殺人鬼の癖に優鬼してんじゃねぇぞ!!
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今日もお馴染み。
儀式の時間になりました。
張り切って逃げたいものです。
『だがしかし、早速第一村人。そんな私だよ。』
ガオーって聞こえたと思ったら切られたし、その後逃げたら先に誰かいるのが見えて無理に違う方へ走ったのがいけなかった。
そのまま攻撃されて地に伏せた。
流れるように頭へオシャレなアクセサリーをハメられそして吊られる。ジーザス…
しくしくと泣いていたらジェイクが来てくれて降ろしてくれた。
「ジェネレーター回すの待ってやるから早く外せ。」
『…あい』
そうしてその場を離れて、ジェイクはトンネル防止の為に私の後を付いてきてくれた。優しい。ついでに治療もしてくれたので1発は攻撃されても平気である。
見つけたジグソウボックスへ手を入れて痛みに堪えながらガチャガチャと中を漁る。
…なんで痛い思いをこんなにしないといけないのか。一体私が何をしたというのか。
そんな私に追い打ちをかけるようにピッグが来たらしくジェイクが声を上げた。
「…きたぞ!」
『え?ちょっと待って、あと少し…』
ジェイクは舌打ちして(キミ意外とタンパクだよね)こちらへ向かって来るピッグへ走った。壁になるつもりだ。あらやだ、男らしい。
ジェイクが切られたのだろう。
肉の切れる嫌な音と共に血が舞う。
そういや、私はキミの断末魔が聞きたくてよく使ってたなぁ。
今のジェイクはパークの効果で泣かないんだよなぁ。
ちぇ~っと口を尖らせながらガチャガチャと手を動かす。真後ろまで迫ってきたピッグの心音が大きく聞こえる。
さぁ、外れるか…!?
不愉快な笑い声が響く。
後ろをそっと振り返る。
豚のマスクのつぶらな瞳と目が合った。
「………」
『………』
何故か微妙な間があった後彼女は武器を振るったので私は走り出した。
『ふぇえ…外れなかったよォー!!』
そして追いかけられる。
しかし、私はあまりにも慌てて逃げてしまった。ジェイクがセルフケアしている方へ走ってしまったのだ。
あっ!と思った時には遅くて。
ジェイクに気がついたピッグに攻撃されて倒れてしまった。
『ごごごごめんなさぁい~!!!!』
同じくジェイクの頭も素敵に装飾されて担がれた。
去る背を慌てて追いかける。
吊るされて痛みに叫ぶジェイクに罪悪感で泣き出しながらピッグが十分に離れるのを待った。
「…泣いてないで早く助けろよ」
『ごめんね、ごめんね…』
泣きながらジェイクをフックから降ろす。
きっとやり遂げるで素早い回復で彼の傷を直してそれぞれジグソウボックスを探しにばらばらに歩き出した。
『外れた…』
やっと外れた素敵なアクセサリーを投げ捨てて走り出す。離れないといけないのだ。
だがしかし、運命とは酷なものである。
目の前から走ってくるピッグ。
『え~ん!!』
鉢合わせだった。
せっかく外れたのに長くないチェイスの上再び私は頭に素敵なアクセサリーを付けられ吊られた。
2回も肩が爆発したわ。
「おまえ、なにやってんだよ…」
呆れたように再びジェイクに降ろされる私。
『好きで吊られてるわけじゃないもん…』
痛みに泣きながら治療される。
既にもう1人負傷してチェイスが始まっていた。
私とは違いなかなか長いチェイスだった。
治療も終わりジグソウボックスの前へ再び立った。
『…痛いのやだなぁ。』
ため息まじりに呟けば、やっぱり付いてきてくれたジェイクに「いいから早く外せ。ジェネ回せねぇだろ」と言われて渋々手を突っ込む。
痛い。
『うう…なんでこんな目に…神よ…レイスきゅん…』
「………」
はぁ、とため息が背後から聞こえた。
あと少し、お。
『やった!外れた!』
「おー、おめでとう」
これでジェネ回せると棒読みで言ったジェイクにこっち来いと言われてついて行く。
そうして見えたジェネレーターを2人で回した。
そうこう時間が経てば必然と戦況は変わる。
仲間たちは処刑されてとうとう、ジェイクと私だけになってしまった。
『助けに来たよ。』
「…ハッチ探せって言ったのに、言う事聞かねぇな」
余裕なんてないくせに鼻で笑っちゃって。
本当は泣き虫のくせに~と思いながらフックからジェイクを降ろして彼の後ろをついて走る。
物陰に隠れてジェイクを治療していると、赤いコートが目についてゾッとする。
治療をやめて、私はピッグの前に飛び出た。
『だめ!吊るすのなら私にして!』
本当は嫌だ。信じられないくらい痛いし、エンティティにトドメを刺されて死ぬ時の
寒い奈落に落ちるような感覚はいつ味わっても慣れない。今回は沢山痛いことばかりだった。
恐怖で脚が震えてる。
「馬鹿野郎!なにやってんだ、逃げろ!」
私もジェイクも次で最後だ。
『ジェイクは早く走って逃げてよ!』
あと、私は野郎じゃないもん!
