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「ここなのか?あの人がいる場所って。」

「そうよ。」

 瑛二はレイの返答に息を呑んだ。しかしそんな彼の様子に躊躇することなく、彼女はその家のインターホンを押す。

「あなたも彼には会ってるって言ったでしょ?」

「え、ああ。」

「あなたが彼に会ったのはうさぎの、結婚式よ。」

「…!!」

 瑛二の記憶がフラッシュバックされる。結婚式。うさぎの結婚式で誰よりも号泣し、始終まともに顔を上げられていなかった人物が頭の中に蘇る。

 そこで玄関の扉が開かれて、パニックの渦中である瑛二の記憶とその人物が完全に一致した。

「やあいらっしゃいレイちゃん。今日は彼も一緒で。どうしたんだい?」

 出迎えた人物。それは、娘の結婚式で大号泣していたうさぎの父。月野謙之だった。

「こんにちはおじ様。突然連絡もせずに来てしまいすみません。あの、おじ様に少しだけお話したいことがありまして。今大丈夫でしょうか?」

「僕にかい?大丈夫、今日は仕事は休みなんだ。たまった有給を消化しなくちゃいけなくてね。それにうさぎの友達ならうちはいつでも歓迎するよ。」

「ありがとうございます。」

 レイの微笑みには、さっきの神社での不安そうな横顔の雰囲気は微塵も感じられず、瑛二も何とかそれに倣って平静な表情を保ちつつ挨拶すると月野家の門をくぐったのだった。


――――――


「みちる、何やら動きがあったらしいな。」

「そのようね、はるか。」

「篠塚涼介。26歳独身。西麻布署勤務刑事。前科はもちろん無し。素行も問題無し。頭脳、運動能力、判断力、刑事としての業績もノンキャリなのに若い中ではトップクラスよ。」

 黄色のスポーツカーに乗った彼女らは、せつなのパソコンでの特殊ツールのリサーチを頭にインプットさせながら眼光鋭く前を見た。

「もしそいつが犯人だとしたら…とんだ悪い子ね。」

「天誅は逃れられない運命。」

 みちるの言葉に続いてせつなの隣に座っていたほたるが静かに物々しい台詞を吐いた。

「あと、晃のバカにも説教決定だな。自分の畑の把握も出来ないとあっちゃ特殊部隊の名が泣くってね。」

「ふふっ…久し振りに海王丸たちの出番かしら。」

 海王丸とはみちるの専用ヘリコプターのことだった。はるかとせつなもそれぞれ天王丸と冥王丸を所持している。

「よし、派手に行こう。」

 はるかはアクセル全開にペダルを踏み込んだ。
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