ねえまもちゃん(まもうさ)
「ちょっとちょっと!彼女が来てるのに本読んじゃうの?」
「うん。」
「うんって!じゃあうさぎは何してるのよ!?」
「え?だから、まもちゃんの隣で腕組んでテレビ見たり、お菓子食べたり、私ばっかり話して…で…」
「で!?」
三人がまた何かに期待を込めたように瞳を輝かせて聞いてきた。
「二人とも寝ちゃう!」
途端に三人はがっくしと肩を降ろして、思いっきり溜め息を着いた。
「ちょっと!何よその反応は!」
なるちゃんが諭すような表情で私を見る。
「うさぎ。あんたはそれでいいの?」
「え?」
「同じ部屋に好き合ってる男女がいて何もない…なんて。」
それに乗っかってくりも口を開く。
「そうよぉ。あんたそれ、彼氏に女だって思われてないんじゃない?」
「そうそう!やっぱり高校生から見たら中学生なんて子どもなのかもね。」
二人の言うことが胸にチクンと刺さる。
「ちょっと二人とも!それは言い過ぎ!」
なるちゃんがフォローしてくれていたけど、私は二人の言葉がぐるぐる頭の中を回って、何も話せないでいた。
そんな私を見て言い過ぎたと思ったのか二人が交互に謝ってくる。
けれど私はそれすらもよく聞き取れずにいた。
まもちゃん…私のこと、どう思ってる?
私は、まもちゃんの彼女…なんだよね??
いつもは安心して確信していた気持ちも、今では何となく自信が持てずにゆらゆら揺れてしまっていた。
帰り道、なるちゃんが私の様子を気にして、正面に立って申し訳無さそうに私を見てくる。
「うさぎ、さっきのこと気にしてる…よね?ごめんね。二人のことなのに。私達がアレコレ言うことじゃないのにさ。」
「ううん。いいんだよ。」
私は笑って見せたけど、きっと全然上手く笑えてない。
「うさぎ…」
「あーもう!ダメダメ!考えてても仕方ない!!なるちゃん!!」
「へ?」
ガシッとなるちゃんの肩を掴む。そんな私に圧倒されて目をしばたいていた。
「私のピチピチパワーでまもちゃんを悩殺してくる!!」
「はあ!?」