エンセレ政略結婚。

王家の真実


「マスター、先代王の末の弟である伯爵公にご謀反の動きあり」
「何?フェルシックか?まさか」
「マスターと伯爵は年も近く幼き頃より心打ち解ける仲である事は承知しております。が、それをフェルシック様の母君が利用していたという報告が」
「ベリル殿が。ほとんど表に出て来ないのはその為か」
「どうされますか」
 叔父上は母上を手に掛けられた。それを処罰した父上は不可解な死を。
 俺は両親の仲睦まじい様子を覚えている。愛し合っておられた。それが弱味とされ王位を狙う身内に謀られたのだ。
 そんな中俺は齢13の頃からこの国の王となった。何故か俺は狙われなかった。お前だったからなのか?フェルシック。

「フェルシックとベリル殿に申し開きの旨を伝えここに呼べ」
「マスター。討たれますか」
「真偽を改めてからだ」
「それでは手ぬるいのでは」
「うるさい早く伝えてこい!」
「御意」

 嫌だもうこんな暮らしなど沢山だ。裏切り、争い、調略…こんな事に彼女を巻き込む事だけはしたくない。もういっそのこと月へ帰そうか……

 そんな事を考えていたら俺の足は自然と彼女の部屋に向かっていた。
 
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