My sunshine
衛とうさぎ、そして……
初夏の頃、数年前のあの日と同じ海。俺とうさは再びここを訪れていた。波打ち際で素足ではしゃぐ彼女はどこから見ても可愛くて、キラキラと光る水面と輝く笑顔は、どんなに美しいクリスタルを並べても敵わない。
「うさ」
「なあに?」
砂浜を歩む足は彼女のいる波打ち際へ。そして細い腰をぐっと抱き寄せて額に唇を寄せた。
「ま、まもちゃん、どうしたの?」
真っ赤になって見上げる表情に、俺は自然と笑みが零れる。そして今度は左手を取ると、指輪にそっとキスをした。
「うさ、俺と結婚しよう」
空色の瞳は大きく開いて、みるみるうちに透明の膜が張られて煌めいた。ああ、綺麗だな、ずっとこの小さな海を見続けていたいな。そんな風に思ってしまうけれど、彼女から紡がれる言葉を早く聞きたくて頬にキスをして促す。
「はい……っ」
声を聞いた瞬間、唇を重ねていた。何度も、何度も。
寄せては返す波の音が、まるで俺たちを祝福してくれているように優しく胸に響く。
「愛してる、うさ。出会った頃から、この先も。ずっと、うさだけだよ」
「私も。ずっとずっと。まもちゃんのこと愛してる」
ぽろぽろと涙を流して笑う彼女は最高に可愛くて、俺はもう一度キスをし、しっかりとその体を抱きしめた。
砂浜を二人で手を繋いで歩いていると、白色に輝く髪をしたまだ二歳くらいの男の子がうさの前まで来てキョトンとした顔でお腹のあたりを見つめる。
「あれ、ボクどうしたの? ママは?」
「うさ、この子は……」
「え?」
うさのお腹を撫でて、「いいこ、いいこ。ね」と笑う男の子には見覚えがあった。
あの日地上に降りてうさが目覚めた後、祭司としての力を失ったエリオスは、転生する為に光に包まれながら静かに生を閉じ、コルドロンへと還っていった。
男の子の黄金色の瞳、温かなオーラ。それは紛れもなく彼と同じもので、うさと繋ぐ手に力がこもる。
「君は、エリ」
「天馬ー! 帰るわよー!」
「ママ!」
はーい! と元気に駆け出す男の子に俺たちは胸をおさえた。眠っている星の輝きが今だけは光を増して、彼への想いを募らせていく。
「まもちゃん」
「ああ」
涙声で腕に寄り添う彼女の肩をぐっと引き寄せる。しばらくそうしていると、左手を取られて彼女のお腹の上に置かれた。
「うさ?」
「えっとね、まだまもちゃんに言ってないことがあるの。私ね……」
幸せを紡ぐ音が、どこまでも続いていく俺たちの未来に光を灯した
The end, and this
Story of the beginning……
初夏の頃、数年前のあの日と同じ海。俺とうさは再びここを訪れていた。波打ち際で素足ではしゃぐ彼女はどこから見ても可愛くて、キラキラと光る水面と輝く笑顔は、どんなに美しいクリスタルを並べても敵わない。
「うさ」
「なあに?」
砂浜を歩む足は彼女のいる波打ち際へ。そして細い腰をぐっと抱き寄せて額に唇を寄せた。
「ま、まもちゃん、どうしたの?」
真っ赤になって見上げる表情に、俺は自然と笑みが零れる。そして今度は左手を取ると、指輪にそっとキスをした。
「うさ、俺と結婚しよう」
空色の瞳は大きく開いて、みるみるうちに透明の膜が張られて煌めいた。ああ、綺麗だな、ずっとこの小さな海を見続けていたいな。そんな風に思ってしまうけれど、彼女から紡がれる言葉を早く聞きたくて頬にキスをして促す。
「はい……っ」
声を聞いた瞬間、唇を重ねていた。何度も、何度も。
寄せては返す波の音が、まるで俺たちを祝福してくれているように優しく胸に響く。
「愛してる、うさ。出会った頃から、この先も。ずっと、うさだけだよ」
「私も。ずっとずっと。まもちゃんのこと愛してる」
ぽろぽろと涙を流して笑う彼女は最高に可愛くて、俺はもう一度キスをし、しっかりとその体を抱きしめた。
砂浜を二人で手を繋いで歩いていると、白色に輝く髪をしたまだ二歳くらいの男の子がうさの前まで来てキョトンとした顔でお腹のあたりを見つめる。
「あれ、ボクどうしたの? ママは?」
「うさ、この子は……」
「え?」
うさのお腹を撫でて、「いいこ、いいこ。ね」と笑う男の子には見覚えがあった。
あの日地上に降りてうさが目覚めた後、祭司としての力を失ったエリオスは、転生する為に光に包まれながら静かに生を閉じ、コルドロンへと還っていった。
男の子の黄金色の瞳、温かなオーラ。それは紛れもなく彼と同じもので、うさと繋ぐ手に力がこもる。
「君は、エリ」
「天馬ー! 帰るわよー!」
「ママ!」
はーい! と元気に駆け出す男の子に俺たちは胸をおさえた。眠っている星の輝きが今だけは光を増して、彼への想いを募らせていく。
「まもちゃん」
「ああ」
涙声で腕に寄り添う彼女の肩をぐっと引き寄せる。しばらくそうしていると、左手を取られて彼女のお腹の上に置かれた。
「うさ?」
「えっとね、まだまもちゃんに言ってないことがあるの。私ね……」
幸せを紡ぐ音が、どこまでも続いていく俺たちの未来に光を灯した
The end, and this
Story of the beginning……
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