まもセレ
―セレニティ―
私のことをそう言う彼はこの世で一番好きな人。
お願い
ずっとずっと私のことを大好きなその声で呼んで?
その優しい瞳で見つめて、その手で私のことを抱き締めて
ずっとずっと隣にいて欲しい
叶わなくても思わずにはいられない私の唯一の望み。
―――――
目が覚めたら星が見えた。
起き上がってみると体中が痛い。夜の冷えた風が体を芯から震わせる。
ここは、どこ?
水の音。振り返ると大きな噴水。
星でも月でもない光が、長い柱のようなものの先に付いていて暗闇を照らしている。
あれは、何?
「うさ!?大丈夫か!?」
声がしたほうを振り向く。
ああ、良かった。あなたがいれば大丈夫。どんなところでも、何があっても怖くない。
ぼんやりとシルエットしか見えなくても分かる。大好きなあなた。
けれどあの、不思議な光に照らされた彼の姿を見た私の表情と、彼が私を見た表情は何かの違和感を生んで止まった。
「君は…」
「エンディミ…オン?」
顔も、髪も背の高さも。一緒のはずなのに着ている服はあまりにも違って。
それでも大好きなあなたを間違えるはずなんてないと思っていたのに。
でも、違う。分かるの。
あなたは、『あなた』ではないって―――
「あなたは……だれ?」
愛する人と変わらないその人の蒼い瞳が、私の瞳に真っ直ぐに注がれて戸惑うように揺れていた。
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