3 目覚め
あの夢は、きっとそういうことなんだ。
いつまで経っても衛くんを忘れられない想いを断ち切るために見る夢。
―――そう思うことにしていた。
10年近く何の音沙汰も無かったのだから、私のことは彼の中では忘れたのと同じくらい過去の存在になっている…。
そうやって、あの不可思議で変に現実味のある夢を自分の中で納得して解決してしまおうと思っていた。
『シルバームーンクリスタルを』
そう思っていたのに。
その日の夜に見た夢は、私の理屈を飛び越えて、再びリアルな世界に引き戻した。
初めて聞いた底冷えするほどの恐ろしい声。
ソレが口にする初めて耳にするクリスタルの名前。
「衛くん…。」
何がどう変わるわけでもない。
この夢の真実が分かるだなんて思っていない。
だけど
彼に会えば、何かが見えるかもしれない。
窓から見える、細く紅い月を眺めながら、言い知れぬ不安を抱いて彼の事を思った―――――
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