2021年まとめ
・ブルームーン
「ブルームーンっていうんだね、今日の満月」
パーラークラウンで仲間たちとハロウィンパーティーをした帰り道、うさが空を見上げて言った。よく知ってるなと感心すると、さっきせつなさんに聞いたのと舌を出して笑う。その悪戯っぽい仕草が魔女のコスチュームに合っていて、オペラ座の怪人の姿の俺はクリスチーヌと同じ様に思わず彼女を拐いたくなった
「まもちゃんとお揃い」
月に視線を戻したうさは眩しそうに目を細めて溢した呟きは俺のどうしようもない思考を止めた。そして抱きつかれ静かに話し続ける彼女に心音が速くなる。
「まもちゃんの青い星を見つめて月もブルーに染まっちゃったんだよ。もちろん色は変わってないけど、そういう意味だったら私は嬉しいな」
「うさ」
嬉しさを隠せずにマントで覆うように抱き締めると、彼女はくすくす笑う。
「ん?」
「だってほら、二人だけで夜の中にいるみたい。今日のお月様と地球と同じ」
「ほんとだ」
腕の中の月を愛でるようにその額に口付ける。
見上げる満月は、俺のファントムの仮面をゆっくりと外す。
そして瞳をじっと見つめると、月明かりのようにそっと微笑んだ。
俺たち二人の瞳は同じ夜の色をしていた。
・いいおっぱいの日
まもうさ
「レポートお疲れ様まもちゃん」
「んーありがとなうさ。こっち来て?」
「うん!」
座っている衛を抱きしめるうさぎ。丁度胸の位置に彼の顔がある。
(あー生き返る‥‥)
その弾力を甘えたように擦り寄って堪能する衛を、赤ちゃんみたいで可愛いな♡と思ううさぎの胸に不埒な手が伸びていく
ゾイ亜美
「ねえ亜美こっち見なさいよ」
「無理。嫌」
闇の中二人は攻防を続けていた。ふにっとその胸を柔く掴んでそこに唇を寄せると、抗議とも喘ぎとも取れる声が漏れる。
「そこ、嫌。私の小さいから、触っても面白くないでしょう?」
「バカね」
亜美のここ、可愛いよ
甘い声が耳に注がれた。
ジェダレイ
境内を掃除する二人は、落ち葉を集めていた。
竹箒ではく瑛二は不意にちりとりを持つレイの胸元に目がいく。
襦袢から緩く覗くその谷間は見下ろさなければ姿を現さない神秘のvalley。昨夜の褥を思い出しそうになるが。
「変なこと考えてないで手を動かして下さる?」
「へぁ!?はいっ!」
ネフまこ
体のラインが出やすい薄手のニットを着ているまことに道行く男達の視線が胸元に注がれる。それに気付く晃は自分のパーカーを着せると訳が分からない彼女の肩を抱き寄せて歩いた。
「別に寒くないよ?」
黙ってろと返す晃の目は鋭い
「今俺、自分の女のおっぱい死守する任務に就いてるから」
クン美奈
「あんたの胸って鍛えてんの?体育会系でもないのに厚いわよね。腹筋も割れてるし」
添い寝してぺしぺし叩く美奈子にやめろと手首を掴む賢人は趣味のジム通いを打ち明ける事も無く美奈子こそ、と話し始めた
「何を食べたらそんなにいい乳になる」
大真面目に触って確かめる恋人に頭が噴火した
・ポッキーゲームは終わらない(クン美奈)
「やるわよ!」
大型ポッキーを二刀流のように振り乱す美奈子のテンションに不敵に笑う賢人。
「いいだろう」
彼は八本のポッキーを華麗に指の間にそれぞれ挟んで構えると、互いにフローリングを蹴り上げてポッキー格闘戦は開始した。
美奈子めがけて投げられかわされ床や壁に突き刺さるポッキー。
賢人の頬を掠める美奈子の巨大ポッキー。目にも留まらぬ早さで繰り広げられる死闘を前に、食べ物を粗末にするなよと白猫は呟き欠伸した。
「食ったな?俺の勝ちだ」
「まだまだぁ!」
バリボリ食べてから再び勝負にかかる美奈子。
二人のポッキーゲームは終わらない
・ヴィーナス視点(前世)
