8 消失~二つの光~
第八話
『消失~二つの光~』
キスをした瞬間、彼女の熱がかなり高いことに気付く。
「セーラームーン!?」
足下がガクリとふらついて息が上がるうさを支えた。
「ご…めん。おかしいな…私…」
そう言いながら、支えている彼女の体から一気に力が抜けるのを感じる。
ただの熱にしてはおかしい。うさの体はみるみるうちに熱くなっていき、瞳も伏せがちにぼんやりとして俺に焦点が定まらない眼差しを送っている。
「セーラームーン!しっかりしろ!!」
胸元が視界に入り、その異変に目を見開く。
「なんだ…これは…!?」
その時、ヴィーナス達の援護をしていたプルートとサターンが俺達のただならぬ空気に気付いて駆け寄ってきた。
「プリンス!一体何が…?!」
プルートがそう聞いてきた瞬間、ナタリアから攻撃が放たれる。
「サイレンスウォール!」
「な!?」
サターンのバリアにはねのけられてナタリアは一瞬怯んだ。
しかし、セーラームーンの胸元のそれを確認すると再び高らかに笑い始める。
「セーラームーンに何をしたんです!?」
プルートはすぐにうさの異変の在処を悟って厳しい眼差しを向けてナタリアに叫んだ。
そうしている間にもうさは息をするのも苦しそうに熱を発していく。
「彩花!!答えろ!」
笑い声を上げている変わり果てた従姉に俺も同様に叫ぶ。
うさはとうとう変身している力もなくなり元の姿に戻っていた。
うさの胸元には、赤い奇妙な印が、まるで痣のように浮き出ていた。
「さっき、月のプリンセスに触れた時におまじないをしたのよ。」
まるで何かで遊ぶように楽しげな調子でナタリアは話し始める。
「ふざけないで!これは一体何なの!?」
戦士たちは俺とうさを取り囲むようにしている。その中のリーダーであるヴィーナスが武器のチェーンを構えながらナタリアに問いただした。
するとナタリアの唇は弧を描いてゆっくりと口を開く。
「そう…それはね…
花嫁の刻印よ。ルシファー様の…ね。」
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