まもセレ
「あら…?私…」
あの後どれくらい喋っていたかしら。いつの間にか眠ってしまっていたみたい。目が覚めると、今度は温かいベッドの中だった。
冷えていた体はもう充分に温まっていて、体を起こすとぐるりと辺りを見渡した。
まもるの、お部屋?
ベッドの脇のデンキからは小さなオレンジの光が部屋を薄明るく照らしている。そのすぐ下。あるものに目が留まった。
え…?
「これ…私…?じゃ、ない…」
小さな額縁のようなものの中に、まもると私に似ている女の子が仲良さそうに寄り添っている絵。
ううん、絵よりももっと本物みたい。今にもこの子の笑い声が聞こえてきそう。
それを見てから心臓が止まったかのように跳ね上がったあと、苦しいほどの速さで波打ちはじめていた。
笑顔の二人を手に持ったまま忙しなく部屋を出る。
僅かな灯りだけになっていた応接間はしんと静まり返っていた。けれど人の気配を辿って長椅子まで近付くと、まもるが薄い毛布だけを掛けて眠っていた。
心臓がもう一度ドクンと音を立てる。
「あなたは……だれ?」
最初に会ったときと同じ言葉を眠る彼に投げ掛ける。
この世界は何?
あなたはエンディミオンとやっぱり関係があるの?
私のことをあなたは知っているみたいだった。それはあなたとエンディミオンと同じように、私もこの女の子と関係があるから?
この女の子は、まもるの恋人…?
この世界で、エンディミオンとそっくりなあなたと、私にそっくりな女の子はこんな風にいつも寄り添って、笑い合って…愛し合っている。
まもるの横に膝を付いて見つめた。
長い睫毛も、黒い艶やかな髪もあの人と同じ。
けれどこうして改めて見ると、顔つきも体もあの人よりも随分大人っぽい気がする。
そんなあなたにこの世界の『私』は…
「ねえ、あなたならずっと同じ星で…私のことを愛してくれるの……?」
あなたなら、私の望みを叶えてくれるの……?
頬に手を置きそっと撫でる。彼の額に私の瞳から零れたものが落ちる。
堪らなくなって、気付いたら。彼の胸元に顔を埋めて泣いていた。
この世界に私が来てしまった意味。
確かに望みは叶うのかもしれない。
でも胸に広がるのはせつなさばかりで―――
涙が堰を切ったように溢れて、止まらない。
「…っエンディミオン…」
もう一度、セレニティって、呼んで―――