べいびーぱにっく☆
「ど…どうしよ~まもちゃん!!」
衛の家では本当に赤ん坊になってしまったちびうさと、その相手をしているうさぎがいつも以上に部屋を騒がせていた。
衛はたった今買ってきた紙オムツと粉ミルク、哺乳瓶を抱えて、鳴り止まない大音量の泣き声に一瞬固まる。
とりあえず敵の術を解く方法を仲間たちが調べている間、二人が赤ん坊となったちびうさの世話を買って出たのだった。
しかしいざ赤ん坊を目の前にして、何をしていいやらさっぱり分からないうさぎは、衛が買い出しから帰ってくるまでぎこちなく抱っこをし続けていた。
「赤ちゃんでもちびうさだからお菓子とか食べれるかと思ったけど全然食べてくれないの~!」
「バカ!当たり前だろ。うさこはとりあえず落ち着け。今ミルク作ってくるから待ってろよ。」
衛はそう言ってキッチンに向かうが、うさぎは抱っこを代わって欲しいと泣き付いてくる。
「じゃあうさこがミルク作るか?」
「う…それは~」
「ほら、その顔。うさこが泣きそうな顔してると、ますますちびうさも泣いちまうぞ。すぐに作ってみるから、とりあえずもう少しだけあやして待っててくれ。」
「うん。頑張るよ…。」
「よし。待ってろよちびうさ。」
衛は笑顔でちびうさの頬を指で撫でる。
するとピタリと泣き声が止み、その指を小さな手でぎゅっと握った。
「もー!やっぱりまもちゃんの言うことは大人しく聞くんだから。」
その仕草が可愛いと思いながらも、うさぎは少しだけ面白く無さそうに軽く睨んで言った。
だけど衛の、どんな時でも冷静に対処できる行動力を頼もしくも思うのだった。
自分だけだったらきっとパニックになるだけで赤ん坊と共に泣いているだけだったかもしれない。
ちびうさは確かに未来の自分の子供ではあるけれど、今のうさぎはまだ中学生。
何とかしたいと思っていても母になったわけではない彼女にとってそれはまだ難しいことだった。
しかしそれは冷静な彼にとっても、初めてのことばかりであるのは変わりない。
粉ミルクの作り方の説明を真剣に読み、熱湯に「あちっ」と小さく声を上げながらも一生懸命作る衛の姿はやはりどこか微笑ましくて、うさぎは気付かれないように笑った。
なんだかまもちゃん、本当のパパみたい。
いずれこんな日が本当に来るのだろうか。
うさぎは微笑みながらふと思う。
実際ちびうさがいるのだから来ることは間違いないと分かってはいるのだが、今のうさぎにとってはまだまだ未来の話。
それでも赤ん坊と自分と大好きな彼が三人でいるこの空間はとても温かくて穏やかな気持ちになれるのだ。
うさぎが柔らかな表情をしているだろうか。抱かれるちびうさも泣かずに笑いながら彼女を見ていた。
「かわいい…」
思わず漏れたその言葉に、少し自分自身が恥ずかしくなって、聞かれてしまわなかったか衛を見た。
しかしそれはしっかりと聞かれていたようで、とても優しい瞳で微笑まれた。
「抱っこしてるのもなかなか様になってきたじゃないか。」
出来上がったミルクを持ってきて言う彼もまた心の中が穏やかさに包まれていた。
「ちびうさお待たせ。」
差し出すと、ちびうさはちょうだいちょうだいとするように両手を一生懸命伸ばしていた。
「わ~飲んでる飲んでる!よかったぁ~」
うさぎが抱くちびうさに衛はミルクをあげると、勢いよく美味しそうに飲みだしたのだった。
嬉しそうに飲んでいるちびうさを見て、うさぎは涙目でそう言って喜んだ。
「作り方は大体分かったから、あとでうさこにも教えるよ。」
「うん!私も覚えたい!」
「じゃあ予行練習だな。まあ、俺もだけど。やっぱり二人で子どもは育てたいし。」
「え!?」
「何?」
当然のように言われた言葉に顔を赤くする彼女に不思議そうな顔をする衛。
「う…ううん!」
当たり前のように自分との未来を考えてくれている衛にうさぎの胸の中は温かくなった。
そして遅れて自分の言葉に気恥ずかしさが襲った衛は背を向けて赤い顔をぽりぽりとかいていた。
