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フジキセキの嫉妬

数日前のこと。
「明後日、ちょっと用事でフジのトレーニングを見れないんだけどいいかな?」
「それは残念、でもトレーナーさんのお仕事に関係するなら仕方ないね...」
「ごめんね...どこかで埋め合わせはするから」

「今日はトレーナーさん、用事でいないのか...」
トレーナーさんがいる光景が当たり前だった。
昨日送られてきたトレーニングメニューを見ながらトレーナーさんがいつも腰掛けているイスに座ったり、ソファーに寝転ぶ。
長く使っているのだろうか、トレーナーさんのいい匂いがしてドキドキしてしまった。
「トレーナーさん、いい匂いするな...」
しかしトレーニングに励まないといけない、とは思っていても、トレーナーさんがいないだけで辛かった。
朝、トレーナー室に入ったときトレーナーさんはしっかりとした服に着替えている最中で、「み、見ないで!」って言われて追い出されてしまったけど。
「別に同性だから大丈夫だとは思うんだけど」
「そりゃそうだけど、見られるのはやっぱ恥ずかしいよ...」
いざそう言われてしまうと、従うしかないし、なんなら悲しかった。
まだトレーナーさんのすべてを見れていないことも含めて、全てを許されていない感じがしたのだ。
「トレーナーさん、今日は何時に帰ってくるの?」
「えーっと...夜遅くなるかも」
「夜遅くまでトレーナーさんと一緒に居れないのは悲しいけど、後でうんというほど何かしら埋め合わせしてね?またデートしたいな、って」
「わかった、わかったから!
デートするから、ね?」
「やった!」
話していると、いつの間にか約束の時間になっていたみたいで、トレーナーさんは急いでトレーナー室を出ていってしまった。
「あれ?トレーナーさん、ハンカチ忘れてる!」
忘れていたのは、私がホワイトデーにプレゼントした淡いグリーン色のハンカチ。
グリーン色の理由は、私が離れた場所にいてもトレーナーさんに私の存在がいることを知ってほしかったから。
プレゼントしたとき、「フジのいいにおいがする」と自然な流れで言われて顔が真っ赤になったのは恥ずかしい思い出のひとつだ。
慌ててトレーナーさんを呼び止めるが、既に遅かったのかトレーナーさんは行ってしまっていた。
「これは追いかけるしかない...」
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