八章 刹那の再会

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 どこまでもどこまでも続く深い闇。今まで、敵と対峙したときはその絶望と恐怖に打ち勝って胸の中にある星を光らせて戦ってきた。
 けれど、これほど限界というものを感じたことはなかった。力を出せば出すほど、信じられないくらい恐ろしい力でそれは吸収されていってしまう。
 それに意識も段々とぼんやりしてきた。忘れたくない思い出がするすると抜けていくような、そんな感覚。
 このまま私は、消えていってしまうの?
『銀水晶はあなたの心次第なのよ』
 クイーン、分かってます。でも、もうパワーがなくなってきて、光も届かなくて、何も見えないの。
 私という意識が無くなりそうになったその時。僅かな光と、どこからか穏やかな波の音が聴こえてきて、それらが私を包んでいった。
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