「クイーン、お休みのところ申し訳ありません…!」

どこにも主の姿が見えず、仲間達と探していた私は、血相を変えてクイーンの部屋へと駆けつけた。

「大丈夫よヴィーナス。今は少し調子がいいの。

あの子が…いないのね?」

「申し訳ありません!」

「あなたに非はありませんよ?あの子に地球へ行くように言ったのは私。随分長いこと悩んでいたみたいだけど…そう。漸く決心が付いたのね…」

独り言のようにそう零すクイーン。そこで、クイーンはプリンセスのことを全て分かっていたのだということを理解する。
謝罪も弁明も必要ないという思いがクイーンの眼差しから伝わってくる。そうなると、ふっと肩の力が抜けて、守護戦士としてよりも、プリンセスを可愛がる姉のような気持ちとなって私の表情にも少しだけ笑みが戻る。


「プリンセスは、エンディミオン様を愛しておいでです。心から…」

差し出がましいとも思ったけれど、私は大切な主の真実を伝えた。クイーンはただ一度静かに頷いて窓の外に目を向けた。

目の先には青い星。

プリンセスがこんなに長い時間あの星に留まる事は初めてで。最後に会った王子のあの絶望に縁取られた危うさを思い出すと、やはり不安になってくる。
けれどそんな思考をまるで読み取ったかのように「大丈夫ですよ」とクイーンが柔らかな響きで語りかけてきて、私ははっと顔を上げた。

「ヴィーナスの言う通り、王子はセレニティが愛した人。彼ならきっと…最後には分かってくれます。」

「クイーン…」

私は愛し合う二人の想いに胸が痛くなったけれど、そうですねと小さく答えて真っ赤な目をして微笑んだ。


「迎えに行って参ります。」

「ええ。そうしてあげて?」

あなたが行ってくれたらきっとあの子も安心するでしょうから。
続いた言葉に、涙が零れた。


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