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フジキセキの嫉妬

「自分が恥ずかしいな...」
しかし、トレーナーさんと距離が近すぎるような気がする。見ていてモヤモヤする。
私だってトレーナーさんとたくさん出かけたい。
だけどトレーナーさんは乗り気がしないのか、何回か断られている。
世間体が...と言って断ってくるのだ。
なんて考えていると、トレーナーさんのある声が聞こえた。
「誰かに見られてる気が...」
「誰もいないから大丈夫ですよ」
トレーナーさんをたぶらかしているあの男が不愉快だ。
「あ、ちょっと席を外してもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
そうやってトレーナーさんはあの男の元から離れていく。多分トイレとかだろう。
これなら話しかけられるチャンスが来た。
すかさずトレーナーさんを追いかける。
トレーナーさんは私の予想通りトイレに用事があったみたいで、トイレから出てきた。
「トレーナーさん」
「え...なんでフジがここにいるの?
今日は練習を見ることができないから、ひとりでもトレーニングができるメニュー表LANEで送ったんだけど違う...?」
「えっと、トレーナーさんがハンカチを忘れて、トレーナーさんハンカチが無いと大変なことになるだろうから渡しに来たんだ。」
「ハンカチ...あ、私ハンカチ忘れてたの今思い出した!
なんかいつも手に持ってるものないなーと思ったらあれ?って思ったんだ。フジ、ありがとう」
トレーナーさんの笑顔を見ると、私も笑顔になってしまう。
「フジ、ひとりで帰れる?」
「トレーナーさん...?」
「フジを返すのはあんまり良くないけど、相手側の方とのお話がまだまだ終わりそうにないから、フジだけ先に帰らすことしか出来なくて」
何を言い出すのかと思いきや、例の男との話が終わりそうにないから私だけ先に帰ってという話だった。
「私、トレーナーさんに分からないように隠れて見てたんだ。仕事だけの話だったら、あの男性があんなに近づくことなんてないと思うよ。
トレーナーさんは騙されやすいタイプだから、関わらない方がいいんじゃないかな?」
「そうなの?でも」
トレーナーさんは騙されやすいタイプだ。
前もトレーナーさん目当てで学園内のウマ娘からファンレターが来ていたり、詐欺にも騙されそうになっていた。それに何回も。
「私、そんなに見た目も良くないしスタイルなんて論外のトレーナーなのにファンレターが来ちゃうのすごいね...」とボヤいていたし。
あの時かなりキツく叱ったんだけど、トレーナーさんは懲りてないみたいだ。
「でも...」
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