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4.
「マスター!」
閉められていた扉の鍵を差し込んで開くと、私は無礼を承知でその中へ足を踏み入れた。
しかし書庫は静まり返っていて人の気配というものが全く無かった。
「マスター…?」
書庫の一番奥の隅の一角にある、主がおそらくいるだろうと思っていた場所に辿り着くとそこに姿は無いと分かっていてもそう呼びかける。
床に広がったままの本のページがパラパラと風を受けて捲れていた。
すぐ横の窓が開け放たれている。こんな夜に、マスターが姿を消すのはプリンセスが地球にいらっしゃらなくなってから初めてのこと。
私は嫌な予感がして書庫から走り去った。