ぼんやりしたプリンセスに声を掛けようとしてハッとなる。その掌の中には小さな花の指輪があったから
プリンセスを苦しめるなんて許せない。私たちが見た事も無い表情はとても綺麗だった
「王子なんて嫌いよ」
そう言ってくれるな
哀しげなあいつの声が聴こえた気がして逃げるようにその場を後にした。
・ハロウィンネフまこ
「trick or treat?」(黒猫コス)
「あ、悪戯でお願いします(真顔)」
「え?!」
「だからな、お菓子はない!という訳で悪戯していいぜ!まこと!」
オープンすけべなネフに思わずカウンターパンチくらわす
「いででっ俺はもっと色気のある悪戯を「まだ言うかぁ!」「ぎゃあぁ」
・某雑誌裏表紙のアレ
結構手強かったよね今日の敵
そう言って笑ううさぎに仮面を外した衛は微笑む。黒衣の戦士の姿のままで寛いだ様子にうさぎの心臓はトクトク早鐘を打ち始めた。
こっちにおいで?
うさぎは言われるままに彼の腕の中に収まる。
うさ
吸い込まれそうな瞳に身動きできなくなる。
何?
俺のタイ外して
?!
・同上Part 2
まもちゃんがタキシード仮面の姿で部屋にいるのってちょっと不思議な感じ。ゆったりと寛いで私に微笑みかける恋人にドキドキして変身解除のタイミングを逃してしまった。「どうした?うさ。顔赤いぞ?」「そ、そんな事ないもん!」仮面を外して更に笑みを深くした彼は私の頬をスッと撫でてキスされる。
甘い口付けに心を溶かされてしまって、へたりと力が抜けてしまう。気付いた時には背中に手を回されてゆっくりとフローリングに押し倒されている状況で。顔に熱が一気に集まった。
「セーラームーン」
ずるい。そんな風に恋人を見つめる眼差しなのにその姿で戦士の名で呼ぶなんて。彼の首に腕を回した。
・ある日のクンヴィ
ヴィーナスの頭に付いた紅葉🍁をクンツァイトが取ってそのまま渡される。無言で受け取りそっぽを向く。
それを自室に持ち帰り、宝石を貰うよりも嬉しくてマーズに呼びかけられるまで眺めているヴィーナス。
・花粉症とまもうさ四四妄想
なんとなく晃は花粉症っぽい。
うちのネフさんは植物関係の仕事につく設定だけど、花粉症を克服するために敢えて植物にも関わっていくスタイル。
この時期まことが差し入れとかに行くとゴーグルと二重マスク付けて外でめっちゃ働いてる晃がいて本格的に良い医者とか薬とか探そうと決意するまこちゃん
賢人は何も感じない。花粉センサーなし。
要は目が痒くなるタイプ。ここぞとばかりに膝枕で亜美ちゃんに目薬さしてもらうとするも照れて断られてムキーってなる。
瑛二は小さい頃から10年ほど悩まされていたが転生後は免疫ができ、自慢する為晃と要にこの時期ばかりは疎まれる。
まもうさは花粉とかない。ロイヤルバリアに守られている。
美奈子は私も風邪ひくのね!と思ったら花粉発症してて、賢人に珍しく声を上げて笑われる。1週間口きかなかった。
亜美は花粉症状なし。目が赤い要さんが可哀想になり、母親に瞬時に相談した。
まことも症状なし。重度な彼氏に花粉にいい食事とか薬とか色々見つけてくる。(良妻)
レイは少しくしゃみが出る程度。でも境内でしようものならたとえ遠くに居ても聞きつけて瑛二がすっ飛んでくるから困っている。
・四四バレンタイン
今年は日曜日だからゆっくり会えると思ったのに「その日は午前と午後で模試の梯子をします」という模試バカ一代な返答を貰い現状一人虚しく古い洋画をうとうと観ていた。目が覚めるとココアの香り。「甘さ控えめに作りました。飲みます?」「飲むわよ!…にっが!」「チョコもあります」「先に言え」
俺はレイにチョコが貰えるなら死んでもいい。いや死ねない生きねば!!
