甘い甘いまもうさ

鼓動


ソファーで横になって科学雑誌を読んでるまもちゃん。

なんとか彼の気を引きたくて思い切って上に乗りかかる。「こら」とか、「重いぞ」とか、言われるかなと思ったけど

「どうした?」

優しい声で聞かれて、頭を撫でられて。

急なドキドキに付いていけない私は「なんでもにゃい…」って真っ赤になってそのまま顔を埋めるしかなかった。

そしたら自分のじゃない、まもちゃんの鼓動が聞えてきて。なんだか同じくらい速くて、びっくりして顔を上げる。

「まもちゃん、ドキドキしてる?」

「そりゃ、好きな子がこんなにくっついてきたら、ドキドキするよ…?」

困ったような、少し苦しいような、胸が焦げそうな微笑みと一緒にそんなこと言われたら。

また突っ伏して、それから、ぎゅううっと抱き付く。

「うさこ…?」

「ばか…」

月野うさぎ、15歳中三。

そんな私は、今日も恋人には勝てません。


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