だって好きだから(まもうさちび)
あれが月野うさぎ?
あれが昔のママなの?
みんなに怒られてばかりじゃない
まるで
あたしみたい―――
「まもちゃん。うさぎのどこが好きなの?」
いつものように大好きなまもちゃんの家に遊びに来ていたあたしは、まもちゃんに淹れてもらったコーヒーをもちろんブラックで一口飲んでから尋ねた。
「何だ突然?」
あたしの質問にそれほど驚きもせず、穏やかな微笑みを浮かべて聞き返す。
あたしはこの微笑みに弱い。だってやっぱり大好きなパパを思い出すもの。
ううん違う!まもちゃんはパパだけどまだパパじゃない。
あたしの…王子様なんだから。
だからこんな完璧なまもちゃんが、どうしてドジで泣き虫なうさぎなのか知りたいの。
「うさぎってばいつも赤点だし、すぐ泣くし、コーヒーだって砂糖とミルクたっぷり入れないと飲めないお子様だし。」
あたしの話を聞いてもますますニッコリ笑うばかりで…ちっとも欠点を挙げて話している気になれない。
でもでも!めげないんだから。
「泣いたり怒ったり笑ったり。ホント、忙しいったら…」
「だからついついこっちも素直に自分の気持ちを晒しちゃうんだよな?」
う…そう言えなくも無いけどさ
「もう!なんでまもちゃんはあたしがうさぎのしょうもないトコ話してるのにそんなに嬉しそうなの!?」
「そんなしょうもないところも全部引っくるめて、好きだから。」
…
……まもちゃんてば、サラリと言ったよ。
そんな甘~い顔で言われたらあたしまで赤くなっちゃうじゃん。
「似てるよ。」
「え?」
「うさことお前。」
クスクス笑いながらあたしを見る目はやっぱりパパみたいで。
あたしは結局真っ赤になって黙り込んで、残りのコーヒーを一気に飲み干す。
ブラックで飲むのは嫌いじゃない。でも、お砂糖やミルクを入れたほんのり柔らかい――誰かさんみたいなコーヒーも…悪くはないのかも。
そう思った矢先、玄関が騒々しく開いた。赤点追試が終わったと嘆き声が聞こえる。
あたしとまもちゃんは、多分そっくりな表情で苦笑して、声の主を迎え入れた。
おわり
あれが昔のママなの?
みんなに怒られてばかりじゃない
まるで
あたしみたい―――
「まもちゃん。うさぎのどこが好きなの?」
いつものように大好きなまもちゃんの家に遊びに来ていたあたしは、まもちゃんに淹れてもらったコーヒーをもちろんブラックで一口飲んでから尋ねた。
「何だ突然?」
あたしの質問にそれほど驚きもせず、穏やかな微笑みを浮かべて聞き返す。
あたしはこの微笑みに弱い。だってやっぱり大好きなパパを思い出すもの。
ううん違う!まもちゃんはパパだけどまだパパじゃない。
あたしの…王子様なんだから。
だからこんな完璧なまもちゃんが、どうしてドジで泣き虫なうさぎなのか知りたいの。
「うさぎってばいつも赤点だし、すぐ泣くし、コーヒーだって砂糖とミルクたっぷり入れないと飲めないお子様だし。」
あたしの話を聞いてもますますニッコリ笑うばかりで…ちっとも欠点を挙げて話している気になれない。
でもでも!めげないんだから。
「泣いたり怒ったり笑ったり。ホント、忙しいったら…」
「だからついついこっちも素直に自分の気持ちを晒しちゃうんだよな?」
う…そう言えなくも無いけどさ
「もう!なんでまもちゃんはあたしがうさぎのしょうもないトコ話してるのにそんなに嬉しそうなの!?」
「そんなしょうもないところも全部引っくるめて、好きだから。」
…
……まもちゃんてば、サラリと言ったよ。
そんな甘~い顔で言われたらあたしまで赤くなっちゃうじゃん。
「似てるよ。」
「え?」
「うさことお前。」
クスクス笑いながらあたしを見る目はやっぱりパパみたいで。
あたしは結局真っ赤になって黙り込んで、残りのコーヒーを一気に飲み干す。
ブラックで飲むのは嫌いじゃない。でも、お砂糖やミルクを入れたほんのり柔らかい――誰かさんみたいなコーヒーも…悪くはないのかも。
そう思った矢先、玄関が騒々しく開いた。赤点追試が終わったと嘆き声が聞こえる。
あたしとまもちゃんは、多分そっくりな表情で苦笑して、声の主を迎え入れた。
おわり