デート日和、時々嵐。(まもうさ遠)
「デートしよう、うさぎちゃん」
「えっ?!」
まもちゃんと有栖川公園の噴水前で待ち合わせしてたあたしは声のする方に振り返ったけれど。驚きすぎて何も言えなくなってしまった。
「すまん、うさ」
「まもちゃん!?」
「またこいつ出た」
まもちゃんそっくりの彼を疲れ切った表情で指さしてそんな事を言う恋人に思わず「オバケみたいに言わないでっ」と返したけれど、隣の彼は更に笑みを深くしてもう一度言った。
「うさぎちゃん、デートしよう」
「え、遠藤さん!! 冗談でしょ?!」
「いや、本気なんだそうだ。そうしないと元に戻らないらしい」
「えぇえー……」
自由すぎる。遠藤さん、あなたは自由すぎます!!
そうこう考えている間にも遠藤さんは私の手を取って指先にキスして、さらに頬や耳にも唇を寄せてくるから真っ赤になったあたしと表情を無くしたまもちゃんは全力でそれを引き剥がした。
「ったく、油断も隙もねえな。おまえ、ちょっと離れてろ」
そんな風に遠慮しない言い方をする珍しいまもちゃんの様子にもうっかりときめいちゃうあたしの乙女心はずいぶんと忙しい。
数ヶ月前、なぜかまもちゃんの体から分離しちゃった遠藤さんから提案された事と比べたら『デート』はとっても健全な気はするけれど……そう。『デートだけ』なら。
でも今それより気になるのは。
「というかまもちゃん! こんな明るい時間に遠藤さんと二人でここまで歩いてきたの?! すーーっごく目立ったんじゃない?」
「まあ、確かに見られてたかもな。けど、双子だとか思われたんじゃないか?」
「の、のんき……」
まもちゃんて、こーゆーとこある。お付き合いもそれなりに長くなってくると、頭良くてかっこよくてクールで厳しい…はずなんだけどちょっとぽやんとしてるとこあるって、あたし気付いてきた。でもまあ、そーゆーとこも? かわいいんだけどね♡へへへ♡♡
「じゃあ衛、ここでお別れだ」
いつの間に遠藤さんはあたしの肩を抱いて満面の笑みでまもちゃんに手を振って去ろうとする。
「ばっ、かヤロウ! んな訳あるか! 三人で行くぞ」
そう言ってまもちゃんはあたしの手を取った。
「衛は野暮なのか?」
「お前がすぐにうさに手出そうとするからだろ。二人きりになんかさせるかよ」
「なるほどねぇ……」
すーっと二人から冷たい空気が流れて、背中に嫌な汗をかく。
「あ、あのね! 二人とも!!」
超絶顔のいい男の人に挟まれたあたしは思いっきり声を上げた。
「なに? うさぎちゃん」
「どうした? うさ」
そうやって聞いてくる二人の声は優しくて、冷え切った温度もあっという間に消えてくれてほっとする。
「あたしは、三人でデートしたいな」
なるべく平和的カイケツを目指して言ったつもりだったけど、遠藤さんは明らかに引きつった笑顔だったし、まもちゃんは一番胸がギュッとなる不器用な笑みで寂しそうにあたしの顔を見つめていた。
うぅ……あたしにどうしろって言うのよぉ……。
長身の二人に手を繋がれて歩くあたしの顔は、多分名探偵ピ◯チュウみたいにしょぼしょぼ顔だったと思う。
「えっ?!」
まもちゃんと有栖川公園の噴水前で待ち合わせしてたあたしは声のする方に振り返ったけれど。驚きすぎて何も言えなくなってしまった。
「すまん、うさ」
「まもちゃん!?」
「またこいつ出た」
まもちゃんそっくりの彼を疲れ切った表情で指さしてそんな事を言う恋人に思わず「オバケみたいに言わないでっ」と返したけれど、隣の彼は更に笑みを深くしてもう一度言った。
「うさぎちゃん、デートしよう」
「え、遠藤さん!! 冗談でしょ?!」
「いや、本気なんだそうだ。そうしないと元に戻らないらしい」
「えぇえー……」
自由すぎる。遠藤さん、あなたは自由すぎます!!
そうこう考えている間にも遠藤さんは私の手を取って指先にキスして、さらに頬や耳にも唇を寄せてくるから真っ赤になったあたしと表情を無くしたまもちゃんは全力でそれを引き剥がした。
「ったく、油断も隙もねえな。おまえ、ちょっと離れてろ」
そんな風に遠慮しない言い方をする珍しいまもちゃんの様子にもうっかりときめいちゃうあたしの乙女心はずいぶんと忙しい。
数ヶ月前、なぜかまもちゃんの体から分離しちゃった遠藤さんから提案された事と比べたら『デート』はとっても健全な気はするけれど……そう。『デートだけ』なら。
でも今それより気になるのは。
「というかまもちゃん! こんな明るい時間に遠藤さんと二人でここまで歩いてきたの?! すーーっごく目立ったんじゃない?」
「まあ、確かに見られてたかもな。けど、双子だとか思われたんじゃないか?」
「の、のんき……」
まもちゃんて、こーゆーとこある。お付き合いもそれなりに長くなってくると、頭良くてかっこよくてクールで厳しい…はずなんだけどちょっとぽやんとしてるとこあるって、あたし気付いてきた。でもまあ、そーゆーとこも? かわいいんだけどね♡へへへ♡♡
「じゃあ衛、ここでお別れだ」
いつの間に遠藤さんはあたしの肩を抱いて満面の笑みでまもちゃんに手を振って去ろうとする。
「ばっ、かヤロウ! んな訳あるか! 三人で行くぞ」
そう言ってまもちゃんはあたしの手を取った。
「衛は野暮なのか?」
「お前がすぐにうさに手出そうとするからだろ。二人きりになんかさせるかよ」
「なるほどねぇ……」
すーっと二人から冷たい空気が流れて、背中に嫌な汗をかく。
「あ、あのね! 二人とも!!」
超絶顔のいい男の人に挟まれたあたしは思いっきり声を上げた。
「なに? うさぎちゃん」
「どうした? うさ」
そうやって聞いてくる二人の声は優しくて、冷え切った温度もあっという間に消えてくれてほっとする。
「あたしは、三人でデートしたいな」
なるべく平和的カイケツを目指して言ったつもりだったけど、遠藤さんは明らかに引きつった笑顔だったし、まもちゃんは一番胸がギュッとなる不器用な笑みで寂しそうにあたしの顔を見つめていた。
うぅ……あたしにどうしろって言うのよぉ……。
長身の二人に手を繋がれて歩くあたしの顔は、多分名探偵ピ◯チュウみたいにしょぼしょぼ顔だったと思う。