番外編 『レモンと蜂蜜』
まもちゃんと付き合い始めてもうすぐ一か月。すっかりあの頃みたいに仲良しになって、でも男の人なんだなってドキドキすることもたくさんで。私、月野うさぎは幸せいっぱいの毎日を過ごしています。
と、思ってたんだけど……ホームルームが終わって帰り支度をししていた時、美奈子ちゃんに言われた。最近のまもちゃんのモテかたがやばいんだって。
「幼馴染で恋人だからってあぐらかいてると、まーもちゃん取られちゃうわよ?」
「えー?!」
「あの黒王子が笑った! とか、ココーの王子だったのに友達と楽しそうに一緒にいて、少年みたいな顔してて可愛い! とか。まー色々な声があちこちから聞こえてくるんですわー」
美奈子ちゃんがあのノートを持ち出して教えてくれたけど、私は正直気が気じゃなかった。だって、まもちゃんは本当にカッコ良くて優しくて頭も良くて運動神経も抜群で素敵な王子様だっていうことは、恋人である私が一番よく知ってる。
ついこの前のこと。二階にあるこの教室の窓際の席は校庭が良く見えるんだけど、高等部のクラスの男子の先輩たちが体育でサッカーをしていたからついついまもちゃんの姿を探してしまった。そしたらバッチリ! 大好きな漆黒の髪を揺らして華麗にボールを操る彼の姿を発見したの。そういえばあの時も女子の先輩たちの歓声が聞こえたかもしれない。でもゴールを決めた後ふっと見上げてきたまもちゃんとばちんと目が合って。ドキドキしてたらふわっと笑いかけられて、胸がきゅっとなった。
私も音が出ないように拍手して『かっこいい』って口だけ動かして声援を送ると、まもちゃんはふいっと顔をそむけた後、『前・ちゃんと・向け』と目と口の動きで小さくジェスチャーを送ってきた。そんなふわふわしたシアワセなやりとりをしていたから、あまり気に留めていなかったんだ。
あんなにかっこよくて、ちょっと可愛い彼の事が色んな女の子たちみんなに広まってしまっているのだとしたら……そんなの、モテちゃうに決まってる!!
「わ、わた、私! まもちゃんとこ行ってくる!!」
今日は金曜日。私の部活がない日だから(まもちゃんは元々帰宅部)、鞄を持って急いで待ち合わせの図書室に向かった。
と、思ってたんだけど……ホームルームが終わって帰り支度をししていた時、美奈子ちゃんに言われた。最近のまもちゃんのモテかたがやばいんだって。
「幼馴染で恋人だからってあぐらかいてると、まーもちゃん取られちゃうわよ?」
「えー?!」
「あの黒王子が笑った! とか、ココーの王子だったのに友達と楽しそうに一緒にいて、少年みたいな顔してて可愛い! とか。まー色々な声があちこちから聞こえてくるんですわー」
美奈子ちゃんがあのノートを持ち出して教えてくれたけど、私は正直気が気じゃなかった。だって、まもちゃんは本当にカッコ良くて優しくて頭も良くて運動神経も抜群で素敵な王子様だっていうことは、恋人である私が一番よく知ってる。
ついこの前のこと。二階にあるこの教室の窓際の席は校庭が良く見えるんだけど、高等部のクラスの男子の先輩たちが体育でサッカーをしていたからついついまもちゃんの姿を探してしまった。そしたらバッチリ! 大好きな漆黒の髪を揺らして華麗にボールを操る彼の姿を発見したの。そういえばあの時も女子の先輩たちの歓声が聞こえたかもしれない。でもゴールを決めた後ふっと見上げてきたまもちゃんとばちんと目が合って。ドキドキしてたらふわっと笑いかけられて、胸がきゅっとなった。
私も音が出ないように拍手して『かっこいい』って口だけ動かして声援を送ると、まもちゃんはふいっと顔をそむけた後、『前・ちゃんと・向け』と目と口の動きで小さくジェスチャーを送ってきた。そんなふわふわしたシアワセなやりとりをしていたから、あまり気に留めていなかったんだ。
あんなにかっこよくて、ちょっと可愛い彼の事が色んな女の子たちみんなに広まってしまっているのだとしたら……そんなの、モテちゃうに決まってる!!
「わ、わた、私! まもちゃんとこ行ってくる!!」
今日は金曜日。私の部活がない日だから(まもちゃんは元々帰宅部)、鞄を持って急いで待ち合わせの図書室に向かった。