めまい
暑い季節。両親が亡くなったあの頃に近付くと白昼夢を見る。手を繋いで歩いた様な、その温かな手で頭を撫でられた様な幼い記憶。そこから暗転し、真っ白な病室が俺を孤独にする。それを振り払うように目を開けると強烈なめまいに襲われるのだ。
手を伸ばしても誰もいない。
助けて
俺は夏が嫌いだ。
「まもちゃん、汗大丈夫?」
公園で隣に恋人がいるのにあの頃の光景が忘れるなとばかりに俺を襲った。声を掛けられてハッと目を開くと足がふらつく。
「ごめん、ちょっと暑かっただけだよ」
眉を八の字にしたうさこがハンカチを額に充ててくれる。
「私じゃ頼りない?」
「え?」
頬を包まれ瞠目する。
「まもちゃんは私の事甘えさせてくれるけど、まもちゃんだって私にいっぱい甘えていいんだからね?」
真剣な眼差しと言葉が胸を突く。
「とりあえずあっちの涼しい所で休もう。ね?」
心配そうに首を傾げる彼女を衝動のままに抱き寄せる。いや、しがみ付く、と言ったほうが正しい。
「まもちゃん?!」
「うさこ....」
もう少し、このままで
ごめん
今はちょっとうまく説明できないんだ。
けれどこれだけは言わせてくれ。
「好きだよ」
こんな風に気持ちを伝えられる人がいる。
たったそれだけの事が、俺にとっては本当に奇跡なのだから。
予感がするんだ
あの白昼夢はもうきっと見る事はないと。
おわり
手を伸ばしても誰もいない。
助けて
俺は夏が嫌いだ。
「まもちゃん、汗大丈夫?」
公園で隣に恋人がいるのにあの頃の光景が忘れるなとばかりに俺を襲った。声を掛けられてハッと目を開くと足がふらつく。
「ごめん、ちょっと暑かっただけだよ」
眉を八の字にしたうさこがハンカチを額に充ててくれる。
「私じゃ頼りない?」
「え?」
頬を包まれ瞠目する。
「まもちゃんは私の事甘えさせてくれるけど、まもちゃんだって私にいっぱい甘えていいんだからね?」
真剣な眼差しと言葉が胸を突く。
「とりあえずあっちの涼しい所で休もう。ね?」
心配そうに首を傾げる彼女を衝動のままに抱き寄せる。いや、しがみ付く、と言ったほうが正しい。
「まもちゃん?!」
「うさこ....」
もう少し、このままで
ごめん
今はちょっとうまく説明できないんだ。
けれどこれだけは言わせてくれ。
「好きだよ」
こんな風に気持ちを伝えられる人がいる。
たったそれだけの事が、俺にとっては本当に奇跡なのだから。
予感がするんだ
あの白昼夢はもうきっと見る事はないと。
おわり