「今年はどんなプレゼントを送ろうかな？」
とあるウマ娘は悩んでいた。
そこにはトレーナー室と呼ばれる部屋で、頭を悩ませながら考えるフジキセキの姿。
トレーナーさんを待っているのだが、普通ならこの時間には来ているのに今日は姿すら見ていない。
なんか最近はトレーナーさん自身から、あまり体が良くないと話しており、もしかしたら風邪を引いたのかもしれない。
この頃外の気温がいきなり寒くなったり、暖かくなったり気温の温度差が激しい。
LANEで連絡を取ろうとしたそのとき、トレーナーさんがいた。
「トレーナーさん！」
会えて嬉しかったのか、私は思い切りがよく抱きついてしまった。
だが、トレーナーさんは何か浮かない顔をしていた。
「あ...フジ、どうしたの...。」
「もうトレーニングの時間をとっくに過ぎてて。
トレーナーさんが全然来ないから心配したんだよ。」
「確か腕時計壊れてたんだ...忘れてた...。」
腕時計が壊れたことを聞いた私は、チョコレートと腕時計をプレゼントすることにした。
トレーナーさんからしたら腕時計が壊れたのは一大事。
私の思いつくところでも、腕時計をちょくちょく見ていた。
それに、チョコレートは特別なものを送ることにした。
丹精こめて手作りしたチョコレートだ。
絶対に喜んでくれる。
バレンタインの日にならないかとソワソワしていた。

「フジ、こんなので喜んでくれるわけないよね...。」
フジが特別なチョコレートを作っている中、トレーナーさんの方もフジのためにチョコレートを作っていた。
フジは甘いものが苦手で、ビターチョコなら何とかいけるよと話を聞いたのでビターチョコを使ったバレンタインチョコレートを作っていた。
しかし、自分は去年バレンタインのことを忘れておりチョコレートが作れなかったのだ。
それに私は老舗と題されている和菓子屋の娘だ。
洋菓子を作るなんてもってのほか。
フジは店には置いていない私の作った塩大福を美味しいと言ってくれたし、それでも良かったのだが。