うさ誕まとめ
遠距離Kiss
※原作再度衛が留学した後設定
「うさ」
まるで隣にいるかのように聞こえる彼の声。
「まもちゃん?」
こんな時間に電話を掛けてくるなんて珍しい。
「うさ、誕生日おめでとう」
あ…
ダメだよ…
会いたくなっちゃうじゃん
日付がその日を丁度伝えていて、時差もあるのにその日をこうしてこの時間に祝ってくれる彼の思いに胸が締め付けられるみたいに痛く、熱くなる。
「うさ……うさ?」
優しいその声。ずっと聞いていたくて。でも本当は抱き締めてキスして欲しくて。泣き声でしか返せない弱い自分が情けない。
一つ歳を重ねても、どうして私はいつまでも泣き虫で甘えん坊で子供っぽいのかな。
「ごめん。」
「…っまもちゃ…」
違うの。まもちゃんは悪くないんだよ。いつまでも大人になれない弱い私が悪いの。
伝えたいのに。泣き止むことが出来なくて、うまく言葉にならない。
いつも電話をしても、寂しい、会いたいって泣きたくなることが何度もあった。「じゃあ、そろそろ」ってまもちゃんが言ってその日の会話の終わりを告げる度に、「まだだめ」「やだ、切らないで」「ずっとずっと…話していたいよ」って…言いたくて。
でも。言わなかった。「うん!ばいばい。また明日!」と明るくお返事してた。
遠く離れたアメリカで毎日一人で頑張ってるまもちゃんを困らせたくなかった。泣いたりしたら、絶対困らせてしまう。だって、まもちゃんは優しいから。
だからいつも明るく笑顔で今日あったことをできるだけ楽しく伝えていたの。
けれど。
付き合い始めてから誕生日のその日にいつも言ってくれていたその言葉を電話越しに聞いてしまったら。
毎回気にしないようにしていた私と彼との大きく離れたキョリを容赦なく告げてきて。
そう思ったらもう、止まらなかったの。
「だけど、嬉しい。」
「え…?」
予想していなかった彼からの言葉に、涙の海で溺れそうになっていた顔を上げる。本当に溺れてしまったみたいにまだ鼻の奥が苦しい。でも私は必死に彼の言葉を追った。
「ごめんな、毎年この日を祝うときは笑ってくれることが嬉しかったのに。今年はそうやって泣いてくれて…嬉しいんだ。」
「ま、もちゃん…?」
「我慢してただろ?無理…してただろ。」
あ…ばれ、てた…の?
「ど…して。」
「うさは嘘付くのが下手だからな。」
優しい声。
「…っ」
「でも、気付いてて黙ってたのは、うさが俺のことを思ってそうしてくれているのが分かってたから。
でもな、分かってはいたけど…寂しかった。」
「え?」
「平気だよ。私は大丈夫。ばいばい、勉強頑張って。
そう言ってくれるお前が健気で、愛おしいと思うのに、それと同時に、うさは本当に寂しくないのか。俺と一緒にいられなくてもって。寂しいのは俺だけなのかって。」
馬鹿だろ?と、ははっと笑いながら言う彼に目頭が熱くなる。
「留学にこっちきたのは俺なのに、そんなこと考えるなんて…本当に勝手だよな。だから今まで黙ってた。」
まもちゃん…
まもちゃん
まもちゃん…っ
「だいすきっだよぉ…っあい、たい…っ
あいたいよぉ…っ」
まるで本当に子供みたいに抑えていた感情と涙が溢れ出て。止まらない。好きが、止まらない。
「うん。俺も、会いたいよ。」
「まもちゃあんっ」
「うさ、来年からはずっと一緒に祝おうな。」
「…うん…っ」
「うさ、愛してる。」
「…うん…っ!…あ…」
「何?」
「今、キスしてくれた。キス…してくれたでしょ?」
何で?こんなにたくさんの距離が私達を隔てているのにそんなことを思ってしまう不思議。でも。今、キスしてくれたときみたいに胸の中がふわりと甘くて温かくなったように感じたから…
「…ばれたか。」
「うんっ」
照れたように微笑んだ気配のする彼に、へへっと笑って答える。
「けど、これくらいで満足するなよ?」
「え?」
「帰ったらこんなんじゃ終わらないから。」
「ま、まもちゃん!?」
「だから、覚悟してろ」
!!
