うさ誕まとめ
present
※エンセレ
『俺たちは生きる時の速さが違い過ぎる…』
俺は、セレニティを想ってかつてネフライトに零した言葉を思い出していた。
夏の大樹の木漏れ日の中で交わした王子と臣下でなく友人同士として、想いを吐露したあの時のことを。
誕生日は特別な日だと思う。その人がこの世に生れ落ちて大切な人たちに祝福され、一年で最もその人が幸せに包まれる日。
それを素直に祝福し喜んであげられなかった自分が、辛かった。
一番大切で愛する人であったのに…
あの時の言葉は俺自身の誕生日のことであったが、セレニティのその日に対してもどうしてもその思いは拭えなくて贈り物を渡したときも愛らしく微笑む彼女を前にして心の奥底では切ないものでかき乱されていた。
一緒に年を重ねて、老いても共に祝える関係になれない自分たち。
他国の王族同士でなかったなら。同じ星で、ただの男と女として出会えていたなら…
『おめでとう』
『ありがとう!エンディミオン。私、ずっとずっと大切にするわ…!』
ムーンストーンとパールであしらったネックレスを首に付けてあげると笑顔でそう言ってくれるセレニティに無邪気に抱き着かれてせき止めていた思いがあふれ出す。
本当は、俺自身全てを君に捧げたい。
この身も、心も、魂も。全て。
そんな風に思える人に出会ってしまって、この先にある定められた別れを呪いたくはない。
だから
涙と切なさを隠して
口づけを交わして
体を重ねて
行き場のないこの魂を
どうかこのひとときだけは
愛だけがあるその場所で休ませて。
※まもうさ
「うさ」
「んー…あと五分…」
寝ぼけてそう返事する恋人に苦笑する。
「朝じゃないよ。まだ真夜中だ。」
「もー…まもちゃんのスケベさん。」
えへへーと笑いながらこれまた寝ぼけて言う恋人は寝返りを打って向こうを向いてしまう。
もうさっき何度もしたから俺だってそこまでがっついたりしない。
ため息をつきながらそんなことを思って肩を揺すって耳元に顔を近づける。
「うさ、今だけ起きろよ。」
おそらく彼女が一番弱いであろう声でわざと囁くと、面白いほどびくっと肩を動かしてぐるんと体をこちらに向けた。真っ赤だ。だから駄目だろその顔は。
「な、なに!?」
間に合ったか…
昂りそうなものをものを押し込めて、ベッドサイドに置かれたデジタル時計をちらりと見て胸をなでおろす。
そして彼女を抱き寄せ額と額を付け合うと心からの祝福を込めて言葉を贈った。
「うさ、20歳の誕生日おめでとう。」
「…!まもちゃん…!ありがとう…!!」
キラキラ輝くその表情。その宝物のような笑顔。まるで俺の方が贈り物を貰ってるみたいだ。
「うん。俺こそ…ありがとう。」
「…え?」
14歳のころの君と出会ってここまで一緒に歩んでこられた。
中学生の君も、高校生の君も、二十歳 の君も。こうしてそばで見守り祝えることが本当に嬉しいから。
ありがとう
「ねえまもちゃん?今日はずっと一緒にいてくれる…?」
歳を重ねるごとに大人びた雰囲気や表情が増えてきたと思うが、こういう時のうさの顔はいつも一緒だ。
可愛くて、離したくなくなる。甘えん坊の愛しい恋人。
「もちろん。」
今日だけじゃない
ずっと一緒にいるよ
胸が焦げそうな想いと共に、うさがまた一つ大人になったその日初めてのキスを贈った。
もう涙は、零れない。
おわり
※エンセレ
『俺たちは生きる時の速さが違い過ぎる…』
俺は、セレニティを想ってかつてネフライトに零した言葉を思い出していた。
夏の大樹の木漏れ日の中で交わした王子と臣下でなく友人同士として、想いを吐露したあの時のことを。
誕生日は特別な日だと思う。その人がこの世に生れ落ちて大切な人たちに祝福され、一年で最もその人が幸せに包まれる日。
それを素直に祝福し喜んであげられなかった自分が、辛かった。
一番大切で愛する人であったのに…
あの時の言葉は俺自身の誕生日のことであったが、セレニティのその日に対してもどうしてもその思いは拭えなくて贈り物を渡したときも愛らしく微笑む彼女を前にして心の奥底では切ないものでかき乱されていた。
一緒に年を重ねて、老いても共に祝える関係になれない自分たち。
他国の王族同士でなかったなら。同じ星で、ただの男と女として出会えていたなら…
『おめでとう』
『ありがとう!エンディミオン。私、ずっとずっと大切にするわ…!』
ムーンストーンとパールであしらったネックレスを首に付けてあげると笑顔でそう言ってくれるセレニティに無邪気に抱き着かれてせき止めていた思いがあふれ出す。
本当は、俺自身全てを君に捧げたい。
この身も、心も、魂も。全て。
そんな風に思える人に出会ってしまって、この先にある定められた別れを呪いたくはない。
だから
涙と切なさを隠して
口づけを交わして
体を重ねて
行き場のないこの魂を
どうかこのひとときだけは
愛だけがあるその場所で休ませて。
※まもうさ
「うさ」
「んー…あと五分…」
寝ぼけてそう返事する恋人に苦笑する。
「朝じゃないよ。まだ真夜中だ。」
「もー…まもちゃんのスケベさん。」
えへへーと笑いながらこれまた寝ぼけて言う恋人は寝返りを打って向こうを向いてしまう。
もうさっき何度もしたから俺だってそこまでがっついたりしない。
ため息をつきながらそんなことを思って肩を揺すって耳元に顔を近づける。
「うさ、今だけ起きろよ。」
おそらく彼女が一番弱いであろう声でわざと囁くと、面白いほどびくっと肩を動かしてぐるんと体をこちらに向けた。真っ赤だ。だから駄目だろその顔は。
「な、なに!?」
間に合ったか…
昂りそうなものをものを押し込めて、ベッドサイドに置かれたデジタル時計をちらりと見て胸をなでおろす。
そして彼女を抱き寄せ額と額を付け合うと心からの祝福を込めて言葉を贈った。
「うさ、20歳の誕生日おめでとう。」
「…!まもちゃん…!ありがとう…!!」
キラキラ輝くその表情。その宝物のような笑顔。まるで俺の方が贈り物を貰ってるみたいだ。
「うん。俺こそ…ありがとう。」
「…え?」
14歳のころの君と出会ってここまで一緒に歩んでこられた。
中学生の君も、高校生の君も、
ありがとう
「ねえまもちゃん?今日はずっと一緒にいてくれる…?」
歳を重ねるごとに大人びた雰囲気や表情が増えてきたと思うが、こういう時のうさの顔はいつも一緒だ。
可愛くて、離したくなくなる。甘えん坊の愛しい恋人。
「もちろん。」
今日だけじゃない
ずっと一緒にいるよ
胸が焦げそうな想いと共に、うさがまた一つ大人になったその日初めてのキスを贈った。
もう涙は、零れない。
おわり
