逢いたい
俺はもう何度も何度も君と巡り会うために転生している
エンディミオンとしての生を終えて次に生まれ変わったのは人間ではなかった
捨て猫だった俺を拾った君は恋人と暮らしていて、何度も、俺と君は本当は恋人だったんだよと話したかったけれど頭や背をニコニコと撫で返されるだけだった
それでもその温もりと笑顔に包まれれば俺は幸せだったから
君も愛する人と幸せならそれでいいと思って君たち家族が増えていくなかで13年間そばに居た
次に生まれ変わった時には人間だった
嬉しかった
これならきっと君への気持ちを伝えられるし抱きしめ返す事だってできると思ったから
けれど探しても探しても見つからなかった
ある日で道中でふらふら歩く白猫を見つけた
けれど荷馬車が猫の方へ走っていき、咄嗟に俺の体が飛び出していたんだ
その身に激痛が走っても、腕の中の温もりに安堵する
ああ…
「君なんだね…」
良かった
最期だけでも、その体を抱きしめる事ができて
次に生まれ変わった時も再び人間だった
けれど今度は女性だったからどこか馴染めなくて困っていた
君もまた、転生してくれているのだろうか
そして見つけた
けれど君は人間ではなかった
それは家族と出掛けた公園に咲き誇る一本の桜
どうしてかな
理由なんて分からないけれどいつも俺だけが君のことを見つけられるんだ
そっと幹に手を触れる
目を閉じて両腕で包み込めば、不思議と頬に柔らかな手で触れられた気がして
嗚咽を止める事ができなくなった
どうして?なんで?
逢えたのに
何度生まれ変わってもこうして会う事だけは叶っている
それで充分奇跡だろう?
けれど胸が裂けそうだ
君と抱きしめ合って愛を伝え合う事は、どうして決して叶わないのだろうか
寂しいよ
心が、死んでしまいそうだ
「セレニティ…っ」
次に転生した時には俺の記憶は六歳で全て失われてしまった
もう忘れたかったのだろうか
どうしたって本当の意味での再会が叶わない君の事全てを……
ある日
都心の喧騒の中で出会った少女は真っ赤な顔して怒りながら立ち去っていく
忘れてしまったものを取り戻そうと必死だったその時の俺は気付かなかった
けれどふわりと揺れるお団子頭の後ろ姿に胸が焦げる
伸ばしそうになった腕に驚いてサングラスを掛け直した
もう一度君とたった一つの恋をするまであと少し
エンディミオンとしての生を終えて次に生まれ変わったのは人間ではなかった
捨て猫だった俺を拾った君は恋人と暮らしていて、何度も、俺と君は本当は恋人だったんだよと話したかったけれど頭や背をニコニコと撫で返されるだけだった
それでもその温もりと笑顔に包まれれば俺は幸せだったから
君も愛する人と幸せならそれでいいと思って君たち家族が増えていくなかで13年間そばに居た
次に生まれ変わった時には人間だった
嬉しかった
これならきっと君への気持ちを伝えられるし抱きしめ返す事だってできると思ったから
けれど探しても探しても見つからなかった
ある日で道中でふらふら歩く白猫を見つけた
けれど荷馬車が猫の方へ走っていき、咄嗟に俺の体が飛び出していたんだ
その身に激痛が走っても、腕の中の温もりに安堵する
ああ…
「君なんだね…」
良かった
最期だけでも、その体を抱きしめる事ができて
次に生まれ変わった時も再び人間だった
けれど今度は女性だったからどこか馴染めなくて困っていた
君もまた、転生してくれているのだろうか
そして見つけた
けれど君は人間ではなかった
それは家族と出掛けた公園に咲き誇る一本の桜
どうしてかな
理由なんて分からないけれどいつも俺だけが君のことを見つけられるんだ
そっと幹に手を触れる
目を閉じて両腕で包み込めば、不思議と頬に柔らかな手で触れられた気がして
嗚咽を止める事ができなくなった
どうして?なんで?
逢えたのに
何度生まれ変わってもこうして会う事だけは叶っている
それで充分奇跡だろう?
けれど胸が裂けそうだ
君と抱きしめ合って愛を伝え合う事は、どうして決して叶わないのだろうか
寂しいよ
心が、死んでしまいそうだ
「セレニティ…っ」
次に転生した時には俺の記憶は六歳で全て失われてしまった
もう忘れたかったのだろうか
どうしたって本当の意味での再会が叶わない君の事全てを……
ある日
都心の喧騒の中で出会った少女は真っ赤な顔して怒りながら立ち去っていく
忘れてしまったものを取り戻そうと必死だったその時の俺は気付かなかった
けれどふわりと揺れるお団子頭の後ろ姿に胸が焦げる
伸ばしそうになった腕に驚いてサングラスを掛け直した
もう一度君とたった一つの恋をするまであと少し
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