空に掛かる橋(まもうさちび)

衛とうさぎとちびうさは3人で隣町にオープンしたショッピングモールに買い物に来ていた。

天気は曇。予報ではこのあとは雨。
だから3人は雨が本降りにならないように早めに帰ろうと思っていた。

でも実際、たくさんの新しい店の誘惑にお団子頭の2人は勝てるはずもなく…。

ギリギリのところで2人に甘い衛は、買い物が満足に終わるまで待っていた訳で。

結局、帰りの電車に乗る頃には雨雲がすぐ近くまで空を覆い始めていた。


「あーいっぱい可愛い服が買えて嬉しいなっ!」

ちびうさが両手いっぱいの紙袋を抱えながら満足そうに言った。

「私も私も!前からこういうピアスが欲しかったんだ!」

電車に乗る前に、早速付けた新しいピアスを揺らしながらうさぎが笑う。


「良かったな。俺も読みたかった新刊が買えたし。」


衛は既に読み始めているそれを少し持ち上げて2人の事を見ると、頬を僅かに緩ませて話した。


端から見れば、カップルとなぜか小学生だが、3人の間に流れている空気は紛れもなく親子のそれで。

笑顔の3人の周りは、車窓の外の移り行く天気など関係無く、暖かさと穏やかさに包まれていた。
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