60,000hit『微睡の朝』
クリスタルトーキョーの朝は街中のクリスタルが陽の光を受けて煌びやかに瞬いている。彼の地の一番高いところにこの国を統べる美しい夫婦の寝室があり、既に起きているキングが愛してやまないクイーンを見つめていた。髪をそっと撫でて口付ける。寝顔は昔と変わらない天使のようなあどけなさがあるのに、長く細い首筋から胸への美しい曲線、細く締まった腰からの足へと繋がるラインは艶かしくいつだって彼の手をいざなってしまう。
「ほら、起きて。朝だぞ」
きゅっと腰を抱いて額にキスを贈る彼の声は朝独特の掠れた色香があって、クイーンはふにゃふにゃ言いながらも「ええ、おきてるわ」と分かりやすく嘘をつく。そんな彼女にくすくす笑うとキングは「悪い子はおしおきだ」と脇腹をくすぐればきゃあきゃあ笑い声が上がる。
「もー! やははっ起きたってばっ! コドモみたいなことやめてっ」
「君がコドモみたいな嘘をつくからだろ」
キングからちっとも痛くないデコピンをされてその手を取ると自分の頬に添えていたずらっ子のように笑う。
「ふふっごめんなさーい」
そんな彼女が可愛くて仕方がないという感情がダダ漏れなのを自覚しながらも、彼は白い掌にそっと唇を寄せた。
「おはよ、まもちゃん」
「おはよう、うさ」
何回交しても幸福に満たされる言葉。前世では叶えられなかった幸せの日々が重ねられていく。
キスをすると更にその気持ちは増幅して朝から離れられなくなってしまう夫婦なのだった。
そんな彼らを唯一我に返してくれる存在がいる。
「おはよー! パパ! ママ!」
それはたった今ルナPと共に元気に扉を開けて両手を広げて入ってくるこの国のプリンセスだ。
いつの間にかベッドから降りた二人はすっかりと父親と母親の顔をしており、愛娘に朝の挨拶を返して頭を撫で抱き締める。
それはまだ黒き月の不穏な影がこの国に落ち始める前の、平和な暖かな日常の風景だった。
おわり
2026.7.26
「ほら、起きて。朝だぞ」
きゅっと腰を抱いて額にキスを贈る彼の声は朝独特の掠れた色香があって、クイーンはふにゃふにゃ言いながらも「ええ、おきてるわ」と分かりやすく嘘をつく。そんな彼女にくすくす笑うとキングは「悪い子はおしおきだ」と脇腹をくすぐればきゃあきゃあ笑い声が上がる。
「もー! やははっ起きたってばっ! コドモみたいなことやめてっ」
「君がコドモみたいな嘘をつくからだろ」
キングからちっとも痛くないデコピンをされてその手を取ると自分の頬に添えていたずらっ子のように笑う。
「ふふっごめんなさーい」
そんな彼女が可愛くて仕方がないという感情がダダ漏れなのを自覚しながらも、彼は白い掌にそっと唇を寄せた。
「おはよ、まもちゃん」
「おはよう、うさ」
何回交しても幸福に満たされる言葉。前世では叶えられなかった幸せの日々が重ねられていく。
キスをすると更にその気持ちは増幅して朝から離れられなくなってしまう夫婦なのだった。
そんな彼らを唯一我に返してくれる存在がいる。
「おはよー! パパ! ママ!」
それはたった今ルナPと共に元気に扉を開けて両手を広げて入ってくるこの国のプリンセスだ。
いつの間にかベッドから降りた二人はすっかりと父親と母親の顔をしており、愛娘に朝の挨拶を返して頭を撫で抱き締める。
それはまだ黒き月の不穏な影がこの国に落ち始める前の、平和な暖かな日常の風景だった。
おわり
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