殺人鬼の癖に優鬼してんじゃねぇぞ!!
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今日も今日とて儀式である。
最近優しくされ続けて命の危機感とかそうゆうの感じること減った気がする。
だからそんなたるんだ精神でこれから先をちゃんとやって行けるのか。
やはり、緊張感は常に持つべきだと思うし持たないといけない。
そんな事を思い、反省し空を見上げ私は涙が溢れないようにしていた。
聞いてないよ。キラーがシェイプとか。
なんか視線感じると思ったら物陰からシェイプ。
慌てて逃げるもティアが上がる音楽(実際はそんなん聞こえてないのだが。なんかゾワッとする)
現世でゲームをしていた時もそうだった。
彼はホラーゲームをしているという事を思い出させてくれる。
ありがたくないが。
この試合、長居は無用と誰かがチェイスしている間や、吊られてる間に1台2台と発電機をせっせとひたすら早く直すのだが、ついに3台目が終わった時に最悪の瞬間が来た。
ワンパンタイム。
ゾワァっとした時チェイスしていた1人がやられ。それでバベチリに映ったであろうもう一人がやられ。
あっという間に救助狩りに合い。
もう、私1人になってしまった。
バベチリ対策でロッカーに入ったのが幸いした。
助けようにもワンパンタイムはいつまでも終わらない。
そう、お気づきだろうか?
無限ワンパンです。そんな状況でキャンプされてる仲間助けられます?
答えはノー。
一応近くまで来てます。
目の前立ってガン見です。
無理です。
フェイスキャンプされてるドワイトがでかい声で「ハッチ探して!」と叫ぶとケバブしやがる。
ドワイトの悲痛な断末魔が夜も眠る時耳に残りそうで色々辛い…。
そうして召されたわけで。私はハッチを探す旅に出たわけですマル。
しゃがんでノロノロ歩き回る私は、シェイプに見つからぬように心音がすれば隠れ、息を殺し縮む寿命に涙をちょちょ切らせてた。
心無しかデッデデ…って曲が聞こえる(実際は聞こえない)。
頼むよハッチ。コォーって音を聞かせてくれ…!
もう探してないところはあそこしかないと進んだ先。
デッデデ….デッデデ…
ハッチの上に立つ大男。
あ、コレおわた。ワンパンですよ?
無限ワンパン。
無理では?いや、ワンチャン気が付かれないように思い切り近づけば…
あ、こっち見てるわ。
気が付かれてるわ無理。
ジッ…とこちらを見る白いマスクのツナギを着た大男。ガッツリ包丁を構えている。切っ先がこっち向いてるよ。
ここは1度体勢を整えて再びチャレンジしたい…しかし、悲しいかな。シェイプはこっちにスタスタ歩いてきた。
『お許しください~~~!!』
思わず叫んであまりの怖さに何故かロッカーに入った。
馬鹿じゃないの。何故ロッカーに入る私よ。
『無理です怖い嫌ですお許しください』
呪文のように命乞いをロッカー内でぶつぶつと呟く。当然見なくとも分かるがシェイプは私の入るロッカーの前に立っている。
ガタガタ震えながら生きていることを後悔し、どうか開けないで欲しいと願う。開けないわけがないのに。
最近優しくされていたから全然処刑されてない。死ぬのが怖い。というかシェイプが怖い。
『ふぇ、ひっく…』
泣き出してしまうくらい怖い。
泣いたって無駄なのに。
これで許してくれるならキラーはお呼びでない。
結構長いことこの世界のゲームには参加しているが、まだまだ未熟故の甘さがある。
死んでるし、痛い思い沢山してる。慣れない。
やっぱり怖いのだ。
メソメソ泣いているのに、ロッカーは開かれない。結構経つはずなのに。
恐る恐るロッカーの空気口から外を覗いてみる。
『ひっ、』
いる。目の前で立ってこっち見てる。
怖い怖い…!
口を押さえつけてもう下がれないのに後ろに下がろうとする。
このまま開けないでどこかに行ってよ…!
