彼女が幸せなら

そんなこんなで、今俺達は衛さんの家で勝負を始めようとしている。


「それじゃ、第1問よ!うさぎの好きな食べ物は!?」


愛野の出す質問を聞いて、俺も衛さんも急いで用意されたホワイトボードに答えを書いていく。



「はいはい、タイムアップ!どれどれ……?
衛さんの答え『ケーキとアイスクリーム』、星野くんの答え『アイスとケーキ』。どっちも正解!!じゃ、第2問―――」















「どっちも正解!……うーん……」


今ちょうど10問目を終え、全て引き分けの状態だ。
この勝負を言い出した張本人の愛野も、なかなか決着のつかない状態に悩み始めている。




「僕が出す。最終問題だ」

「はるかさん!じゃあそうしましょう!」


突然乱入してきた天王は見るからに楽しげにニヤリと笑っていて、どうも嫌な予感がする。
する、けど……仕方ない。

そう思いペンを持ち直した俺に出された問題は、俺にとって一番答えにくい、いや、一番答えたくないものだった。



「おい、書かないのか?」


ニヤニヤと笑いながら「負けるぞ?」なんて言ってくる天王をギロリと睨みつける。
このクソ野郎……書けるか!!

衛さんの答えを見れば、ボードいっぱいに、でかでかと『俺』と書かれている。




「……だあーーーっ!!俺の負けだ!!」

「だそうだ衛」

「俺の勝ちだな」


嬉しそうに笑う衛さんにやっぱりイラついて舌打ちをする。

……大体、何だよあの問題は。
『うさぎが一番好きな人は?』だ?
答えは1つしかねぇじゃん。



まあ、わかってるけど。
お団子は衛さんのことが一番好きで、衛さんだってお団子が一番なんだって。

わかってはいる、けど、


「悔しいーーーっ!!」

「うるさいよ星野」


本当、悔しい。

……でも、ま。





彼女が幸せなら、それでいいか





まだ諦めねぇけどな!!







→オマケ?
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