精一杯の強がりを言っているが、私は目に涙を溜めている。
背後のジェイクには見えていないのでなんの問題もない。
さぁ!私を切って!
と前へ1歩でた。
「………」
だけど、ピッグは何故か後ろへ数歩下がるとそのまま踵を返してどこかへ行ってしまった。
『………え?…え?』
ポカーンとピッグの謎の行動に驚いて暫く動きが止まった。
「……なんだったんだ…?」
『さ、さぁ…とりあえず、治療の続きしよう』
振り向いて、ジェイクの傍に寄る。
治療を始めた時、ふとジェイクが私の顔を見て手を伸ばしたと思ったら目尻をキュッと親指の腹で撫ぜてきた。
あ、涙拭くの忘れた。
「泣き虫」
『ジェイクに言われたくない』
ムスッとしてたら、鼻を摘まれて「その顔ブサイクだぞ」と言われてべシっと傷を叩いた。
痛てぇ!と声を上げた彼に『失礼なこと言うからだよ』とべーっと舌を出した。
そうして、逆トラバサミを取り外してもジェネレーター回しても現れないピッグに首を傾げる。
通電してゲートが開いても彼女は来なかった。
「ほら、さっさと行くぞ。」
『…うん。先行ってていいよ』
はぁ、と大きなため息が聞こえた。
暫くそのままゲートの前に待つ。
すると心音がして、彼女は漸くゲートまで来てくれた。
「…まだ帰ってなかったの?早く帰ったら」
呆れたようにそう言われて私は彼女に近づく。
ジェイクが焦ったように私を呼んだけど無視して。
『あの、ありがとう。』
「…お礼なんていらない。ただの気まぐれよ」
『それでも、嬉しかったから。』
「次は優しくなんてしない。」
『うん…わかってる。あ、これあげる。』
そう言って私はポッケに入っていたブドウの味の飴をピッグの手を取り乗せた。私が触れても彼女は特に振り払うでもなく様子を伺っていた。
ピッグは手の平に乗る飴を暫く見つめていた。
「…早く帰んなさい。」
『うん、ばいばい』
手を振ってもう一度ありがとうと言ってゲートの向こうへ走った。
「…おまえ、ああいう軽率な行動やめろ。ノーワンだったらどうするんだ」
『分かってるよ』
「分かってねぇだろ!相手は殺人鬼だぞ!仲間だって殺されてる」
『…そう、だね。』
ジェイクに叱られながら、キャンプへ向かう。
その後もぶつくさ言われたが、右から左に流して聞き流す。
適当に相槌を打っていれば、彼に「…おまえ、オレの話聞いてねぇだろ?」と言われてたらしく適当に相槌打っていた私は『うん。』と返事をしてしまって頭をペシンと叩かれた。
『ひどいっ!』
「うるせ!バーカ!」
人の気も知らねぇで。
そう呟いて黙ってしまったジェイクを見上げてみたがチラリとこっちへ視線を向けた後、直ぐに逸らしてそれからはキャンプに着くまで彼は一言も喋んなかった。
怒らせてしまった。
キャンプについてそれぞれ仲間の側へ寄り互いに労わるように語り合った。
ネアに今日のピッグの事を、そして小声でジェイクを怒らせてしまった事を話した。
『ジェイク、私の事嫌いになっちゃったかなぁ…』
しょげたように膝を抱えて言えば、ネアは少し固まった後いきなり笑いだした。
『笑わないでよ…落ち込んでるんだから…』