しかしマスクをした彼女が咳をして待っていた。「レイ?!帰ろう」挨拶するより先に彼女の身を案じて肩を抱く。「私の折角の努力を貴方が無駄にするつもり?」「チョコよりレイが大事だか「あらいらないの?」「いります!」
今日は俺の実家に来ていた。三人の弟妹でまことを手伝いながらチョコケーキを作っている。俺はと言えば「兄ちゃん邪魔」「そこにいたらお姉ちゃん手伝えないでしょ」と容赦ない言葉が飛び交いキッチンを追いやられてしまったけど、その輪の中で心底楽しそうに笑う恋人を見るのも悪くねえなって思うんだ
「今年はバレンタインはナシ!」美奈子は顔の前で大きなバッテンを作った。何故だと聞くと味見をさせた両親が三日ほど寝込み小遣いもなく碌なチョコも買えなかったそうだ。「そんな事だろうと思って俺が買っておいた」「何それダメでしょ!」「ほら食え美味いぞ」「…ごめん、うっわホントおいしい!」
・カレンダーまもうさ
1月 和装まもうさ
2月 チョコレートと衛
3月 ひな祭り親子
4月 夜桜キング
5月 子まもちゃんと鯉のぼり
6月 ウエディングまもうさ
7月 海水浴まもうさ四四
8月 ケーキと衛
9月 衛四天王スーツでイケメンズ
10月 エンセレ紅葉デート
11月 華麗なるタキシード仮面
12月 プレゼントを持って微笑む衛
1月
「まもちゃん、どうしよう帯が、帯が……」
ピンクの晴れ着で初詣に現れたうさぎは息を苦しそうに上げながら胸元を抑えていた。着付けできつく巻きすぎた帯が圧迫している様で、和装の衛は慌てて彼女に手を貸した。「大丈夫か?着付けし直してやるよ」「まもちゃん、できるの?」「本で読んだ」
2月
「そのチョコはうさぎさんからか?」
賢人がリボンの付いた小さな紙袋を持っている衛に声を掛けた
「来る時に貰ったんだ」
「衛の彼女は可愛らしいな」
影を作って微笑する賢人に色々と思いが巡ったが構わずに包みを開けた
中には大きなハートのチョコに、
『LAVE』の字
後ろで賢人が盛大に吹いた
3月
娘8ヶ月の初節句。
「スモール・レディ!ほら、パパの方を見てごらん!」
「雛人形さんと一緒に撮ってもらうわよ、あー!ひしもちはナイナイしましょうねー!」
「可愛いなースモールレディ笑ってー!」
「ふえええ」
泣き出す娘に脱力する二人。結局お気に入りの菱餅を持たせて一緒に撮るのだった
4月
満開の時期はすぐに過ぎてしまう。クリスタルトーキョーは発達した栄華を極めていたが、四季は大切にしていた。今年も明るい時間は公務で忙しくて花見はできそうもなくクイーンは内心ガッカリしていた。「セレニティ、おいで」夜に手招きされてキングと中庭に出るとライトアップされた桜の木が幻想的に花を揺らす。プレゼント、そう悪戯っぽく言う夫にクイーンも笑顔が咲いた。
5月
「わー!すごいねえ!」
沢山の鯉のぼりが泳ぐ場所に両親に連れて来られた幼い日の衛。車から見えてそう言って感嘆を上げていたのだが。いざ近くから見るとその大きさと多さに怖くなり泣き出してしまう。「ごめんごめん、衛、ほらこれなら大丈夫」母親の手には手作りの小さな鯉のぼり。
