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弁護士アイドルパロ(クン美奈)
賢人…若手敏腕弁護士。27歳。
ひょんなことから某アイドルのお抱え弁護士に任命されてしまう。
初めはただのマネージャーの延長のような雑務ばかりで嫌で仕方がなかったが、その某アイドルが悪質なストーカーまがいな行為を受け事態は急変していく。真っ直ぐで夢に突き進むひた向きさ、強さを持つ彼女に惹かれるが、年の差や仕事を理由に自分の気持ちをごまかし続ける。
しかし事件が解決した時にはなんやかんやあって結局某アイドルと付き合うことに。
美奈子…最近売りだし中のアイドル。高3。18歳。
一目見たときから賢人を気に入り猛烈アタック。
しかし相手にされない。
ストーカー事件を期に「俺が必ずお前を(法律で)守ってやる」と言われ恋心は急加速。
一度も賢人に好きと言われたことがないが、今は晴れて恋人同士となり仕事も恋も絶好調!…と思っていたのだが…
――――――
「賢人?」
あたしのマンションに深夜に訪れた恋人でもある愛野美奈子専属の弁護士様は勝手にあたしの部屋を開けて無言のままベッドまで行き腰掛けた。
それを追うだけだったあたしは、両手を差し出した彼の言葉に心臓を一気に停止させられる。
「おいで?美奈子。」
「――――――――――――――――――――――は…?は!?なに、気持ち悪いっあんたはそーゆーキャラじゃないでしょ!?」
「俺だってたまにはただお前が欲しい時もある。」
「ほ…しいって…っ」
「言え。」
「え…なに」
「言え。お前には俺だけだと。」
「ちょ…っ」
強引で上からの言葉に怒りながらも真っ赤なあたしはまともに返事ができない。
でも、ふと見せた賢人の表情と言葉でもしかしてとあの記事…有名俳優とのデート報道の記事が頭を過る。あれをひょっとしたら見て確かめにここに、来た…?
「これ以上アイドルのお前如きがこの俺を無様にさせるな。」
何よ。アイドルだって楽じゃないんだからね。弁護士様がそんなに偉いの立派なの?っていつもなら歯向かったかもしれない。でも。
それきり黙って項垂れてしまったその姿が、ずっと年も上で大人だと思っていたのに何だかちょっとだけ可愛いと感じてしまって。次の瞬間には嬉しくて。
だって、いつもあたしばかりが賢人の後ろを追い掛けてたから。一応恋人になれたけれど、もともとあたしの粘り勝ちで始まった関係だと思ってたから、賢人の「好き」はあたしの「好き」の半分にも満たないんじゃないかって不安だったの。
「あの記事…全部デタラメよ…?あたしが好きなのは…あんただけ。もうそんなの100万回聞かせたと思うけど?何度も言わせないでよね。」
肩に触れる。ゆっくりと上げられた顔は迷子の男の子みたいにまだ不安気で。そんな初めて見る彼の表情に突き動かされて頭に手を回して胸元に引き寄せるように抱き締める。
「何よ。あんた、相当あたしに惚れてんじゃない。」
「…五月蝿い。お前だってその心拍数の異常な速さは何なんだ。」
「あ、あんたこそうるさいわね!言ったら絶対言い返して打ち負かそうとする性格、使うのは商売の時だけにしなさいよ!」
「…分かったそうしよう。」
「へ…?」
途端に世界が反転して背中にはベッドの弾力。
そして深いキス。
「今は黙ってお前を堪能することにした。」
「…っ!」
「明日は俺も休みだ。お前も…オフだったな。」
こっちの予定までばっちり把握している恋人に、真っ赤になるしかないあたしは、そのまま為す術なく瞳を閉じた。