kizuna
早朝のクリスタルパレスは夜よりも静かだ。
パレスの最上部から見える日の出はいつでも言葉を失うほどの美しさなのだが、ここのクイーンは昔から朝にすこぶる弱く、それを見たことは殆んどないのではないのだろうか。
しかし彼女の横で眠っているキングも、昨日までの連日のハードな仕事に疲れていたためこの数週間は早く起きてもそれをゆっくりと観賞するようなゆとりは無かった。
そんな中、隣の寝室で一生懸命着替えをしているピンク頭の幼子が一人。
「ん、で~きたっと!」
段違いになっているボタンに気付くこともなく満足そうに言うと眩しい朝日を感じて窓に近付く。
そして、壮大な一日の始まりの朝焼けを窓に張り付くように見入り、瞳を輝かせていた。
彼女たちが暮らす最上階からはクリスタルトーキョーを一望できて、街が雲海に覆われて見え、それが日の出によって美しい色に変化する。
「うわあ!キレイ!!ルナP、今日はね、おでかけなんだよ♪」
背後を浮遊していた彼女お気に入りのボールに話しかけると、勢いよく両親の部屋に向かって駆け出した。