boys & girls(年齢逆転パロ)
閑話休題
会えば喧嘩ばかりだった二人。しかし衛からの突然のキスに、うさぎは初めて自分の気持ちに気付くのだった。
直後、恥ずかしさで逃げてしまったが、次の日。十番高校まで訪ねてきた衛に謝られるも、うさぎはまともに会話することができない。うさぎからすれば、生意気な中学生から一番気になる異性へと変化した衛を直視できないだけだったのだが。そんな心理など分からない衛はあからさまに避ける彼女に傷付いてしまう。
「そんなに…嫌だった?もう、口も利きたくないくらい、俺の事が…嫌?」
「…っそんなこと…!!」
それきり黙るうさぎに衛の心に映される影の色も濃くなっていく。けれど彼は最後にどうしても。彼女に届けたい気持ちがあった。
「ごめん…。だけど俺、本当にお前の事が好きなんだ。それだけは…伝えたかった。」
切なそうな表情でもう一度告げられる彼の本心。
昨日聞いた告白も、キスも。現実だったことを混乱しながらもうさぎは漸く受け入れる。
それだけ彼女の心は衛の一挙一動に大きく揺り動かされていたのだ。
「地場くん…」
だが完全に振られたと思った衛は去り始める。うさぎは真っ赤になり涙を伝わせながら肩を震わせ、必死にもう一度彼の名を叫んだ。
振り返った衛は大粒の涙を溢して自分を見つめる彼女のその姿に目を見開く。
「ばか…っ!私まだ何も言ってないじゃない…!昨日逃げちゃったのは、あんたが突然あんなことするからびっくりして…!」
「うん。だから悪かったよ」
「違う!そうじゃない!謝って欲しいんじゃないの!!最後まで聞きなさいよ!!」
「うさぎさ「急にあんたが…っ男の人に見えちゃったんだもん…!わたし…好きって…あんたのことが好きだって気付いちゃったんだもん!!」
ボロボロに泣きながらのその言葉、姿に弾かれるように衛は駆け寄り、同じくらいの背丈の彼女のことを抱き締めた。
「うさぎさん、泣かないで…」
彼のその、声変わりの最中の掠れた響きに心臓を鳴らしながらも、うさぎは精一杯虚勢を張る。
「あ…っあんたのせいでしょ…!!」
「ごめん。でも俺、ごめん」
「なに、何度も謝ってんのよー…っ」
ううっと泣き止まないうさぎにぎゅっと回す腕に力を込めた衛は目元を赤くして微笑んだ。
「ごめん。だって俺……すげー嬉しい。」
「……っ」
瞳がカチリとかち合う。丁度同じ高さにある彼らの目は、同じような熱っぽさを持っていた。
「バカぁー!そんなかおーっずるいーっ」
そんな笑顔、年下のくせにぃーっかっこよすぎるよーっ!うわあーんっっと真っ赤な顔をして大泣きして怒る三つ年上の可愛い人に愛しさが募って。
「うさぎさん…」
頬にゆっくりと、まだまだ緊張で震える手を伸ばした衛は涙を躊躇いがちにそっと拭い、顔を近付ける。それが、新しい関係になった自分達の初めの合図と受け止めたうさぎはゆっくりとその長い睫毛を震わせて瞳を閉じていった。
唇が離れてうさぎをうっすらと開けた目で見た衛は顔から火が出るほど真っ赤になる。
初めて見る、彼女の幸せそうな微笑み。
それは彼を14年生きてきた中で最も、情けないほどに挙動不審にさせたのだった。
「衛…くん…?」
彼の変化にきょとんとして、でもすぐにエヘヘと照れたように笑ううさぎは衛の手を取ってスキップするように歩き出した。
素直に笑顔を晒し、スキンシップをさっそく取ってくる彼女に頭が混乱するのは今度は彼の番だった。
(やばいだろ…?うん。やばいって。なんなんだよ!…可愛すぎだろ…っ)
