beside U(まもうさ)
十番中学に着くと、さすがに中まで入るのは気が引けて、校門の脇に寄り掛かって待つことにする。
どことなく下校中の生徒に見られている気がしたけれど、それらは視界に入れず、ただ彼女の姿を探していた。
学校でのうさこはどんな様子なのだろう…。
彼女の仲間からはあれこれ聞いているから大体は知っているけれど、実際見た訳ではないから少し気になっていた。
あいつと一緒の学校だったら…楽しいだろうな…。
そんなことを考えている自分がなんだかおかしくて、小さく笑うともう一度昇降口に目を向ける。
少しすると、どこにいても目立つ彼女のトレードマークのお団子頭が見えた。
俺は声を掛けようとしたが、違和感を覚えて言葉を飲み込む。
足を庇ってる…?
ひょこひょこゆっくりと進むうさこの足元を見れば、白い包帯が巻き付いていた。
「うさこ!!」
俺は急いで彼女のもとに駆け寄る。
「あれー?まもちゃんどうしてここに?」
俺の心配をよそに呑気な声で聞いてくる。
「待ち合わせ場所に来ないから何となく心配で…ってそんなことはいい。どうしたんだよその怪我!」
「廊下の掃除がやっと終わって、早くまもちゃんのトコ行かなきゃって慌ててたら階段から滑って…」
なはは…と、冗談めかして笑いながら説明する彼女。
「何やってんだ!亜美ちゃんたちは一緒じゃなかったのか?」
「あ、先に帰ってもらってたから…痛っ」
顔をしかめる彼女を見て俺は背を向けてしゃがみこむ。
「ほら。」
「え?え?まもちゃん??」
「病院行くぞ。ほら乗って。」
「だだだ大丈夫だよ!保健室の先生もただの捻挫って言ってたし。」
慌ててそう言う彼女のほうに振り向いて軽く睨む。
「駄目。乗って?俺が心配なの。」
それでも赤面しながらなかなかおぶさらない彼女を見て、半ば強引に腕を自分の首に絡ませて持ち上げる。
「ひゃあ!」
そんな驚きの声を上げているけれど気にしない。
「行くぞ。」
「は…はい…。」
俺は近くの接骨院に向かってうさこをおぶって歩きだす。
背中から伝わる彼女の体温とか、柔らかさとか…。意識してしまえば俺だって気恥ずかしくない訳じゃなかったけれど。
とにかく余計な事は考えないようにして――――
どことなく下校中の生徒に見られている気がしたけれど、それらは視界に入れず、ただ彼女の姿を探していた。
学校でのうさこはどんな様子なのだろう…。
彼女の仲間からはあれこれ聞いているから大体は知っているけれど、実際見た訳ではないから少し気になっていた。
あいつと一緒の学校だったら…楽しいだろうな…。
そんなことを考えている自分がなんだかおかしくて、小さく笑うともう一度昇降口に目を向ける。
少しすると、どこにいても目立つ彼女のトレードマークのお団子頭が見えた。
俺は声を掛けようとしたが、違和感を覚えて言葉を飲み込む。
足を庇ってる…?
ひょこひょこゆっくりと進むうさこの足元を見れば、白い包帯が巻き付いていた。
「うさこ!!」
俺は急いで彼女のもとに駆け寄る。
「あれー?まもちゃんどうしてここに?」
俺の心配をよそに呑気な声で聞いてくる。
「待ち合わせ場所に来ないから何となく心配で…ってそんなことはいい。どうしたんだよその怪我!」
「廊下の掃除がやっと終わって、早くまもちゃんのトコ行かなきゃって慌ててたら階段から滑って…」
なはは…と、冗談めかして笑いながら説明する彼女。
「何やってんだ!亜美ちゃんたちは一緒じゃなかったのか?」
「あ、先に帰ってもらってたから…痛っ」
顔をしかめる彼女を見て俺は背を向けてしゃがみこむ。
「ほら。」
「え?え?まもちゃん??」
「病院行くぞ。ほら乗って。」
「だだだ大丈夫だよ!保健室の先生もただの捻挫って言ってたし。」
慌ててそう言う彼女のほうに振り向いて軽く睨む。
「駄目。乗って?俺が心配なの。」
それでも赤面しながらなかなかおぶさらない彼女を見て、半ば強引に腕を自分の首に絡ませて持ち上げる。
「ひゃあ!」
そんな驚きの声を上げているけれど気にしない。
「行くぞ。」
「は…はい…。」
俺は近くの接骨院に向かってうさこをおぶって歩きだす。
背中から伝わる彼女の体温とか、柔らかさとか…。意識してしまえば俺だって気恥ずかしくない訳じゃなかったけれど。
とにかく余計な事は考えないようにして――――