笑った。
恋はきょとんとした顔で宗介を見返した。
「……アイスを食べた後だと、アイスの味のキスをしたっていう事になるのかなあ。」
恋が言った。
宗介はそっけなかった。
「さあ。なるのかもね。でも、そういうの、ちょっとしつこい。考えない方が良いよ。」
それからついでのように、
「帰りチョコレート買っていこうか。お前と田山がお菓子の話したせいで、なんか食べたくなった。滅多に食べないけどね。」
と言った。
────6────
恋は、キャラメルについて怒った事を、明日香に謝ろうと思っていた。
陸上部の明日香は、放課後はいつも外に居た。
恋が探すと、明日香は部活前のウォーミングアップのために、校庭を軽く走っている所だった。
恋は、走ってくる明日香を迎えるため、芝生の中庭から校庭に向かった。
グラウンドで、ジャージ姿の明日香は、恋の姿を見つけると、屈託なく手を振った。
「恋!」
「明日香。」
恋は明日香に向かって手を振り返してから走り出した。
と、そこで、恋は大失敗をやらかした。
転がっていた小さな石ころに躓いて、恋はその場で盛大にすっ転んだのだ。
転んだ拍子に、驚いた恋は、うっかり狐に変身してしまった。
もくもくと上がる白い煙。
「え、恋!?」
明日香は走ってこちらにやってきた。
ギリギリのところで、狐から人の姿に変身し直した恋は、焦ってモゴモゴと意味の通らないことを言った。
「今狐が居た?」
明日香が目まん丸にして聞いた。
「今狐が見えたよ。恋の代わりに。絶対幻覚じゃなかったよ。幻覚?っていうかよく分かんないけど。」
「嘘だよ、そんなはずないよ。」
恋は冷や汗をかきながら言った。
「不思議。今絶対何か起きた。何か狐みたいのが見えた。見えたって名言できる。」
「き、気のせいだよ。」
「おかしいなあ。白い煙みたいなのも見えてたけど……」
明日香は目をパチクリしながら、で、どうかしたの?と聞いた。
思い出した恋は、
「押し付けだから、キャラメルが一番って言った事謝りたくて。」
と言った。
「なんだ、そのこと。わざわざ?」
明日香はまだ変身の煙の跡を探しながら言った。
「気にしてないよ。こっちこそごめんね。」
そして言った。
「確かにキャラメルもおいしいしチョコレートよか甘い。良いよ。恋キャラメル好きなんだね。知らなかったよ。」
笑いながら、次に明日香が言ったのは、ずばり核心をつく言葉だった。
「っていうか、恋、実は狐だったりして?」
恋は、目を白黒させながら、どうにか明日香ごまかして、這々の体で逃げ帰った。