これからもその手に小さくても温かい幸せを沢山掴んでほしいな、と父親も優しく語りかけた。「うん!でも僕、大きい鯉のぼりもへっちゃらな大人になって、そしたらずーっとパパとママを守るからね!」両親に向ける笑顔はキラキラと輝いていて、2人も目尻を下げて頭を撫でる。
「頼もしいな」「楽しみね」
※4、5月は書き下ろしました。
・君が好きで、嘘をついた
うさこの事が好きだ
俺にはこの子しかいないって、そう思った
初めてだったんだ
俺の人生でそう思える女の子は君が初めてだったのに
ずっと一緒にいたい…そんなささやかな願いを粉々に打ち砕く夢を見た
「愛情がなくなったんだ」
好きだよ
好きだ
うさこだけが好きなのに
好きだから
嘘をついた
・深夜2時
夜中、寝相でベッドの端にいるうさぎ。横にいなくて寝ぼけながらペシペシその辺のシーツ触って眉間に皺が寄る衛。むくりと起きて寝ぼけ眼でうさぎの位置を確認すると、「うさ、こっちだよ」とむにゃむにゃ言いながら抱き寄せて安心したように寝直す。「まーもちゃ…」と幸せそうに寝言をこぼすうさぎ。
・午前7時
寝起きが悪いうさぎ。衛が布団を剥がそうとするとそれを掴んでいたうさぎも一緒にゴロゴロしてまだ寝ている。「コラうさ起きろ」肩を揺さぶると、「チューしてくれたら起きるもーん」と返す。起きてるじゃないか…と呆れ逡巡する衛は薄目を開けている恋人に、「起きたらチューする」「はい起きたー!」
・ひねくれた告白
一の橋公園のベンチに衛がいるのを見つけ、クレープを片手にしたうさぎが大声を上げる。
「全くよく会うな、お団子頭」
「そこは私の特等席なの!」
「俺だってここは読書に最適な場所で気に入ってるんだ」
「ガリ勉!」「食いしん坊」
怒るうさぎに苦笑する衛
「お前みたいな奴は、俺の隣に座っとけ」
「ブルームーンっていうんだね、今日の満月」
パーラークラウンで仲間たちとハロウィンパーティーをした帰り道、うさが空を見上げて言った。よく知ってるなと感心すると、さっきせつなさんに聞いたのと舌を出して笑う。その悪戯っぽい仕草が魔女のコスチュームに合っていて、オペラ座の怪人の姿の俺はクリスチーヌと同じ様に思わず彼女を拐いたくなった
「まもちゃんとお揃い」
月に視線を戻したうさは眩しそうに目を細めて溢した呟きは俺のどうしようもない思考を止めた。そして抱きつかれ静かに話し続ける彼女に心音が速くなる。
「まもちゃんの青い星を見つめて月もブルーに染まっちゃったんだよ。もちろん色は変わってないけど、そういう意味だったら私は嬉しいな」
「うさ」
嬉しさを隠せずにマントで覆うように抱き締めると、彼女はくすくす笑う。
「ん?」
「だってほら、二人だけで夜の中にいるみたい。今日のお月様と地球と同じ」
「ほんとだ」
腕の中の月を愛でるようにその額に口付ける。
見上げる満月は、俺のファントムの仮面をゆっくりと外す。
そして瞳をじっと見つめると、月明かりのようにそっと微笑んだ。
俺たち二人の瞳は同じ夜の色をしていた。
・いいおっぱいの日
まもうさ
「レポートお疲れ様まもちゃん」
「んーありがとなうさ。こっち来て?」
「うん!」
座っている衛を抱きしめるうさぎ。丁度胸の位置に彼の顔がある。
(あー生き返る‥‥)
その弾力を甘えたように擦り寄って堪能する衛を、赤ちゃんみたいで可愛いな♡と思ううさぎの胸に不埒な手が伸びていく
