まもセレ
「大丈夫ですか?怪我は?」
差し出された手。少し低い声。そのどれもがエンディミオンにとてもよく似ていて頭の中が混乱してくる。
「無理かもしれないけど、今は俺のことを信じて。このままだと風邪を引くよ?」
優しい目、言葉はそんな心の中の不安を消していく。
私は小さく頷きその手をゆっくりと取った。
『あなたはだれ?』
その問いに『あなたを…護る者です』と応えた彼。それまで揺らいでいた瞳にはその瞬間強い意志が刻まれて。切なそうに微笑んだ。
彼に手を引かれ、それとは反対の手で彼がさっき掛けてくれたコートの襟元をきゅっと鼻先に引き寄せる。
大好きなあの人と同じ香り。
胸に広がる安心感が感覚を一気に緩ませて、涙が一滴零れていった。