2 哀の挨拶

私たちの運命の辿り着く先は――――破滅しかない





第二話
『哀の挨拶』





ヴィーナスは仲間たちのところに駆け付け、押し寄せる地球軍と対峙していた。

「マーキュリー!なぜなの?なぜ急に地球からの月に通じるゲートが拡大してしまったの!?」

必殺技を繰り広げる合間に、守護戦士のブレーンに問う。

「今まで感知したこともないようなとてつもなく巨大な暗黒パワーが、それを可能にしてしまったのよ。実は、数日前の太陽の黒点から観測されたエネルギーと酷似しているの…!」

マーキュリーはハンドコンピューターと地球軍を交互に見ながら答えた。


「なんだその暗黒パワーって!こいつらもそのせいで操られてるっていうのか!?」

そのマーキュリーを守る形で、次々と素手で相手を投げ飛ばしながら雷電使いの木星の守護者が言った。

彼女が丹念に育て上げた草花は見る影もなく踏み荒らされ、焼かれ、殆どが灰と化してしまっていた。

その光景に悲しむ間も無く戦いを強いられていることに怒りをぶつけるかのように、知らずにその語気は上がる。

「くそ…っキリがない!!」

「この兵士達、禍々しい黒いオーラを身体全体から放出しているわ!間違いなく何かに操られている…!」

マーズは、その霊感で寒気がするほどの恐ろしいエナジーを捉えていた。

「プリンセスはご無事なの!?」

悪霊退散の札を兵士達に貼り付け、一時周りの敵が少なくなるとマーズはリーダーに尋ねる。

他の二人も心配そうにヴィーナスを見つめていた。

「ええ。奥の間までお連れしたわ。私達の覚悟も…ちゃんと伝えてきた。」

「…そう。」

マーズは答えると、脳裏には泣き腫らした顔のプリンセスの姿を浮かべていた。

「何があっても…プリンセスだけはお守りしなくては。」

マーキュリーは、ここから見えるはずもない、プリンセスのいる方角に目を向けながらポツリと呟いた。

「あったりまえだ!」

ジュピターは、アンテナに雷電を集めながら叫び、一気に放っていた。

しかし、後から後から光の宿らない瞳をした激しい憎悪にまみれた表情の兵士達が押し寄せてくる。

「一体…何者が操っているの…!?」

ヴィーナスは彼らの冷たい瞳を見て背筋に戦慄を覚える。


こんなにも人の心を憎しみと殺意だけに支配できるなんて…

邪(よこしま)な存在



そう



まるで悪魔よ―――!!

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