4 共に
エンディミオンは兵士が誰一人残っていないゴールデンキングダムを後にし、拡大した月へのゲートに辿り着いていた――――
第四話
『共に』
あれだけの多くの兵が、皆月へ行ったというのか?
それほどまでの人間の心を自在に操ることができるとは…
エンディミオンは怒りで震えそうになる手をぎゅっと爪が白くなるほど握り締めていた。
黒いモニュメントが現れ出した時の事を思い出す。
もっと早く気付いて対処していれば。悔やんでも始まらないということは分かっていたが、考えずにはいられなかった。
王子は意を決してゲートへ歩を進める。ただひたすらに走っていると、霞みかかった視界の中に一際輝く光が見えた。
『エンディミオン…』
確かにそう聞こえた。
「セレニティ!!」
間違いない。あの光は愛しい彼女。王子は美しく輝く光を目指して走る。
次第に霧が晴れてシルバーミレニアムの立ち並ぶ石柱が見えてきた。
そしてその先には月の加護を背負う姫が息を切らしてこちらを見ていた。
「エンディミオン…!」
会えた
会えた
無事だった――――!!
エンディミオンはセレニティの元に走り寄る。けれど彼女は手を伸ばすことも無く、王子のことを見つめていた。
「セレニティ…?」
「ごめんなさい…。」
そう言うとポロポロと涙を溢れさせて目を閉じる。
「ごめんなさい…私の…私の我が儘と身勝手で…月と地球、全ての人を巻き込んでしまった…。」
「セレニティ、それは…」
「でも!」
目を開いて、そこで初めて王子の腕を震える手で掴む。
「それなのに今私は…貴方に会えて…こうして…触れることができて…とても嬉しいの…っ!!こんな私は…きっとこの国を背負う資格なんて無い…!!」
途切れ途切れに紡がれるその言葉は、王子の心に苦しく染み渡っていく。
その辛さを全て取り除いてあげることはできないけれど、それでも少しでも安心して欲しくて。
彼女を自分の胸にきつく抱き寄せ、包み込む。
「君が罪の意識を感じているのならば、俺も同罪だよ。」
神の掟を知りながら
君に会い
君に惹かれ
君を抱いた
「でも俺は、後悔なんてしていない。」
ふとセレニティを包む腕を緩めて、その顔を見つめて王子ははっきりとそう言う。
「君と会うこともなく、恋を知ることもなく…ただ生きていた方が良かっただなんて思えない。」
その強い眼差しにプリンセスは自分の心がじんわりと温かくなるのを感じた。
「私も…貴方と出会えたこと、後悔なんてしていないわ。」
どんなに神の掟に背いていたとしても
私にとっての運命の人は貴方ただ一人…
どんなに孤独の闇に包まれていても
そのことだけは一点の曇りもない私の心の中にある光…
真実なの
想いは
いつも一つ
二人はきつくきつく抱き合い、熱く深い口付けを交わした――――
第四話
『共に』
あれだけの多くの兵が、皆月へ行ったというのか?
それほどまでの人間の心を自在に操ることができるとは…
エンディミオンは怒りで震えそうになる手をぎゅっと爪が白くなるほど握り締めていた。
黒いモニュメントが現れ出した時の事を思い出す。
もっと早く気付いて対処していれば。悔やんでも始まらないということは分かっていたが、考えずにはいられなかった。
王子は意を決してゲートへ歩を進める。ただひたすらに走っていると、霞みかかった視界の中に一際輝く光が見えた。
『エンディミオン…』
確かにそう聞こえた。
「セレニティ!!」
間違いない。あの光は愛しい彼女。王子は美しく輝く光を目指して走る。
次第に霧が晴れてシルバーミレニアムの立ち並ぶ石柱が見えてきた。
そしてその先には月の加護を背負う姫が息を切らしてこちらを見ていた。
「エンディミオン…!」
会えた
会えた
無事だった――――!!
エンディミオンはセレニティの元に走り寄る。けれど彼女は手を伸ばすことも無く、王子のことを見つめていた。
「セレニティ…?」
「ごめんなさい…。」
そう言うとポロポロと涙を溢れさせて目を閉じる。
「ごめんなさい…私の…私の我が儘と身勝手で…月と地球、全ての人を巻き込んでしまった…。」
「セレニティ、それは…」
「でも!」
目を開いて、そこで初めて王子の腕を震える手で掴む。
「それなのに今私は…貴方に会えて…こうして…触れることができて…とても嬉しいの…っ!!こんな私は…きっとこの国を背負う資格なんて無い…!!」
途切れ途切れに紡がれるその言葉は、王子の心に苦しく染み渡っていく。
その辛さを全て取り除いてあげることはできないけれど、それでも少しでも安心して欲しくて。
彼女を自分の胸にきつく抱き寄せ、包み込む。
「君が罪の意識を感じているのならば、俺も同罪だよ。」
神の掟を知りながら
君に会い
君に惹かれ
君を抱いた
「でも俺は、後悔なんてしていない。」
ふとセレニティを包む腕を緩めて、その顔を見つめて王子ははっきりとそう言う。
「君と会うこともなく、恋を知ることもなく…ただ生きていた方が良かっただなんて思えない。」
その強い眼差しにプリンセスは自分の心がじんわりと温かくなるのを感じた。
「私も…貴方と出会えたこと、後悔なんてしていないわ。」
どんなに神の掟に背いていたとしても
私にとっての運命の人は貴方ただ一人…
どんなに孤独の闇に包まれていても
そのことだけは一点の曇りもない私の心の中にある光…
真実なの
想いは
いつも一つ
二人はきつくきつく抱き合い、熱く深い口付けを交わした――――
