第二話 この星に産まれて
「来たわよ~。うさぎ!」
クリスタルパレスの最上階で暮らす、大きなお腹を抱えた娘の下を訪ねた私は出来るだけいつも通りの明るい口調でそう言った。
「ママ……!」
それだけで泣きそうになっている娘に、思わず自分も抑えていた感情が溢れてくる。
特別な存在になってしまった娘に会うのは、色々な事情が絡んでそうそう出来る事ではないのだということを改めてこの二年で感じた。
それでも娘に対する想いはいつだって変わることは無い。
だからこうして出産に不安になっている娘にようやく会うことが出来て、私は心底ほっとしていたの。
「来て下さってありがとうございます。なかなか調整ができずに申し訳ありませんでした」
すっかりキングらしくなってしまった彼も、義理の母を前にすればただの婿の顔になってしまう。
それがなんだか可笑しくて、少し嬉しくて、私は笑みをこぼして首を振った。
「で?どっちなの?」
早速本題に入る私にうさぎは苦笑する。
「女の子よ」
「まあまあそれは。楽しみね、衛君?あ、キング?」
「衛でいいですよ。お義母さん。」
訂正した私の言葉を困った顔でそう言う彼は、それでもこれから誕生する娘の事をやっぱり楽しみでしょうがないという幸せな雰囲気を醸していた。
「でももうすぐ私もおばあちゃんなのねえ」
「ホント。ほらほら、おばあちゃんですよ~」
私の事を見ながらお腹をさすってそう言う娘に微笑みながらも、釘を刺すことも忘れない。
「あなただって母親になるのよ?もっとしっかりしないと駄目よ。うさぎ?」
「う……分かってるわよ!」
私と衛くんが笑うとますます膨れるうさぎは、小さい頃のままの表情。
だけど次の瞬間お腹を蹴ったらしい小さな存在を相手に声を掛けたりする表情はやっぱりもう『母親』の顔だった。
その後はお婿さんは気を利かせて部屋を出て行き、私はとりとめもない話、うさぎを生んだときの話も色々と聞かせてあげると、すっかりと出産前の緊張が取れた姿に安心する。
「産まれたら、パパと進悟と駆けつけるわ」
「もう行くの?」
「大丈夫よ。またすぐに会えるから」
寂しそうな顔をする娘に柔らかく微笑んで答える。
「ママ、私、本当にちゃんと母親になれるかな」
「うさぎ。全部自分一人で何とかしようと思っちゃだめよ?あなたはぶきっちょさんなんだから」
おでこをツンと押してウインクして言う私に「もう!」と顔を赤くして弱々しく睨むうさぎ。
そんな娘の手を優しく握る。
「衛君と力を合わせて、もちろん美奈子ちゃんたちにもいっぱい頼っちゃいなさい。皆がきっとあなたを成長させてくれるわ。もちろん、これから産まれてくる赤ちゃんもあなたの大きな支えになってくれる。
そういう小さなことに一つ一つ感謝して、少しずつでいいから、一つ一つ返していけばきっと知らないうちに『母親』になっていくんだと私は思うの。
私はうさぎにはそれができるって信じているわ」
おっちょこちょいだけど、素直で優しい子。
きっとあなたなら大丈夫。
「ありがとう……ママ」
ポロポロ泣く娘は、母親の私が言うことじゃないかもしれないけれど、とても綺麗に見えたのよ。
クリスタルパレスの最上階で暮らす、大きなお腹を抱えた娘の下を訪ねた私は出来るだけいつも通りの明るい口調でそう言った。
「ママ……!」
それだけで泣きそうになっている娘に、思わず自分も抑えていた感情が溢れてくる。
特別な存在になってしまった娘に会うのは、色々な事情が絡んでそうそう出来る事ではないのだということを改めてこの二年で感じた。
それでも娘に対する想いはいつだって変わることは無い。
だからこうして出産に不安になっている娘にようやく会うことが出来て、私は心底ほっとしていたの。
「来て下さってありがとうございます。なかなか調整ができずに申し訳ありませんでした」
すっかりキングらしくなってしまった彼も、義理の母を前にすればただの婿の顔になってしまう。
それがなんだか可笑しくて、少し嬉しくて、私は笑みをこぼして首を振った。
「で?どっちなの?」
早速本題に入る私にうさぎは苦笑する。
「女の子よ」
「まあまあそれは。楽しみね、衛君?あ、キング?」
「衛でいいですよ。お義母さん。」
訂正した私の言葉を困った顔でそう言う彼は、それでもこれから誕生する娘の事をやっぱり楽しみでしょうがないという幸せな雰囲気を醸していた。
「でももうすぐ私もおばあちゃんなのねえ」
「ホント。ほらほら、おばあちゃんですよ~」
私の事を見ながらお腹をさすってそう言う娘に微笑みながらも、釘を刺すことも忘れない。
「あなただって母親になるのよ?もっとしっかりしないと駄目よ。うさぎ?」
「う……分かってるわよ!」
私と衛くんが笑うとますます膨れるうさぎは、小さい頃のままの表情。
だけど次の瞬間お腹を蹴ったらしい小さな存在を相手に声を掛けたりする表情はやっぱりもう『母親』の顔だった。
その後はお婿さんは気を利かせて部屋を出て行き、私はとりとめもない話、うさぎを生んだときの話も色々と聞かせてあげると、すっかりと出産前の緊張が取れた姿に安心する。
「産まれたら、パパと進悟と駆けつけるわ」
「もう行くの?」
「大丈夫よ。またすぐに会えるから」
寂しそうな顔をする娘に柔らかく微笑んで答える。
「ママ、私、本当にちゃんと母親になれるかな」
「うさぎ。全部自分一人で何とかしようと思っちゃだめよ?あなたはぶきっちょさんなんだから」
おでこをツンと押してウインクして言う私に「もう!」と顔を赤くして弱々しく睨むうさぎ。
そんな娘の手を優しく握る。
「衛君と力を合わせて、もちろん美奈子ちゃんたちにもいっぱい頼っちゃいなさい。皆がきっとあなたを成長させてくれるわ。もちろん、これから産まれてくる赤ちゃんもあなたの大きな支えになってくれる。
そういう小さなことに一つ一つ感謝して、少しずつでいいから、一つ一つ返していけばきっと知らないうちに『母親』になっていくんだと私は思うの。
私はうさぎにはそれができるって信じているわ」
おっちょこちょいだけど、素直で優しい子。
きっとあなたなら大丈夫。
「ありがとう……ママ」
ポロポロ泣く娘は、母親の私が言うことじゃないかもしれないけれど、とても綺麗に見えたのよ。
