司令室で溶接しそうなまもうさ

「ねえ、何あれ?」
美奈子の指さす先には司令室のコンピューターを使ううさぎの背後から二人羽織のようにくっついてる衛がいて。
「敵の事を調べてくれている御二方です」
亜美は嘆息するとそちらを見もせずやけっぱちに答えた。
「は?いや、まもちゃんいる意味?キーボード打つの邪魔になってない?」
「私たちの背後で不必要な糖分を撒き散らされるよりはましだったので」
遅れてきた美奈子は知らないのだ。
猫2匹と亜美が調べている中で
「どうしよう次の敵もまもちゃんのこと好きになっちゃったら」
「ばかだな、俺はうさのことしか見てないよ」
「ほんと?」
「ほら今だって…」
振り返らなくても分かる。
二人は絶対後ろでキスしてる。ここ司令室なんですけど。こちとら真剣に敵の調査をしてるんですけど!
「おい二人ともいちゃつくんだったら家に帰れよ」とわりと辛辣に白猫に言われて亜美とルナは脳内で渾身のサムズアップ。
そしてその言葉にハッとしてから『気を付け』をした二人は見事なシンクロ率で謝ると今の状態に落ち着いたというわけだ。
「こうして見ると今回の敵は女の子ばかり狙ってるわね」
「そうだな…」
背後からうさぎの腰を抱いて顎を肩に乗せる衛。
「早く倒さないとね」
「ああ。うさには指一本触れさせない」
「私のことじゃなくて!街の人たちを!!」
「分かってる。君がみんなを守って助けるってことは。けど君のことは俺が一番に守りたいんだ」
「まもちゃん…」
「うさ…」

「ねえ、ほんとにアレがさっきよりましなの??」
美奈子の能面フェイスに亜美は頭を抱えた。
「あの二人だからこそ守られる平和があるというものよ」
「え」
重低音の独り言。キーボードのボタンが一つ割れたような音と顔を上げた亜美の綺麗な微笑みに美奈子の背中に冷や汗が一つ流れる。
「とにかく実戦で力を発揮してもらうために二人には帰ってもらって?」
摘み出せオーラが背景に見えてピャッと跳ねると
「あ、あい!」と答える哀れ守護リーダーなのであった。


おわる。
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