体育祭に行った彼氏VSチアガール彼女
※このお話には若干の黒まもちゃんが登場するのでご閲覧にはご注意下さい
「美奈P、やっぱり私無理だよ~。」
放課後の体育館の裏、とある活動の休憩中の美奈子、亜美、うさぎの三人。座りこみ項垂れながら言ううさぎの言葉に、美奈子は立ちながらスポーツドリンクを飲む手を中断させて勢いよく屈むと同胞の肩を掴む。
「何言ってんのうさぎ!諦めないで!衛さんに見てもらうんでしょ?うさぎの晴れ舞台!」
ぶんぶんと美奈子に振られてますます力を無くしたうさぎは自信無さそうにぼそぼそ話しだした。
「そう思ったけど…でもあんなに振り付け覚えられないよ~…明らかに私だけテンポずれてて皆にメーワクかけてるもん。」
「平気平気!私がフォローするからうさぎは思いっきりこけても大丈夫!」
男子にも人気者のうさぎはあの衣装でポンポンを振ってるだけで喜ばれること間違いないんだから!と、心の中で思う美奈子は必死だ。
「え~?でーもなー…」
すっかり気弱になっているうさぎ。助け舟を出して欲しくて一緒に休憩していた亜美を美奈子が見れば。
「うさぎちゃんがやめるなら私もやめるわ。」
いっそ清々しいほどの爽やかな残酷宣言にめまいがした。
「ちょ、ちょっと亜美ちゃん!亜美ちゃんまでやめられたら困るわよ!」
学年一の秀才がチアリーダーをやるってだけでギャップ萌えを狙えるのに!!
そんな考えを持つ美奈子を見抜いたように亜美は眼光鋭く口を開く。
「困るって…。美奈?あなたの私利私欲の為に私達はチアに参加してるわけじゃないのよ?」
ぎくっと肩を上下する美奈子は一歩下がる。
体育祭限定チアリーダーの人数合わせに美奈子が二人を誘ったのは確かだった。
そしてやるからには元々体育会系で同時にアイドル志望でもある美奈子として、本番を何が何でも盛り上げたい。この際二人の人気を利用しようとしたことは認める。さりとて諦める美奈子ではない。
彼女は一世一代の演技に打って出た。
「そんなんじゃないわよ…っ私達戦いもない平和なこの世界で、ようやく思いっきり青春を謳歌できるのよ…?皆で思い出作りたいじゃない。メモリアりたいじゃない!まことは男子の応援団の方に出ちゃうし、私、二人と絶対楽しい体育祭にしたかったんだもん…!」
100%とは言わなくてもこれだって本音だ。セーラーチームのリーダーの言葉にうさぎは「美奈P…っ」と目を潤ませている。そして亜美はというと。
「…どんな経緯にしろ、引き受けたからには最後までやるべきよね…。ごめんなさい美奈、私も責任感のないことを言ってしまって。」
…勝った。美奈子は勝利を確信する。
「いいの!いいのよ!!よーし!私達チアガールがガンガン応援して体育祭を盛り上げるわよーー!!」
拳を高々に上げるとうさぎも「がんばるぞー!」とノリノリで一緒に上げていたし、亜美も「とにかくあらゆる羞恥というものを一旦忘れましょう、そうすればあるいは…本番はアドレナリンが出る効果でそれもきっと期待できるわ…」とぶつぶつ念仏のように暗示に掛けていて、何とか乗り気になってくれているようだった。
よっしゃ!絶対勝つ!この体育祭、私達チアリーダーの完全勝利よ!!
もはや体育祭のメインがなんなのかどうでもよくなっている美奈子は、心の中でそう叫ぶと勝利のガッツポーズをとっていたのだった。
この後まさか黒王子が降臨するだなんて、露ほども知らずに。
「美奈P、やっぱり私無理だよ~。」
放課後の体育館の裏、とある活動の休憩中の美奈子、亜美、うさぎの三人。座りこみ項垂れながら言ううさぎの言葉に、美奈子は立ちながらスポーツドリンクを飲む手を中断させて勢いよく屈むと同胞の肩を掴む。
「何言ってんのうさぎ!諦めないで!衛さんに見てもらうんでしょ?うさぎの晴れ舞台!」
ぶんぶんと美奈子に振られてますます力を無くしたうさぎは自信無さそうにぼそぼそ話しだした。
「そう思ったけど…でもあんなに振り付け覚えられないよ~…明らかに私だけテンポずれてて皆にメーワクかけてるもん。」
「平気平気!私がフォローするからうさぎは思いっきりこけても大丈夫!」
男子にも人気者のうさぎはあの衣装でポンポンを振ってるだけで喜ばれること間違いないんだから!と、心の中で思う美奈子は必死だ。
「え~?でーもなー…」
すっかり気弱になっているうさぎ。助け舟を出して欲しくて一緒に休憩していた亜美を美奈子が見れば。
「うさぎちゃんがやめるなら私もやめるわ。」
いっそ清々しいほどの爽やかな残酷宣言にめまいがした。
「ちょ、ちょっと亜美ちゃん!亜美ちゃんまでやめられたら困るわよ!」
学年一の秀才がチアリーダーをやるってだけでギャップ萌えを狙えるのに!!
そんな考えを持つ美奈子を見抜いたように亜美は眼光鋭く口を開く。
「困るって…。美奈?あなたの私利私欲の為に私達はチアに参加してるわけじゃないのよ?」
ぎくっと肩を上下する美奈子は一歩下がる。
体育祭限定チアリーダーの人数合わせに美奈子が二人を誘ったのは確かだった。
そしてやるからには元々体育会系で同時にアイドル志望でもある美奈子として、本番を何が何でも盛り上げたい。この際二人の人気を利用しようとしたことは認める。さりとて諦める美奈子ではない。
彼女は一世一代の演技に打って出た。
「そんなんじゃないわよ…っ私達戦いもない平和なこの世界で、ようやく思いっきり青春を謳歌できるのよ…?皆で思い出作りたいじゃない。メモリアりたいじゃない!まことは男子の応援団の方に出ちゃうし、私、二人と絶対楽しい体育祭にしたかったんだもん…!」
100%とは言わなくてもこれだって本音だ。セーラーチームのリーダーの言葉にうさぎは「美奈P…っ」と目を潤ませている。そして亜美はというと。
「…どんな経緯にしろ、引き受けたからには最後までやるべきよね…。ごめんなさい美奈、私も責任感のないことを言ってしまって。」
…勝った。美奈子は勝利を確信する。
「いいの!いいのよ!!よーし!私達チアガールがガンガン応援して体育祭を盛り上げるわよーー!!」
拳を高々に上げるとうさぎも「がんばるぞー!」とノリノリで一緒に上げていたし、亜美も「とにかくあらゆる羞恥というものを一旦忘れましょう、そうすればあるいは…本番はアドレナリンが出る効果でそれもきっと期待できるわ…」とぶつぶつ念仏のように暗示に掛けていて、何とか乗り気になってくれているようだった。
よっしゃ!絶対勝つ!この体育祭、私達チアリーダーの完全勝利よ!!
もはや体育祭のメインがなんなのかどうでもよくなっている美奈子は、心の中でそう叫ぶと勝利のガッツポーズをとっていたのだった。
この後まさか黒王子が降臨するだなんて、露ほども知らずに。