恨めしそうにネアを見つめれば、彼女はごめんと一言謝った後、私に耳を貸すようにと手を翳しながらヒソヒソと話し出した。
「ジェイクがあんたのこと嫌いになるわけないじゃない。だってジェイクはあんたの事好きなのに。」
『私だって仲間だって思ってるし、』
「そうじゃないわよ。ラブよ。あんたに惚れてんのよ」
『……ええ…!?』
そんな馬鹿なとすっとんきょんな声を上げた。
ネアはケラケラと笑いながら、私の肩を叩いて
「ほら、今もあんたのこと見てる。」
言われてジェイクの方を見てみればジェイクとバッチリ目が合う。
しかし、すぐ逸らされた。
『…私の事嫌いになっちゃったかなぁ…』
「ならないって。」
『でも、』
「昨日も、皆が寝静まった後1人だけ起きてあんたの寝顔じーっと見てるのよ?気持ち悪いくらい優しい目をしながら」
まて、どうゆう事だ。アイツ私の寝顔見てやがったのかよ…!ていうか、ネア気持ち悪いって言ったな…(笑)である。
『それは、恥ずかしいな…寝顔見られるのは…ちょっと…』
ごにょごにょと気恥しさで口ごもりながらジェイクを再び見る。
えー…?
ジェイクが私に好意を抱いてる?ないない。
視線に気がついたジェイクがこっちを見た。
なんだよ。
そう言っているような目付きである。
「あんたを見てる時とあたし達を見てる時の顔違うんだからね。」
『ええ?いつもあんな顔だよ?』
チベットスナギツネみたいな。
「明らかに目つき違うから。まぁ、あんたは気がつかないわよねぇ…」
再び笑いだしたネアを恨めしそうに見つめる。
「あんたはどうなの?ジェイクの事好き?」
『ええ…?好きかって…いや、仲間だから…』
「そういうのじゃなくて」
『…うーん…わかんない…』
「あらま」
頬杖ついてネアはつまんないわねぇと呟いた。
突然そう言われたら困るよ。
えー…悩み事が増えたじゃん…
『私の推しはレイスくんだからなぁ』
「………あんた、まだ言ってんの…?」
『うん。早く生で見たい。』
「…………そう。」
ジェイク、レイスに負けたかぁ…とネアが呟いた。
負けたも何も、本当にジェイクが私のこと好きとは限らないじゃないか。
たまたま寝顔が面白くて見ていたのかもしれないし。
ジェイクから直接言われたわけじゃない。
これは憶測なのだ。
はぁ。とため息を吐く。
後で謝らないとなぁ。
そして、寝る前に隣りにいるジェイクに『ごめんね』と謝れば、彼は「…別に怒ってねぇよ」と言ったので安心する。
『おやすみジェイク』
「ああ、おやすみ」
『…寝顔覗かないでね。恥ずかしいから』
「は?!おまっ、気がついて…」
『うるさいよジェイクおやすみ』
「違うからな!たまたま起きておまえの顔が面白かったから見てただけだからな!」
『貴様ァ!!!やはりそうか!!!ばーかばーか!!』
起きてジェイクの肩をばしばし叩いて罵ってたらミンに「うるさい!」と怒られてしまう。
それに黙って大人しく寝る体勢に入る。
ふと見えたネアが震えていた。…笑ってやがる。
『ジェイクのばか』
「………」
目を閉じて眠る。
私は知らない。寝入った時にジェイクが頬杖ついて私の寝顔を目を細めて見ていたのを。