ハリポタパロ
幼なじみはスリザリン
あたしとクンツァイトは純血の家柄で幼い頃から顔見知りだった。小さい頃からお転婆のあたしは木の上だとか屋根の上だとか。とにかく高いところが大好きで何でも登っては景色を独り占めした気分になっていたけれど、クンツァイトと家族で互いの家に行き来してた時は大抵彼に居処を探し当てられていた。
「あたしだけの場所なのに!クンツァイト兄さんは暗い部屋で本読んでればいいじゃない!」
「美奈子を見てた方が飽きない」
眉ひとつ動かさずにそう言う二個上の幼馴染はバカにしてるようにしか思えなくて当然真っ赤になって怒った
「ほら、面白い」
「知らない!」
頭をくしゃくしゃに撫でる手を払う。
来年魔法学校を入学するけれど、絶対絶対兄さんのいるスリザリンなんか入らない!
そしてあたしはその願い通り、グリフィンドールに組み分けされた。
一年生はついてきてと監督生に言われて、早速できたうさぎちゃんっていうお友達と楽しく歩いていたら動く階段の途中で手を引かれて列から出てしまう。
「なんでその寮なんだ」
あんまり見たことのない顔をしてそう言ってくるのはクンツァイトだった。その後ろにはすました顔のゾイサイトもいる。
「別に。決めたのは帽子だもん」
兄さんと一緒のトコは嫌だとはさすがに言えない
「純血の一族はスリザリンに入る方が生きやすくて何より学びも多いんだぞ」
組み分け帽子にもスリザリンの素質があるみたいなこと言われたけど断固拒否した。純血とか半純血とかマ、マ…マグレ?とかあたしはそこまで拘りないし。うさぎちゃんマ、マ…マグル!だけどすーっごく良い子だし。列車で意気投合したんだもん。
「これからは高い場所も一人でいくの」
「え?」
あたしを見るその顔は眉が下がっていて元気がない。
そうだ、このあまり見たことの無い彼の顔。『寂しい』の顔、だ。
少し胸が痛む気がしたけどここでちゃんと言わないとダメ
「あたしはクンツァイトがいなくても大丈夫。高いところだって、なんだってこれからは一人で行くから」
「美奈子」
何か彼が口にしようとした時慌てたうさぎちゃんの声が聞こえてきた
「す、すみません!!美奈子ちゃんがはぐれました!!!」
監督生にそう言って引き留めてくれてるのが見えてあたしは駆け出す
「美奈子っ!」
「じゃあねクンツァイト!学校ではあんまり話しかけないで!」
「…っ」
なんで泣きそうな顔してんの?
兄さんって、あんなに表情豊かだったかな
そんなに意地悪する幼なじみが近くにいなくなるのが惜しいの?
そんな風にチラッと考えたりもしたけれど、あたしはこれから始まる学校生活が楽しみでそのあとはもう振り向かないでグリフィンドール一年生の輪の中に戻っていった。
あたしとクンツァイトは純血の家柄で幼い頃から顔見知りだった。小さい頃からお転婆のあたしは木の上だとか屋根の上だとか。とにかく高いところが大好きで何でも登っては景色を独り占めした気分になっていたけれど、クンツァイトと家族で互いの家に行き来してた時は大抵彼に居処を探し当てられていた。
「あたしだけの場所なのに!クンツァイト兄さんは暗い部屋で本読んでればいいじゃない!」
「美奈子を見てた方が飽きない」
眉ひとつ動かさずにそう言う二個上の幼馴染はバカにしてるようにしか思えなくて当然真っ赤になって怒った
「ほら、面白い」
「知らない!」
頭をくしゃくしゃに撫でる手を払う。
来年魔法学校を入学するけれど、絶対絶対兄さんのいるスリザリンなんか入らない!
そしてあたしはその願い通り、グリフィンドールに組み分けされた。
一年生はついてきてと監督生に言われて、早速できたうさぎちゃんっていうお友達と楽しく歩いていたら動く階段の途中で手を引かれて列から出てしまう。
「なんでその寮なんだ」
あんまり見たことのない顔をしてそう言ってくるのはクンツァイトだった。その後ろにはすました顔のゾイサイトもいる。
「別に。決めたのは帽子だもん」
兄さんと一緒のトコは嫌だとはさすがに言えない
「純血の一族はスリザリンに入る方が生きやすくて何より学びも多いんだぞ」
組み分け帽子にもスリザリンの素質があるみたいなこと言われたけど断固拒否した。純血とか半純血とかマ、マ…マグレ?とかあたしはそこまで拘りないし。うさぎちゃんマ、マ…マグル!だけどすーっごく良い子だし。列車で意気投合したんだもん。
「これからは高い場所も一人でいくの」
「え?」
あたしを見るその顔は眉が下がっていて元気がない。
そうだ、このあまり見たことの無い彼の顔。『寂しい』の顔、だ。
少し胸が痛む気がしたけどここでちゃんと言わないとダメ
「あたしはクンツァイトがいなくても大丈夫。高いところだって、なんだってこれからは一人で行くから」
「美奈子」
何か彼が口にしようとした時慌てたうさぎちゃんの声が聞こえてきた
「す、すみません!!美奈子ちゃんがはぐれました!!!」
監督生にそう言って引き留めてくれてるのが見えてあたしは駆け出す
「美奈子っ!」
「じゃあねクンツァイト!学校ではあんまり話しかけないで!」
「…っ」
なんで泣きそうな顔してんの?
兄さんって、あんなに表情豊かだったかな
そんなに意地悪する幼なじみが近くにいなくなるのが惜しいの?
そんな風にチラッと考えたりもしたけれど、あたしはこれから始まる学校生活が楽しみでそのあとはもう振り向かないでグリフィンドール一年生の輪の中に戻っていった。
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