そんなことを甘く蕩けるような低い声で囁かれて。真っ赤になった顔の私はまた何も言えなくなってしまう。
でも。「って、何言ってんだ俺…」と独り言を零す彼もかなり慌てた様子。そんな彼に思わず顔が綻ぶ。
きっとまもちゃんも真っ赤なんだろうな。カワイイな。見たいな。
そう思ってきゅうっと胸がまた締め付けられるけど、さっきよりも寂しさは無くなってた。
本音を交わし合って。私もようやく呼吸がうまく出来るようになったみたいに、ずっとあった体の奥のもやもやが出ていった。
「うさ、誕生日おめでとう」
もう一度、今度はさっきよりももっともっと温かく響くその声に、私は本当の笑顔で大好きな彼に返事をしたの。
6月30日。
今年の今日も、大好きなあなたが特別な日にしてくれた。
おわり
※原作再度衛が留学した後設定
「うさ」
まるで隣にいるかのように聞こえる彼の声。
「まもちゃん?」
こんな時間に電話を掛けてくるなんて珍しい。
「うさ、誕生日おめでとう」
あ…
ダメだよ…
会いたくなっちゃうじゃん
日付がその日を丁度伝えていて、時差もあるのにその日をこうしてこの時間に祝ってくれる彼の思いに胸が締め付けられるみたいに痛く、熱くなる。
「うさ……うさ?」
優しいその声。ずっと聞いていたくて。でも本当は抱き締めてキスして欲しくて。泣き声でしか返せない弱い自分が情けない。
一つ歳を重ねても、どうして私はいつまでも泣き虫で甘えん坊で子供っぽいのかな。
「ごめん。」
「…っまもちゃ…」
違うの。まもちゃんは悪くないんだよ。いつまでも大人になれない弱い私が悪いの。
伝えたいのに。泣き止むことが出来なくて、うまく言葉にならない。
いつも電話をしても、寂しい、会いたいって泣きたくなることが何度もあった。「じゃあ、そろそろ」ってまもちゃんが言ってその日の会話の終わりを告げる度に、「まだだめ」「やだ、切らないで」「ずっとずっと…話していたいよ」って…言いたくて。
でも。言わなかった。「うん!ばいばい。また明日!」と明るくお返事してた。
遠く離れたアメリカで毎日一人で頑張ってるまもちゃんを困らせたくなかった。泣いたりしたら、絶対困らせてしまう。だって、まもちゃんは優しいから。
だからいつも明るく笑顔で今日あったことをできるだけ楽しく伝えていたの。
けれど。
付き合い始めてから誕生日のその日にいつも言ってくれていたその言葉を電話越しに聞いてしまったら。
毎回気にしないようにしていた私と彼との大きく離れたキョリを容赦なく告げてきて。
そう思ったらもう、止まらなかったの。
「だけど、嬉しい。」
「え…?」
予想していなかった彼からの言葉に、涙の海で溺れそうになっていた顔を上げる。本当に溺れてしまったみたいにまだ鼻の奥が苦しい。でも私は必死に彼の言葉を追った。
「ごめんな、毎年この日を祝うときは笑ってくれることが嬉しかったのに。今年はそうやって泣いてくれて…嬉しいんだ。」
「ま、もちゃん…?」
「我慢してただろ?無理…してただろ。」
あ…ばれ、てた…の?
「ど…して。」
「うさは嘘付くのが下手だからな。」
優しい声。
「…っ」
「でも、気付いてて黙ってたのは、うさが俺のことを思ってそうしてくれているのが分かってたから。
でもな、分かってはいたけど…寂しかった。」
「え?」
「平気だよ。私は大丈夫。ばいばい、勉強頑張って。
そう言ってくれるお前が健気で、愛おしいと思うのに、それと同時に、うさは本当に寂しくないのか。俺と一緒にいられなくてもって。寂しいのは俺だけなのかって。」
馬鹿だろ?と、ははっと笑いながら言う彼に目頭が熱くなる。
「留学にこっちきたのは俺なのに、そんなこと考えるなんて…本当に勝手だよな。だから今まで黙ってた。」
まもちゃん…
まもちゃん
まもちゃん…っ
「だいすきっだよぉ…っあい、たい…っ
あいたいよぉ…っ」
まるで本当に子供みたいに抑えていた感情と涙が溢れ出て。止まらない。好きが、止まらない。
「うん。俺も、会いたいよ。」
「まもちゃあんっ」
「うさ、来年からはずっと一緒に祝おうな。」
「…うん…っ」
「うさ、愛してる。」
「…うん…っ!…あ…」
「何?」
「今、キスしてくれた。キス…してくれたでしょ?」
何で?こんなにたくさんの距離が私達を隔てているのにそんなことを思ってしまう不思議。でも。今、キスしてくれたときみたいに胸の中がふわりと甘くて温かくなったように感じたから…
「…ばれたか。」
「うんっ」
照れたように微笑んだ気配のする彼に、へへっと笑って答える。
「けど、これくらいで満足するなよ?」
「え?」
「帰ったらこんなんじゃ終わらないから。」
「ま、まもちゃん!?」
「だから、覚悟してろ」
!!
そんなことを甘く蕩けるような低い声で囁かれて。真っ赤になった顔の私はまた何も言えなくなってしまう。
でも。「って、何言ってんだ俺…」と独り言を零す彼もかなり慌てた様子。そんな彼に思わず顔が綻ぶ。
きっとまもちゃんも真っ赤なんだろうな。カワイイな。見たいな。
そう思ってきゅうっと胸がまた締め付けられるけど、さっきよりも寂しさは無くなってた。
本音を交わし合って。私もようやく呼吸がうまく出来るようになったみたいに、ずっとあった体の奥のもやもやが出ていった。
「うさ、誕生日おめでとう」
もう一度、今度はさっきよりももっともっと温かく響くその声に、私は本当の笑顔で大好きな彼に返事をしたの。
6月30日。
今年の今日も、大好きなあなたが特別な日にしてくれた。
おわり
