5 Last Friends
「エンディミオン!あそこ!!」
セレニティは荒れ果てた大地の先を指差す。
エンディミオンはそちらに目を向けると、傷だらけながらも無事でいる四天王の姿を捉えることができた。
そして彼等に寄り添うように一緒にいる月の守護戦士の姿も。
「良かった…」
2人は手を力強く握り合って頬を緩める。
「皆、無事か!?」
響き渡る王子の声に彼等は驚き顔を上げた。
「マスター…!?」
「マスター!!」
四天王は傷付いた体を押さえながら尊敬し、慕ってやまない只一人の君主の元へ向かっていった。
「お前たち…ひどくやられたな。」
エンディミオンの言葉に、8人は顔を見合わせ苦笑する。
「ええ、まあ。お陰で頭がスッキリしましたよ。」
「そうか…。元に戻ってくれて良かった…。」
エンディミオンは守護戦士のことを見つめて頭を下げる。
「ありがとう…。」
4人は驚いて顔を上げるように促す。
そして、王子の横にセレニティが、互いに支え合うようにピッタリと一緒にいる姿を見て、改めて思う。
掟は分かっていても、これだけ互いを思いやり、想い合う恋人同士はいない…と。
なぜ掟は存在するのか
なぜ想い合う2人が結ばれる世界ではないのか
プリンス、プリンセスがどれ程素晴らしい人物なのか、何度も会えば、彼等には分かりすぎるくらい分かっていた。
掟など関係無く祝福できればどんなにいいだろう…。
しかし今、この世界そのものが終わろうとしているのだ。
悪魔クイン・メタリアの手によって…。
終わってしまう前にどうしても言っておきたいことがあった。
それは、臣下としてでなく…友として。
「マスター」
「プリンセス」
彼らは2人の前に跪く。
エンディミオンとセレニティは突然のことに僅かに動揺し、彼等のことを見つめていた。
「我々は…地球国ゴールデンキングダム第一王子エンディミオン様と、月の国シルバーミレニアム第一皇女セレニティ殿のご婚姻をお認め致します。」
それは叶えられない筈のことで
そしてここにいる全員が願ってやまないたった一つのことでもあった
四天王と守護戦士たちは、公務や戦闘のときには決して見せないあるがままの表情で、涙に溢れている君主であり、今は大切な友人の事を穏やかに見つめていた――――
