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『二時間目』
二時間目の数学の時間。
何気なく消しゴムを使って計算ミスを消しているとふと手が止まる。
カバーに隠れて僅かに見える、消しゴムに書かれた見覚えのあるピンク色。
試験前の彼女が昨日、家に勉強をしに来たときに見たカラフルなペンケースの中身は。
シャープペンや赤ペンなどの他に必要なのかと言いたくなってしまうほどの、これまたカラフルなたくさんのマーカーやキラキラしたペン。
その中で一番気に入っていると言っていたウサギのキャラクターが先に付いたピンクのボールペン。おそらくそれに間違いないだろう。
俺の目を盗んで落書きしたのか。
しょうがないな、と思いながらもそんないたずらをする彼女を可愛いと思ってしまう。
けれどカバーを取ってその文字を見たら、その思いは更に跳ね上がった。
ポーカーフェイスを自負している俺も、彼女に関してはまるで自信がない。
それでも数学教師に問題を突然振られて答えられたのはもうほとんど反射に近い。
冷静でなんていられない。
どうしてくれるんだよ。
『だいすき』
直径三センチ、可愛いピンクの文字の
あの子の告白。