ギュッと目を閉じたら大粒の涙が零れた。
そして
『ぴぃっ!!』
よく分からない叫びをあげてしまったのは許して欲しい。
扉が勢いよく開いたのだ。
『やだやだ~!痛っ!痛いって!優しくして!』
手を自分を庇うように前に翳していた為その手を握られて引きずり出された。あまりに力が強いので思わずそう叫ぶ。
絶対優しくなんかしないのに。
そうだ。コイツには優しさなんてない。
そう思ってた。なのに。
『…あ、』
力が緩んだ。
外れるか外れないかの非常に弱い力で。意外にも暖かい手だった。
それに戸惑っているとそのまま手を引かれて歩き出す。
『わ、ちょっと…あ、速いっ、もっとゆっくり歩いて!』
「………」
そう言うとまた不思議な事にシェイプは私に合わせてゆっくりと歩き出した。
『あ、ありがとう…』
何をお礼を言っているのかわからないが、とっさに出てしまった。
それから黙ってシェイプに連れられるがまま歩いて行く。…ハッチから離れている。
やはり吊るつもりなのだろうか…俯きながら怖くてまた泣き出しそうになっていたら少し手を強く握られた。それに驚いて顔をあげたら相変わらず真っ直ぐ前を向いて進む彼の横顔。
そのマスク越しに見えた目がコチラを見て視線がかち合う。直ぐに前を見たのでほんの少しの間でしか合わなかった。
こんなに近くで見たの初めてだ。マスクの下の目なんて普段見えないし。
まじまじと見つめているとふと歩む足を止めた。
彼の視線の先を見てみれば発電機がある。
『え?』と思わず間の抜けた声を出して発電機を見てたら繋がれた手を解かれて背をそっと押される。
え?修理するの?ハッチ出てるのに…?
ポカーンとしていると早くしろと言わんばかりに包丁でカキーン!と発電機を殴ったので慌てて修理を始める。
息してねぇよ…この発電機…新規だよ…
別の意味で涙がちょちょ切れた。
ガチャガチャと一生懸命生死と隣合わせの状態で発電機を1台終わらせて、やっと最後の1台という時になってだ。(やっぱり次の発電機に行く時も手を繋がれた。)
『…シェイプ、もういい加減にして』
シェイプが発電機を蹴ってしまいなかなか治らないのだ。
ポイント欲しいのか…?だったらやっぱり最後は吊るされてしまうのだろうか…
私がそう言うと、シェイプは蹴るのをやめた。
よし、今の内だ!と集中して修理を進める後少し。
『きゃあっ!?』
後少しなのに。
何故か私を抱き上げた。
…何故か抱き上げた。
後ろから抱えられるようにお腹に逞しい腕が回って、手に包丁握られてるからめちゃくちゃ怖い。
『なに、なに??』
急にどうしたの?頭が混乱して目が回る中まさか、これはベアバック?!このまま背骨を折るつもり…!?じぇいそんみたいに!
新しいメメントとか聞いてない…!と最悪の妄想をしながら怖いっと目をぎゅっと閉じていたらシェイプは私の首元をスンスンと匂いを嗅いでそのまま顔を埋めた。
『ひぇ、っ、ふふ、擽ったい…!』
擽ったがりなので思わず身をよじってクスクス笑う。
違う、やめて欲しい。
笑っている場合ではない。
プラーンと私は地面に足がついてないわけで。お腹も結構苦しいし。
降ろして欲しい。
『シェイプっ、降ろして』
息が首元にかかる度擽ったさに笑ってしまいお腹にまわるシェイプの腕を叩く。
『やめてってば、擽ったいよ…!』
漸く満足したのか、シェイプは首元から顔を上げて私を降ろしてくれた。
よかった。メメントじゃなかった。
再び発電機を修理し始めた時、再びシェイプが発電機を蹴ったので泣いた。
そんなこんなで漸く通電したわけで。
彼に手を引かれて連れられたゲート。
ひとつ開けてさようならとは行かず、反対側も案内される。
何か気に触ることしたら今からでも吊られそうなので怖いから大人しくついて行くが。
最後の1つを開けて、もう私のやることは無いですよと言わんばかりにシェイプを見上げる。
互いに目が合ってそのまま逸らさない。
彼は何も喋らないし、何を考えているか分からない。
少し長い時間そうしていて、さすがにこのままではいけないと俯く。
『もう、行かなくちゃ』
