そして僕は今日も君と
自分が怪我することなんてなんとも思っていなかった。熱が出ても寝れば治ると思っていたし、食事も必要最低限で生きていけたからさほど気にしてもいなかった。睡眠も次の日脳の処理速度が落ちるのが面倒だからしかたなく寝ていただけで。そこに安らぎも何もなかった。
それなのに…。
うさこは戦闘で受けた俺の傷を泣きそうになって心配するし、熱が出て適当に寝ていた俺を本気で怒ってその後は冷たいタオルを困ったように微笑んで額にあててくれた。ご飯も美味しく食べる彼女を見ていると自分も真っ当な食事ができているような気がしたし、肌を重ね合って眠れば心の底から満たされた。
ああ、俺は、生きていたんだな。うさことの日々の中でひとつひとつ積み重なっていく温もりにそう強く実感すると愛おしさが際限なく溢れて、やっと掴みかけた自分という存在も不確かになって。欲張りになった俺はただ目の前の恋人を優しく、強く、抱きしめた。
俺はもうこの先一生この子を手放すことなんてできないかもしれない。
そんな考えは重いって分かってはいても、彼女なしでは息の仕方も忘れてしまったと思うくらいには……。
俺からは決してその手を離さない。もしも決別があるとすればそれはきっと彼女の方からで。
考えたくない未来に怯えながらもそれでも。と思う。
戦士や姫としての君はどこか神聖で、俺の手から離れていくものだとしても、それ以外は全部俺に預けていて欲しいから。俺は君以外何もいらないから。だから何があったとしても俺のところに帰ってきてくれるならそれで。
そう、思っていたのに。
ファラオ90に身を投げる彼女の姿を捉えて俺の中の何かが壊れる音が聴こえた。
刹那。絶叫が耳をつんざく。それは聞いた事もないような自分の声だった。
いやだ、やめてくれ
だめだ
俺を一人にしないで
うさ
未来の彼女との娘が腕の中にいなければきっと俺は壊れていた。
一人で逝かせた
守れなかった
一人になってしまった
その温もりを失ってしまった
「うさこ…っっ」
この身を粉々にされるような胸の痛みは、経験した事もない真っ暗で底のないような感覚で。きっと彼女に出会っていなければ味わうことのなかったものなのだろう。
俺は、うさこに出会って初めて生きていることを実感し、うさこを失っても身体中の痛みが自分は生きているのだと実感させられて。
もう自分のどこを探してもうさを感じないところなんて無くなっていたのだと気付く。
涙が止まらない。
零れ落ちていく唯一無二の愛は、地面に黒い染みを作っていった。
やがて愛するその輝きが全てを再生させていくまで、それを見つめ続けることしかできなかったんだ。
それなのに…。
うさこは戦闘で受けた俺の傷を泣きそうになって心配するし、熱が出て適当に寝ていた俺を本気で怒ってその後は冷たいタオルを困ったように微笑んで額にあててくれた。ご飯も美味しく食べる彼女を見ていると自分も真っ当な食事ができているような気がしたし、肌を重ね合って眠れば心の底から満たされた。
ああ、俺は、生きていたんだな。うさことの日々の中でひとつひとつ積み重なっていく温もりにそう強く実感すると愛おしさが際限なく溢れて、やっと掴みかけた自分という存在も不確かになって。欲張りになった俺はただ目の前の恋人を優しく、強く、抱きしめた。
俺はもうこの先一生この子を手放すことなんてできないかもしれない。
そんな考えは重いって分かってはいても、彼女なしでは息の仕方も忘れてしまったと思うくらいには……。
俺からは決してその手を離さない。もしも決別があるとすればそれはきっと彼女の方からで。
考えたくない未来に怯えながらもそれでも。と思う。
戦士や姫としての君はどこか神聖で、俺の手から離れていくものだとしても、それ以外は全部俺に預けていて欲しいから。俺は君以外何もいらないから。だから何があったとしても俺のところに帰ってきてくれるならそれで。
そう、思っていたのに。
ファラオ90に身を投げる彼女の姿を捉えて俺の中の何かが壊れる音が聴こえた。
刹那。絶叫が耳をつんざく。それは聞いた事もないような自分の声だった。
いやだ、やめてくれ
だめだ
俺を一人にしないで
うさ
未来の彼女との娘が腕の中にいなければきっと俺は壊れていた。
一人で逝かせた
守れなかった
一人になってしまった
その温もりを失ってしまった
「うさこ…っっ」
この身を粉々にされるような胸の痛みは、経験した事もない真っ暗で底のないような感覚で。きっと彼女に出会っていなければ味わうことのなかったものなのだろう。
俺は、うさこに出会って初めて生きていることを実感し、うさこを失っても身体中の痛みが自分は生きているのだと実感させられて。
もう自分のどこを探してもうさを感じないところなんて無くなっていたのだと気付く。
涙が止まらない。
零れ落ちていく唯一無二の愛は、地面に黒い染みを作っていった。
やがて愛するその輝きが全てを再生させていくまで、それを見つめ続けることしかできなかったんだ。