ゾイ亜美
「ねえ亜美こっち見なさいよ」
「無理。嫌」
闇の中二人は攻防を続けていた。ふにっとその胸を柔く掴んでそこに唇を寄せると、抗議とも喘ぎとも取れる声が漏れる。
「そこ、嫌。私の小さいから、触っても面白くないでしょう?」
「バカね」
亜美のここ、可愛いよ
甘い声が耳に注がれた。
ジェダレイ
境内を掃除する二人は、落ち葉を集めていた。
竹箒ではく瑛二は不意にちりとりを持つレイの胸元に目がいく。
襦袢から緩く覗くその谷間は見下ろさなければ姿を現さない神秘のvalley。昨夜の褥を思い出しそうになるが。
「変なこと考えてないで手を動かして下さる?」
「へぁ!?はいっ!」
ネフまこ
体のラインが出やすい薄手のニットを着ているまことに道行く男達の視線が胸元に注がれる。それに気付く晃は自分のパーカーを着せると訳が分からない彼女の肩を抱き寄せて歩いた。
「別に寒くないよ?」
黙ってろと返す晃の目は鋭い
「今俺、自分の女のおっぱい死守する任務に就いてるから」
クン美奈
「あんたの胸って鍛えてんの?体育会系でもないのに厚いわよね。腹筋も割れてるし」
添い寝してぺしぺし叩く美奈子にやめろと手首を掴む賢人は趣味のジム通いを打ち明ける事も無く美奈子こそ、と話し始めた
「何を食べたらそんなにいい乳になる」
大真面目に触って確かめる恋人に頭が噴火した
・ポッキーゲームは終わらない(クン美奈)
「やるわよ!」
大型ポッキーを二刀流のように振り乱す美奈子のテンションに不敵に笑う賢人。
「いいだろう」
彼は八本のポッキーを華麗に指の間にそれぞれ挟んで構えると、互いにフローリングを蹴り上げてポッキー格闘戦は開始した。
美奈子めがけて投げられかわされ床や壁に突き刺さるポッキー。
賢人の頬を掠める美奈子の巨大ポッキー。目にも留まらぬ早さで繰り広げられる死闘を前に、食べ物を粗末にするなよと白猫は呟き欠伸した。
「食ったな?俺の勝ちだ」
「まだまだぁ!」
バリボリ食べてから再び勝負にかかる美奈子。
二人のポッキーゲームは終わらない
・ヴィーナス視点(前世)
ぼんやりしたプリンセスに声を掛けようとしてハッとなる。その掌の中には小さな花の指輪があったから
プリンセスを苦しめるなんて許せない。私たちが見た事も無い表情はとても綺麗だった
「王子なんて嫌いよ」
そう言ってくれるな
哀しげなあいつの声が聴こえた気がして逃げるようにその場を後にした。
・ハロウィンネフまこ
「trick or treat?」(黒猫コス)
「あ、悪戯でお願いします(真顔)」
「え?!」
「だからな、お菓子はない!という訳で悪戯していいぜ!まこと!」
オープンすけべなネフに思わずカウンターパンチくらわす
「いででっ俺はもっと色気のある悪戯を「まだ言うかぁ!」「ぎゃあぁ」
・某雑誌裏表紙のアレ
結構手強かったよね今日の敵
そう言って笑ううさぎに仮面を外した衛は微笑む。黒衣の戦士の姿のままで寛いだ様子にうさぎの心臓はトクトク早鐘を打ち始めた。
こっちにおいで?
うさぎは言われるままに彼の腕の中に収まる。
うさ
吸い込まれそうな瞳に身動きできなくなる。
何?
俺のタイ外して
?!