そう、ぽそりと呟いてみたら彼が動いた。
私の手を取って、ゲートでない所へ歩き出したのだ。
恐らく彼は私を吊らないのだろう。多分。
分からないけど。でも、今の今まで彼は私を傷つけないようにしてくれていた。
なんの気まぐれかわからないが、きっと逃がしてくれるのだろう…
少なくとも嫌われてはいない。寧ろ好かれているような…自惚れだけど。
コォオ…という風の抜ける音。
ああやっぱり。
ハッチの目の前まで来て彼は止まり、そうして私に向き直って見つめる。
心無しか寂しそうな目をしている気がしてキュッと手を少し強く握った。それに答えるかのように手を握り返してくれて思わず微笑む。
『ありがとう…』
手を引けば、するりと離れた手。
『ばいばい』
もう一度振り返って手を振る。
彼は振り返さなかったがずっとこっちを見ていた。
「セオ!無事に脱出できたんだね…!」
キャンプにたどり着いたら私の姿を見つけたドワイトが走りよってきた。
「よかった…よかった」
と凄く喜んでくれたのだが私は先程のシェイプの手の温もりを思い出していてドワイトのことなど全然頭にない。
「セオ…?」
さすがにボーッとする私が心配になって彼は私の手を取って名前を呼ぶ。
「大丈夫?もしかして、シェイプに何かされた…?」
握られた手を見つめる。
シェイプと温度の違う手。
「セオ?」
『ドワイト、手冷たいね』
え?って言う彼の手を引いて焚き火の所に行く。
戸惑う彼が心配そうに私を見ていたが、私は先程のシェイプの事を思い出していた。
「セオ、その、何かあったなら話して欲しい…僕じゃ話にくい事なら、ネアやメグに…」
『ドワイト、ごめんね。助けられなくて…』
「え?…あ、………いいんだ」
うわの空でドワイトが何言ってるのか分からなかったけど、私はなんだかふわふわと暖かな気持ちになっていた。
だから私は知らない。皆が神妙な面持ちで互いに顔を見合っていたのを。
「セオはもしかしたら酷いことをされたのかもしれない…」
「あんなに上の空なのはおかしい」
「私達にも言いたくない事なのよ」
後日ちゃんと誤解は解いたが腑に落ちない顔を皆していた。
「セオ、いいかい?何も無いならいいんだけど、もし僕に相談しづらい事があるならネアや、メグ達に相談するんだよ?」
『うん。大丈夫だよ。その時はそうするよ。』
お前は私の母さんかと言うくらい念入りにドワイトに言われて困ったなぁと頬をかいた。
ネアやメグ達女性陣にもめちゃくちゃ心配されたし、本当になんともないんだと言う。
ありがとうね。こんなに心配してくれて。
皆の優しさに涙がちょちょ切れる。
『お!ジェイク!』
前からジェイクが歩いてきた。
元気よく手を振ればジェイクは相変わらずのチベットスナギツネみたいな顔で私の元に来て頭をわしゃわしゃと撫で付けてきた。
『わぁー!やめてってば!くしゃくしゃになるよ!』
それに鼻で笑ってジェイクは手を離して
『うわっぷ!』
「着けてろ」
自分のネックウォーマーを私に被せた。
『むー…ジェイク首風邪ひくよ?』
「まだあるから」
そう笑ってまたくしゃりと私の髪を無でて彼は焚き火の方へ行った。
そうして私も焚き火に向かったらドワイトが私を見てジェイクのネックウォーマーを身に着けているのに気がついて驚愕していた。
彼は何を思ったのか「なら僕からはこれだ!」とか言って私に赤い帽子を被せてきたので謎の行動に首を傾げているとドワイトの後ろにいたジェイクが「はぁあ?」みたいな顔してて笑った。どうしたんだジェイク。
その場にいたデビキンが何を思ったのかハッとして私にライトを持たせた。
そうして、そのデビキンの行動を見ていたミンがもう片方の手に工具箱を持たせた。
…え?何コレ…
「最強のセオを作る企画か!」
意味わかんねぇよデビキン。
「なら私からはこれね。」
ローリー、ポッケにガラスの破片入れないで…違う、そうじゃないんだよ。
みんなに色んな物を渡されて訳が分からない状況に陥って、最終的にアダム先生が石を私のポッケに入れた時、何持たせるか悩んでいた組が一斉にポッケに石入れ始めたのでキレた。
今日も一日生き残れた。