衛の家では本当に赤ん坊になってしまったちびうさと、その相手をしているうさぎがいつも以上に部屋を騒がせていた。
衛はたった今買ってきた紙オムツと粉ミルク、哺乳瓶を抱えて、鳴り止まない大音量の泣き声に一瞬固まる。
とりあえず敵の術を解く方法を仲間たちが調べている間、二人が赤ん坊となったちびうさの世話を買って出たのだった。
しかしいざ赤ん坊を目の前にして、何をしていいやらさっぱり分からないうさぎは、衛が買い出しから帰ってくるまでぎこちなく抱っこをし続けていた。
「赤ちゃんでもちびうさだからお菓子とか食べれるかと思ったけど全然食べてくれないの~!」
「バカ!当たり前だろ。うさこはとりあえず落ち着け。今ミルク作ってくるから待ってろよ。」
衛はそう言ってキッチンに向かうが、うさぎは抱っこを代わって欲しいと泣き付いてくる。
「じゃあうさこがミルク作るか?」
「う…それは~」
「ほら、その顔。うさこが泣きそうな顔してると、ますますちびうさも泣いちまうぞ。すぐに作ってみるから、とりあえずもう少しだけあやして待っててくれ。」
「うん。頑張るよ…。」
「よし。待ってろよちびうさ。」
衛は笑顔でちびうさの頬を指で撫でる。
するとピタリと泣き声が止み、その指を小さな手でぎゅっと握った。
「もー!やっぱりまもちゃんの言うことは大人しく聞くんだから。」
その仕草が可愛いと思いながらも、うさぎは少しだけ面白く無さそうに軽く睨んで言った。
だけど衛の、どんな時でも冷静に対処できる行動力を頼もしくも思うのだった。
自分だけだったらきっとパニックになるだけで赤ん坊と共に泣いているだけだったかもしれない。
ちびうさは確かに未来の自分の子供ではあるけれど、今のうさぎはまだ中学生。
何とかしたいと思っていても母になったわけではない彼女にとってそれはまだ難しいことだった。
しかしそれは冷静な彼にとっても、初めてのことばかりであるのは変わりない。
粉ミルクの作り方の説明を真剣に読み、熱湯に「あちっ」と小さく声を上げながらも一生懸命作る衛の姿はやはりどこか微笑ましくて、うさぎは気付かれないように笑った。
なんだかまもちゃん、本当のパパみたい。
いずれこんな日が本当に来るのだろうか。
うさぎは微笑みながらふと思う。
実際ちびうさがいるのだから来ることは間違いないと分かってはいるのだが、今のうさぎにとってはまだまだ未来の話。
それでも赤ん坊と自分と大好きな彼が三人でいるこの空間はとても温かくて穏やかな気持ちになれるのだ。
うさぎが柔らかな表情をしているだろうか。抱かれるちびうさも泣かずに笑いながら彼女を見ていた。
「かわいい…」
思わず漏れたその言葉に、少し自分自身が恥ずかしくなって、聞かれてしまわなかったか衛を見た。
しかしそれはしっかりと聞かれていたようで、とても優しい瞳で微笑まれた。
「抱っこしてるのもなかなか様になってきたじゃないか。」
出来上がったミルクを持ってきて言う彼もまた心の中が穏やかさに包まれていた。
「ちびうさお待たせ。」
差し出すと、ちびうさはちょうだいちょうだいとするように両手を一生懸命伸ばしていた。
「わ~飲んでる飲んでる!よかったぁ~」
うさぎが抱くちびうさに衛はミルクをあげると、勢いよく美味しそうに飲みだしたのだった。
嬉しそうに飲んでいるちびうさを見て、うさぎは涙目でそう言って喜んだ。
「作り方は大体分かったから、あとでうさこにも教えるよ。」
「うん!私も覚えたい!」
「じゃあ予行練習だな。まあ、俺もだけど。やっぱり二人で子どもは育てたいし。」
「え!?」
「何?」
当然のように言われた言葉に顔を赤くする彼女に不思議そうな顔をする衛。
「う…ううん!」
当たり前のように自分との未来を考えてくれている衛にうさぎの胸の中は温かくなった。
そして遅れて自分の言葉に気恥ずかしさが襲った衛は背を向けて赤い顔をぽりぽりとかいていた。