2 光と影
『皆に話したいことがある。これから指令室に来てくれ。あと、うさぎと衛にはまだ言わなくていいからな。』
アルテミスからとても久し振りに戦士である私達に通信機から連絡が入った。
私はちょうどバレー部の休憩中だったから、仲間に急用ができたと告げて急いで着替えるとロッカーを後にした。
「アルテミスったらホントに急なんだから!レギュラーから降ろされたらどうしてくれんのよ!」
私は一人でそう溢しながらも、嫌な胸騒ぎがしていた。
亜美ちゃんとまこちゃんも部活から飛び出してきたらしく、校門でちょうど一緒になる。
私達三人は、急いでクラウンに向かって走っていった。
指令室に辿り着くと既にレイちゃんや、はるかさんたちが待っていた。
「アルテミス!話って…!?」
アルテミスは私達を一瞥すると口を開いた。
「ああ。皆揃ったな。これを見てくれるか?」
アルテミスはパソコンを操作すると、モニターに何かの映像と数字が沢山現れた。
「そんな…有り得ないわ!!」
亜美ちゃんがそれを見た瞬間に声を上げた。
「そんなまさか…アルテミス、これは本当なの?」
せつなさんも顔色を変えて訊ねる。
でも私には一体何のことやらさっぱり分からず切り出した。
「アルテミス!この映像は!?どういうことなの?説明して!」
他の5人も同様に頷いていた。
「これは、地底のマグマの活動を数値化したものなんだ。」
「…マグマ?どうしてそんなもの…。」
レイちゃんが眉間にシワを作って画面に目を向ける。
「この数値は、日本中の火山がいつ噴火してもおかしくない状態を示しているの。」
黒猫ルナがアルテミスに代わって戸惑いがちに言った。
「え!?でも何も起こっていないし、ニュースでも全然報道されてないわよ?」
私がアルテミスに詰め寄ると、彼は険しい顔で頷いた。
「そうなんだ。これは、通常とは全く別のエネルギーだから、現代の地球の気象庁では感知できないんだ。」
「別のエネルギー?」
はるかさんが腕を組んで方眉を上げる。
「暗黒の…負のエネルギーだ。」
「何だって!」
まこちゃんが声を上げる。
アルテミスのその言葉に私達の表情は一変していた。
「火山活動をせず、全く違ったことにそのエネルギーを費やしているみたいなの。」
「ルナ…それはまさか…」
亜美ちゃんの言葉にルナは眉を下げてゆっくり首を振る。
「はっきりしたことはまだ分かってないの。でも…」
「新たなる敵の可能性が極めて高い。いや、間違いなくそうだろう。目的や正体は分からなくても、それだけは言える。」
アルテミスが私達の事を険しい顔付きのままでそう告げた。
「うさぎお姉ちゃんを呼ばなかったのは…?」
私達がしばらく言葉を無くしていると、ほたるちゃんが呟いた。
「うさぎちゃんは、ギャラクシアの戦いで受けた心の傷が…まだ癒えてないと思うの。とても明るくしてるけど、いつも側にいる私には分かるわ。」
ルナが辛そうに瞳を揺らして話し出す。
その言葉に再び皆は影を落としたけれど、私は掌をぎゅっと握りしめてアルテミスを見据える。
「私達で防げることは防ごうって事よね?うさぎと、衛さんを巻き込まずに。」
「ああ。できれば僕達だけで処理したい。…そう思ってる。」
アルテミスはずしりと重い質量を持ってそう言った。
「了解。私達に任せなよ。」
はるかさんがみちるさんと頷き合い、決意を示した。
それに導かれるように私達も強く頷いた。
私達は守護戦士。
未来のこの世界のキングとクイーンを守る。
それが、最大の使命なのだ。
うさぎの笑顔を
2人の幸せを
絶対守ってみせる――――!!
つづく