5 Last Friends




『僕はいつか父上のような立派な王になりたい』

泣き腫らした目でそう呟く、まだあどけなさを残した一人の少年。


『どこまでもお供致しますよ』


傍には忠誠を誓った青年が一人。



それはいつの日か交わした約束――――




第五話
『Last Friends』





四戦士の必殺技を受けた四天王は、その意識を徐々に取り戻してきていた。

メタリアとベリルは、プリンセスとクイーンを探し出すため、その場を後にしていた。


「う…っ俺…は…?」

クンツァイトはゆっくりと顔を上げる。頭がズキズキと痛む中で、様々な記憶が呼び戻されていく。


『いいか?クンツァイト。お前はいずれ王子の側近として、どんなことがあっても全力でお守りするのだ。
その心構えがあるか?』

『はい!父上!』


父上と…交わした約束



王子…?



『これからよろしく。クンツァイト!』

幼い少年が微笑む。

『ありがたいお言葉にございます。マスター。』

マスター…?



そうだ



我が主、エンディミオン様!!




『父上のように立派な王になりたい。』



皇后様が亡くなられた時、母君との約束を果たすために泣きながらそう言ったマスター…





『彼女のことを、もっと知りたい…。気が付けば、彼女のことを考えている…。
苦しいんだ…。』

初めて月のプリンセスへの気持ちを私に話してくれた日。

その気持ちは…すぐにマスターを傷付けるだけになると…恐れた。





恋。一国の王子であるマスターが恋をしても、それはきっと幸せな未来に繋がることはないだろう。




『似た者同士ね。私達。』



誰だ?




『心配なの。このまま、地球の王子と恋をしても、傷付くだけじゃないかって…。』



俺と同じ気持ちで、同じくらい主を大切に思っている少女



触ると絹のような金色の髪


いつも真っ直ぐに自分を見つめる凛とした澄んだ青い瞳…



『木から木へ飛び移ったからこうなったの!!』


木の枝を髪に絡ませて真っ赤な顔で叫んだ君は、外見とは正反対の性格で…


クルクル変わるその表情にすら、愛しいという感情が湧いていたんだ



『クンツァイト…』




彼女の声が聞こえた気がしたクンツァイトは、その瞳をうっすらと開ける。




「ヴィーナ…ス?」




ぼやける視界の中に、確かに彼女が映って。クンツァイトは静かに微笑んだ。

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