会えば喧嘩ばかりだった二人。しかし衛からの突然のキスに、うさぎは初めて自分の気持ちに気付くのだった。
直後、恥ずかしさで逃げてしまったが、次の日。十番高校まで訪ねてきた衛に謝られるも、うさぎはまともに会話することができない。うさぎからすれば、生意気な中学生から一番気になる異性へと変化した衛を直視できないだけだったのだが。そんな心理など分からない衛はあからさまに避ける彼女に傷付いてしまう。
「そんなに…嫌だった?もう、口も利きたくないくらい、俺の事が…嫌?」
「…っそんなこと…!!」
それきり黙るうさぎに衛の心に映される影の色も濃くなっていく。けれど彼は最後にどうしても。彼女に届けたい気持ちがあった。
「ごめん…。だけど俺、本当にお前の事が好きなんだ。それだけは…伝えたかった。」
切なそうな表情でもう一度告げられる彼の本心。
昨日聞いた告白も、キスも。現実だったことを混乱しながらもうさぎは漸く受け入れる。
それだけ彼女の心は衛の一挙一動に大きく揺り動かされていたのだ。
「地場くん…」
だが完全に振られたと思った衛は去り始める。うさぎは真っ赤になり涙を伝わせながら肩を震わせ、必死にもう一度彼の名を叫んだ。
振り返った衛は大粒の涙を溢して自分を見つめる彼女のその姿に目を見開く。
「ばか…っ!私まだ何も言ってないじゃない…!昨日逃げちゃったのは、あんたが突然あんなことするからびっくりして…!」
「うん。だから悪かったよ」
「違う!そうじゃない!謝って欲しいんじゃないの!!最後まで聞きなさいよ!!」
「うさぎさ「急にあんたが…っ男の人に見えちゃったんだもん…!わたし…好きって…あんたのことが好きだって気付いちゃったんだもん!!」
ボロボロに泣きながらのその言葉、姿に弾かれるように衛は駆け寄り、同じくらいの背丈の彼女のことを抱き締めた。
「うさぎさん、泣かないで…」
彼のその、声変わりの最中の掠れた響きに心臓を鳴らしながらも、うさぎは精一杯虚勢を張る。
「あ…っあんたのせいでしょ…!!」
「ごめん。でも俺、ごめん」
「なに、何度も謝ってんのよー…っ」
ううっと泣き止まないうさぎにぎゅっと回す腕に力を込めた衛は目元を赤くして微笑んだ。
「ごめん。だって俺……すげー嬉しい。」
「……っ」
瞳がカチリとかち合う。丁度同じ高さにある彼らの目は、同じような熱っぽさを持っていた。
「バカぁー!そんなかおーっずるいーっ」
そんな笑顔、年下のくせにぃーっかっこよすぎるよーっ!うわあーんっっと真っ赤な顔をして大泣きして怒る三つ年上の可愛い人に愛しさが募って。
「うさぎさん…」
頬にゆっくりと、まだまだ緊張で震える手を伸ばした衛は涙を躊躇いがちにそっと拭い、顔を近付ける。それが、新しい関係になった自分達の初めの合図と受け止めたうさぎはゆっくりとその長い睫毛を震わせて瞳を閉じていった。
唇が離れてうさぎをうっすらと開けた目で見た衛は顔から火が出るほど真っ赤になる。
初めて見る、彼女の幸せそうな微笑み。
それは彼を14年生きてきた中で最も、情けないほどに挙動不審にさせたのだった。
「衛…くん…?」
彼の変化にきょとんとして、でもすぐにエヘヘと照れたように笑ううさぎは衛の手を取ってスキップするように歩き出した。
素直に笑顔を晒し、スキンシップをさっそく取ってくる彼女に頭が混乱するのは今度は彼の番だった。
(やばいだろ…?うん。やばいって。なんなんだよ!…可愛すぎだろ…っ)