・同上Part 2
まもちゃんがタキシード仮面の姿で部屋にいるのってちょっと不思議な感じ。ゆったりと寛いで私に微笑みかける恋人にドキドキして変身解除のタイミングを逃してしまった。「どうした?うさ。顔赤いぞ?」「そ、そんな事ないもん!」仮面を外して更に笑みを深くした彼は私の頬をスッと撫でてキスされる。
甘い口付けに心を溶かされてしまって、へたりと力が抜けてしまう。気付いた時には背中に手を回されてゆっくりとフローリングに押し倒されている状況で。顔に熱が一気に集まった。
「セーラームーン」
ずるい。そんな風に恋人を見つめる眼差しなのにその姿で戦士の名で呼ぶなんて。彼の首に腕を回した。
・ある日のクンヴィ
ヴィーナスの頭に付いた紅葉🍁をクンツァイトが取ってそのまま渡される。無言で受け取りそっぽを向く。
それを自室に持ち帰り、宝石を貰うよりも嬉しくてマーズに呼びかけられるまで眺めているヴィーナス。
・花粉症とまもうさ四四妄想
なんとなく晃は花粉症っぽい。
うちのネフさんは植物関係の仕事につく設定だけど、花粉症を克服するために敢えて植物にも関わっていくスタイル。
この時期まことが差し入れとかに行くとゴーグルと二重マスク付けて外でめっちゃ働いてる晃がいて本格的に良い医者とか薬とか探そうと決意するまこちゃん
賢人は何も感じない。花粉センサーなし。
要は目が痒くなるタイプ。ここぞとばかりに膝枕で亜美ちゃんに目薬さしてもらうとするも照れて断られてムキーってなる。
瑛二は小さい頃から10年ほど悩まされていたが転生後は免疫ができ、自慢する為晃と要にこの時期ばかりは疎まれる。
まもうさは花粉とかない。ロイヤルバリアに守られている。
美奈子は私も風邪ひくのね!と思ったら花粉発症してて、賢人に珍しく声を上げて笑われる。1週間口きかなかった。
亜美は花粉症状なし。目が赤い要さんが可哀想になり、母親に瞬時に相談した。
まことも症状なし。重度な彼氏に花粉にいい食事とか薬とか色々見つけてくる。(良妻)
レイは少しくしゃみが出る程度。でも境内でしようものならたとえ遠くに居ても聞きつけて瑛二がすっ飛んでくるから困っている。
・四四バレンタイン
今年は日曜日だからゆっくり会えると思ったのに「その日は午前と午後で模試の梯子をします」という模試バカ一代な返答を貰い現状一人虚しく古い洋画をうとうと観ていた。目が覚めるとココアの香り。「甘さ控えめに作りました。飲みます?」「飲むわよ!…にっが!」「チョコもあります」「先に言え」
俺はレイにチョコが貰えるなら死んでもいい。いや死ねない生きねば!!
しかしマスクをした彼女が咳をして待っていた。「レイ?!帰ろう」挨拶するより先に彼女の身を案じて肩を抱く。「私の折角の努力を貴方が無駄にするつもり?」「チョコよりレイが大事だか「あらいらないの?」「いります!」
今日は俺の実家に来ていた。三人の弟妹でまことを手伝いながらチョコケーキを作っている。俺はと言えば「兄ちゃん邪魔」「そこにいたらお姉ちゃん手伝えないでしょ」と容赦ない言葉が飛び交いキッチンを追いやられてしまったけど、その輪の中で心底楽しそうに笑う恋人を見るのも悪くねえなって思うんだ
「今年はバレンタインはナシ!」美奈子は顔の前で大きなバッテンを作った。何故だと聞くと味見をさせた両親が三日ほど寝込み小遣いもなく碌なチョコも買えなかったそうだ。「そんな事だろうと思って俺が買っておいた」「何それダメでしょ!」「ほら食え美味いぞ」「…ごめん、うっわホントおいしい!」
・カレンダーまもうさ
1月 和装まもうさ
2月 チョコレートと衛
3月 ひな祭り親子
4月 夜桜キング
5月 子まもちゃんと鯉のぼり
6月 ウエディングまもうさ
7月 海水浴まもうさ四四
8月 ケーキと衛
