愛のばかやろう(クン美奈←エース)
「エース!」
あたしの焦った声に困ったように笑う彼は小さな声で話し出した。
『あの時言った言葉は取り消すよ。』
―ー君の恋は 永遠に かなうことは ないーー
散り際に残したエースの言葉が蘇る。
『君なら、君たちなら恋も使命も全 うできるってね。』
「もちろんだ。」
涙ぐむあたしの代わりに賢人が力強く答えた。
もー、やめてよね。涙止まらなくなるでしょ!
『バイバイ、美奈子。』
「エース!ありがと。」
『どういたしまして。そのカードは君たちにお似合いだよ。』
その言葉を残して胸に手を当てて礼をすると、まっさらな笑顔でエースは消えていった。
静かになったリビングは日が沈みかけていた外の夕暮れ色に染まっている。さっきまでの会話が嘘みたいに時間が動き出したような気がした。
「ハートのエース、か。」
「賢人?」
「意味は【究極の愛】だ。」
「へ!?」
大真面目な顔で噛みしめるように言う賢人に赤面する。胸ポケットにトランプをしまうと、ゆらりとあたしの方に体を向けて、その大きな手で両頬を包んできた。
初めて見る表情にあたしの心臓はどっこんどっこん鳴ってる。
これは、そう。
男の顔、だ
「さっきの言葉に嘘偽りはないな?」
「ささささっきって?」
唇を吸われる。びっくりしたあたしからはおかしな呼吸音が漏れる。
「こういう事や、この先の事も……」
流石に賢人の目元も少し赤くなっている。
ちょっとだけ申し訳なくなってあたしはもう一度自分の気持ちをはっきり告げた。
「だから!前からそう言ってる!バカ!!」
「分かった。」
柔らかく笑う賢人に抱き締められる。その温かさにまた目頭が熱くなった。
その腕の中で、あたしがまだ高校生だからだとか、一度したら歯止めが利かなくなってあたしを傷つけるだとか過保護なのか大胆なのか分からない告白をされて。あたしはその胸をドンと殴ってやった。
それを受けた賢人は降参したように笑う。
「すまなかったな、寂しい思いをさせて。」
と頭を撫でて言う恋人は首を振るあたしを覚悟を決めたように手を引いて寝室へ連れていく。その手に持つダンブライトはリビングの引き出しに入れるのを忘れずに。
『ばーか』
寝室をドアを閉める時、エースの声が聴こえた気がした。
おわり
2020.11.5
あたしの焦った声に困ったように笑う彼は小さな声で話し出した。
『あの時言った言葉は取り消すよ。』
―ー君の恋は 永遠に かなうことは ないーー
散り際に残したエースの言葉が蘇る。
『君なら、君たちなら恋も使命も
「もちろんだ。」
涙ぐむあたしの代わりに賢人が力強く答えた。
もー、やめてよね。涙止まらなくなるでしょ!
『バイバイ、美奈子。』
「エース!ありがと。」
『どういたしまして。そのカードは君たちにお似合いだよ。』
その言葉を残して胸に手を当てて礼をすると、まっさらな笑顔でエースは消えていった。
静かになったリビングは日が沈みかけていた外の夕暮れ色に染まっている。さっきまでの会話が嘘みたいに時間が動き出したような気がした。
「ハートのエース、か。」
「賢人?」
「意味は【究極の愛】だ。」
「へ!?」
大真面目な顔で噛みしめるように言う賢人に赤面する。胸ポケットにトランプをしまうと、ゆらりとあたしの方に体を向けて、その大きな手で両頬を包んできた。
初めて見る表情にあたしの心臓はどっこんどっこん鳴ってる。
これは、そう。
男の顔、だ
「さっきの言葉に嘘偽りはないな?」
「ささささっきって?」
唇を吸われる。びっくりしたあたしからはおかしな呼吸音が漏れる。
「こういう事や、この先の事も……」
流石に賢人の目元も少し赤くなっている。
ちょっとだけ申し訳なくなってあたしはもう一度自分の気持ちをはっきり告げた。
「だから!前からそう言ってる!バカ!!」
「分かった。」
柔らかく笑う賢人に抱き締められる。その温かさにまた目頭が熱くなった。
その腕の中で、あたしがまだ高校生だからだとか、一度したら歯止めが利かなくなってあたしを傷つけるだとか過保護なのか大胆なのか分からない告白をされて。あたしはその胸をドンと殴ってやった。
それを受けた賢人は降参したように笑う。
「すまなかったな、寂しい思いをさせて。」
と頭を撫でて言う恋人は首を振るあたしを覚悟を決めたように手を引いて寝室へ連れていく。その手に持つダンブライトはリビングの引き出しに入れるのを忘れずに。
『ばーか』
寝室をドアを閉める時、エースの声が聴こえた気がした。
おわり
2020.11.5