私の彼氏を紹介します(まもうさ、大阪なる視点)
正面にできたてカップルを迎えてなるはニッコリ微笑んだ。
「で?どっちが告白したの?」
「「えっ!?」」
「ほーらーシンクロしてないで答えてよ♪」
同時に声を上げて赤面する初々しい二人に笑みを絶やさずに促す。
「えーっと、どっちっていうかどっちもどっちっていうか…」
「うさこ、日本語ヘンになってるぞ。」
「うぅ…だって、どっちが先に告白したかとか無かったから~。あ、そっか!ミラクルロマンスなんだよ!なるちゃん!!」
「はい?」
「うさこ…なるちゃん困ってるだろ。」
「じゃあまもちゃん説明できる?」
「え?そうだなー…運命…かな?」
「…はい?」
今度はドスの効いた声だったかもしれないなるだったが、二人は更に会話を広げる。
「運命!そうだね!私たちは赤い糸で結ばれてたのよっ」
「そうかもな。英語30点の女の子に自分が恋するなんて思いもしなかったけど。」
「恋するだなんて…っいやんっまもちゃんたら!」
「ははっ」
うさぎにばしんと肩を叩かれて楽しげに笑う衛は近寄りがたい雰囲気を一蹴させるような温かさがあった。バカップルであることも確定だが。
「えーと…つまり、好きも付き合おうの言葉も無く、自然とそうなったってこと?」
「えへへっ」
笑う親友の頭を撫でる彼氏の表情は本当に柔らかい。
しかしそのやりとりをまたしても凝視していたなるに気付いてさすがに照れたように衛は手を引っ込めた。
おわり