4 first contact

「酷い…酷い…酷い!!」



「申し訳ありません…。」


いくらやり場のない気持ちをぶつけても、決して受け入れてはくれない貴方。



マントを翻して去っていく。




「どこへ行くの!?」



泣き腫らして言葉も投げやりにぶつける。


「月へ。」


空を指差して有り得ない事を言う。






「そんな…バカなこと言わないで!!掟は…!?」



「待っている人がいるんです。」


「月で待つ人なんて…一体誰なの!?」


泣きすぎて掠れた声で叫んだ問い掛けに、王子は悲しそうな瞳をしてゆっくりと話し出す。


「プリンセス・セレニティ…。私の、想い人です。」


「…!?」



言葉も出なかった。

驚きで涙も止まってしまった程。



今にして思えば、私の想いを受け入れられない代わりに、彼はその贖罪として嘘偽りのない本当のこと、本当の気持ちを伝えてきたのかもしれない。




だけどその時の私は裏切られたという気持ちに支配されていて、そんなことに気付く心のゆとりなど一欠片も無かった―――――










でも、満足に悲しむこともできずに、次の日に月と地球の戦争が起こって私は全ての人々と同じように死んでいった。





『想いが届くこともなく、憎いはずの月のプリンセスの顔すら見ることもなく、お前は死んだのだ。今度は地球の王子の生まれ変わりを彼女から奪うがよい。』



彼女…?まさか…



『そう。エンディミオンはまたしても月のプリンセスの生まれ変わりと共にいる。』



一度死んで、生まれ変わっても尚一緒にいるなんて…!



いいえ違うわ。衛くんは最初は私と一緒だったもの。本当はずっとずっと一緒にいるはずだったのに…月のプリンセスまで生まれてきたから…!!





私の心は、いつの間にか大きな闇の渦に支配されていた。



『お前に私の力を与えてやろう。そうすればあの小娘をすぐにでも王子から引き離すことができようぞ…?地底王国ルシフェルの主、ルシファーのこの力を!!』




心臓が荒波のように揺り動き、私は地獄の業火のようなものに焼かれたかのような衝撃を覚えて心の中で悲鳴を上げる。



熱い…熱い…!!



死ぬほどの熱さを耐え抜き、汗だくで目が覚めた時には身体中からみなぎるパワーを感じていた。




「ルシファー様…あなたに頂いたこの力で必ずやり遂げてみせますわ。」




まずは彩花として彼に会って、彼女のことを色々と聞き出さなくちゃ、ね…。





約束をした日付に印がついているカレンダーを見ると目を細めた―――――――








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