9月 衛四天王スーツでイケメンズ
10月 エンセレ紅葉デート
11月 華麗なるタキシード仮面
12月 プレゼントを持って微笑む衛
1月
「まもちゃん、どうしよう帯が、帯が……」
ピンクの晴れ着で初詣に現れたうさぎは息を苦しそうに上げながら胸元を抑えていた。着付けできつく巻きすぎた帯が圧迫している様で、和装の衛は慌てて彼女に手を貸した。「大丈夫か?着付けし直してやるよ」「まもちゃん、できるの?」「本で読んだ」
2月
「そのチョコはうさぎさんからか?」
賢人がリボンの付いた小さな紙袋を持っている衛に声を掛けた
「来る時に貰ったんだ」
「衛の彼女は可愛らしいな」
影を作って微笑する賢人に色々と思いが巡ったが構わずに包みを開けた
中には大きなハートのチョコに、
『LAVE』の字
後ろで賢人が盛大に吹いた
3月
娘8ヶ月の初節句。
「スモール・レディ!ほら、パパの方を見てごらん!」
「雛人形さんと一緒に撮ってもらうわよ、あー!ひしもちはナイナイしましょうねー!」
「可愛いなースモールレディ笑ってー!」
「ふえええ」
泣き出す娘に脱力する二人。結局お気に入りの菱餅を持たせて一緒に撮るのだった
4月
満開の時期はすぐに過ぎてしまう。クリスタルトーキョーは発達した栄華を極めていたが、四季は大切にしていた。今年も明るい時間は公務で忙しくて花見はできそうもなくクイーンは内心ガッカリしていた。「セレニティ、おいで」夜に手招きされてキングと中庭に出るとライトアップされた桜の木が幻想的に花を揺らす。プレゼント、そう悪戯っぽく言う夫にクイーンも笑顔が咲いた。
5月
「わー!すごいねえ!」
沢山の鯉のぼりが泳ぐ場所に両親に連れて来られた幼い日の衛。車から見えてそう言って感嘆を上げていたのだが。いざ近くから見るとその大きさと多さに怖くなり泣き出してしまう。「ごめんごめん、衛、ほらこれなら大丈夫」母親の手には手作りの小さな鯉のぼり。
これからもその手に小さくても温かい幸せを沢山掴んでほしいな、と父親も優しく語りかけた。「うん!でも僕、大きい鯉のぼりもへっちゃらな大人になって、そしたらずーっとパパとママを守るからね!」両親に向ける笑顔はキラキラと輝いていて、2人も目尻を下げて頭を撫でる。
「頼もしいな」「楽しみね」
※4、5月は書き下ろしました。
・君が好きで、嘘をついた
うさこの事が好きだ
俺にはこの子しかいないって、そう思った
初めてだったんだ
俺の人生でそう思える女の子は君が初めてだったのに
ずっと一緒にいたい…そんなささやかな願いを粉々に打ち砕く夢を見た
「愛情がなくなったんだ」
好きだよ
好きだ
うさこだけが好きなのに
好きだから
嘘をついた
・深夜2時
夜中、寝相でベッドの端にいるうさぎ。横にいなくて寝ぼけながらペシペシその辺のシーツ触って眉間に皺が寄る衛。むくりと起きて寝ぼけ眼でうさぎの位置を確認すると、「うさ、こっちだよ」とむにゃむにゃ言いながら抱き寄せて安心したように寝直す。「まーもちゃ…」と幸せそうに寝言をこぼすうさぎ。
・午前7時
寝起きが悪いうさぎ。衛が布団を剥がそうとするとそれを掴んでいたうさぎも一緒にゴロゴロしてまだ寝ている。「コラうさ起きろ」肩を揺さぶると、「チューしてくれたら起きるもーん」と返す。起きてるじゃないか…と呆れ逡巡する衛は薄目を開けている恋人に、「起きたらチューする」「はい起きたー!」
・ひねくれた告白
一の橋公園のベンチに衛がいるのを見つけ、クレープを片手にしたうさぎが大声を上げる。
「全くよく会うな、お団子頭」
「そこは私の特等席なの!」
「俺だってここは読書に最適な場所で気に入ってるんだ」
「ガリ勉!」「食いしん坊」
怒るうさぎに苦笑する衛
「お前みたいな奴は、俺の隣に座っとけ」